School In Londonを辞めるつもりだった
昨年11月のSchool In LondonでDJ中にそれを決意した。
嗚呼、私は私の敗北の姿を書いてしまった…。
いつからか右肩下がり気味だった動員的にもその日はついにこれまでの最小記録を目の当たりにして、悔しかったけど、自分が打てそうな手も現状はこれ以上思い付かないし、近年取り組んできたSchool In Londonの方向性は貫いていきたい。色んなチャンスもあった気がするけど掴みきるところまではもっていけなかったし、やっと決心できた気がした。
一つだけ最後にやりたかったことがあって、完全に自分のエゴでしかないけど、School In LondonとしてロンドンでDJすること。
実際に去年の秋頃からロンドンのとあるレーベルとコンタクトを取っていて、コラボイベントの開催までこぎつけそうな状態だった。結局は頓挫してしまったけど。Is this it…
墓場を探していた。
School In Londonは20代から自分の人生のそれなりの大部分を捧げ、頑張ってきたイベントだと思っていたから、自分の中できちんと弔える終わりを作ろうと思った(※ここでの表現には自分でも少し違和感が残るが、適切な言葉が思い付かなかったのでこのままにしておく)。それがロンドンでの開催だと思っていた。
ロンドン開催を一旦は断念せざるを得ない状況となったものの、2013年6月26日にスタートしたSchool In Londonの10周年が近づく。やる気は全く何も起きなかった。有終の美的な形で10周年開催をして解散とする手もあったかもしれないけど、現行のインディー音楽を盛り上げたいと思って活動してきたSchool In Londonの近年の活動の在り方に対して不適切な終わり方だと思ってしまいそれはなんか違うなと思ってしまった。
ZINEを作った。(買ってください🙏)
ZINEではSchool In Londonを運営したこの10年間での出来事やこのイベントを続けていく上での気持ちや姿勢の変化などを文章にした。自己満足な内容にも思えたけど、ご購入頂いた方々からはそれなりにご好評を頂いており、大変ありがとうございます。
ZINEを販売して驚いたのは思っていた以上に多くの注文を頂けたということ。地方からの注文も多くあり、しかも、自分が行ったことない地域からの注文も多かった。School In Londonでスタッフをしてくれている髙沢が「最近、熊本の人とたまたま知り合いになったんですけど、School In Londonはいつか行ってみたい憧れの場所ですと言われました!」って自分に報告してくれたことがあったけど、今回のZINEの注文状況からそう思ってくれる人が本当にいるんだなと実感できた。
ここ数年、School In LondonのInstagramアカウントをフォローしてくれたり、メッセージを交換してくれたりする海外アーティストの方が多くいる。DJで彼らの音楽をプレイしている動画をストーリーズにあげたり、毎月School In Londonで作っているプレイリストにMEGA PUSHアーティストとしてピックアップしたりをきっかけにフォローしてくれるパターンが多いが、私に影響力は全く無いけど、それでも自分たちが彼らのことをパーティーやプレイリストを通じて知ってもらおうとしていることに非常に喜んでくれるし、実際にDeadletterへのインタビューについてはそうした流れの中で快諾してもらえた出来事だったと思う。
もったいない気持ちがあった。
もったいないって気持ちだけで(※本当は「だけ」じゃないけど)これからも続けてもいいのだろうか?って自分でも思うし、続けることに今も完全にポジティブな方向に気持ちが向いているわけじゃないけど、全ての可能性を途絶えてしまうのは良くないとな思えた。続けていくのが正解なのか自分の中でもまだ整理しきれていないけどもう少し続ける。
School In Londonはリアルタイムのインディー音楽を扱うDJパーティーだ。
"インディー"とはそれ自体が何か音楽性のジャンルを示すわけではない。例えば、どのレコードを買うのかと同じように、どの店舗でレコードを買うのかを大切にする。不完全な音楽が持つ背後のストーリーにドキドキする。大きな資本やバズから作られるシーンには一歩距離を置いて、生活と地続きにあるようなマインドやパンクスの方が今を生きるリアルを感じ、そして内側から生まれていく信頼からカルチャーの可能性を覚える。
日本ではまだ観る機会が無いような駆け出しのアーティストでも、もっと聴かれるべきアーティストだと思えば、DJの中で自分なりにプライオリティを置きたいし、自分なりの最適な文脈の中で現場の大きな音で聴いてもらいたい。聴き慣れた過去のロックアンセムが全くかからないわけではないし、そうしたものにも敬意も持っているつもりだけど、それらが主役になるようなかけ方はしない。自分たちの耳でキューレートしたリアルタイムの面白い音楽でフロアを作っていきたい。
School In Londonはこの10th Anniversary Tourをもって現体制での活動を終了する。その後のことは実際まだ何も決まっておらず、本当に再始動できるのか不安もあるけど、今は10th Anniversary Tourをきちんとした形でやり遂げることに注力したい。
長年School In Londonを一緒に盛り上げてくれた遠藤さんやタイラさんには最後まで自分のワガママを聞いてもらう形となってしまった。2人は自分のDJキャリアスタート時の憧れた存在であり、DJの技術や考え方も幾度となく盗ませてもらったり様々なアドバイスも頂いた先輩でもある。この3人でSILを組めたのはこの上ない組み合わせだったと思うし、最後に一緒に3箇所も廻れるので、この3人の組み合わせによるSchool In Londonの可能性を現場で拡げていければと思っている。
この文章はSchool In Londonに遊びに来たくなるようなワクワクするような文章にはきっとなっていないと思うけど、今回の10th Anniversary Tourにご都合良ければ是非遊びに来てください!
フライヤーモチーフのアーティストはSchool In Londonとしても今年一番推しなbar italia。ピクセルアートなデザインはもちろんtakekiyoさん作です!
新体制のSchool In Londonにもし加入したい方がいたらそれとなく自分にアピールしてもらえると嬉しいかもです。
School In London 10th Anniversary Tourとは別にオランダのTramhausというアーティストの来日公演を主催させて頂くことになりました。こちらも是非宜しくお願いします!
最後に全く関係無い話で、フジロックで来日したYard ActにSchool In Londonのステッカーをプレゼントしたらジェームスが彼のスマホに貼ってくれたの凄く嬉しかったです。しかも、彼らが運営する自主レーベルZEN F.C.のステッカーの隣に!
村田タケル
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