The Last Dinner PartyだったりMournだったりの雑感。
最初はXでカジュアルに書こうと思いつつも面倒な何かに絡まれたら怖いなと思ってnoteに書くことにしたんだけど、The Last Dinner Partyについては少し不憫だなと思っているところがある。
自主リリースも無く、インディペンデントな活動期間もほとんど経ずにメジャーレーベルと契約して、猛プッシュされて、お金も投入されて、実際に熱狂を産んでいるけど、常に流動的にアーティストが入れ替わるその業界で、彼女たちに資本があんまり使われなくなったり(それはこれまでにも色んなアーティストで何度も見てきたことだし)、何か活動の中で躓くような局面にぶつかったりした時でも、もしも資本から見放された時でも、活動を続けていけるパワーがあるのかはけっこうクエスションがある。
そんなことを私が心配するなんて彼女たちからしたら超余計なお世話でナンセンスでしかないのだけど、結成して間もない彼女たちの音楽に私も含めて多くの人が既にアクセスできているのは、資本の力によるものが大きいというのは間違いないと思うんだよね。で、多くの場合は、資本が魅力と感じるものは良いか悪いかではなく、売れるか売れないかによることが多いのも知っている。彼女たちの音楽性がこんなにもマスの位置で受け入れられるなら、ここ数年でも、もっと話題になっていいよなって思えるバンドも浮かぶわけでさ。
彼女たちの2月2日に発売された1stアルバム『Prelude to Ecstasy』でUKチャートの初登場1位を獲得したのは、そりゃそうなるだろぐらいの感想しかなかったし、2020年6月のSports Teamがチャートバトルで泥臭く2位を獲得した時のようなワクワクは無かった。とはいえ、彼女たちに対して何かネガティブなことを言いたい訳では一切なくて(とはいえ自分的には今時点でそんなに熱狂しきれていないことも正直に述べておこう)、数年先にどうなっていくんだろうなと、なんともいえない気持ちも抱えていたので文章に起こしてみた。
ただ、数年後の方が自分がハマっている可能性もめちゃくちゃあるな。フジロックに出演するので観るのはめっちゃ楽しみ。
一方で全く話題になっていないのが3月1日に5枚目のニューアルバム『The Avoider』をリリースする俺たちのMourn。前作から4年ぶり!
https://www.montgri.co/producto/pre-order-mourn-the-avoider-lp/
前作まではUSの名門インディーレーベルのみんな大好きCaptured Tracksからのリリースだったけど、契約が解消されたのか、今作は地元スペインのMontgríというレーベル(ロゴがMatador Recordsとそっくり笑)からのリリースとなっている。リリースがローカルのインディーレーベルに変わるとこんなにもメディアは取り上げないし、話題にもならないのかと悲しさ混じりの驚きが個人的にはあったけど、どのレーベルからリリースされようとも、話題にならなかったとしても、僕がMournを今でも夢中になって応援したい気持ちは一切変わらない。僕とMournの関係性を知りたい方はよかったらこちらをどうぞ。ヘッダー画像は2019年3月9日のMOURN大阪公演での写真。
それにしても先行曲の”Could Be Friends"、めちゃくちゃ良いじゃん!
1stアルバムをリリースした時は彼女たちもまだ10代中盤の若さで、活動初期の頃はユース特有の繊細な感傷を切り裂くようなパンクさのイメージだったけど、ここに来てキャリアの中でおそらく最もシンプルなメッセージで作品を作ってきたってところに泣けてくる。そして、乗れる。めちゃくちゃ乗れる。自然と拳をグッと突き上げたくなるような衝動。最高。
ミュージックビデオも泣ける。世界的にはあまり話題になっていなくても今もこれだけの多くの人に愛されているのが伝わってくる。バンドを続け、作品を作り続けてくれるMournに拍手!
ありがとうございました!
村田タケル