「明日」って明日のいつ?問題を考えた話
こんにちは!今回は、UI/UX的な話をひとつ。
僕はフリマアプリ「メルカリ」をよく使う。とても価値のあるサービスだと思うし、使いやすい。
しかし、先日アプリを使う中で「ん?」と感じることがあったので、その内容について書き残してみようと思う。
ついでに、こうすれば「ん?」は生まれず万事スムーズだったのでは?的なところを考え、さらに気付いたことも合わせて書いておこうと思う。
ある日のプッシュ通知
ある日のメルカリさんのプッシュ通知がこちら。
「明日、137Pの有効期限が切れます」
少し前に本をメルカリで購入、「購入金額の5%をポイント還元」的なクーポンで頂いた137P。実質5%オフになるという素敵クーポンだ。
さすがメルカリさん、単純な値引きではなく、ポイント還元にすることで次に繋げる。ガンガン使ってもらう施策がお上手。
で、137円として使える137Pが翌日期限切れるからはよ使いなね、と教えてくれるメルカリさんからの有難いプッシュ通知。
さすがメルカリさん、期限設けて、プッシュ通知も忘れない。行動喚起がお上手。
多くの人は、「あぁ明日ポイントの期限が切れるのね、はよ使おか」ぐらいの感じで、それ以上特に何も思わないのかもしれない。
ところが僕は「ん?」と画面を見て止まってしまった。
「明日」っていつ、、、?
まぁよくあるその日を含むか含まないか問題。この場合、基本的には明日いっぱいは使えて、明後日になる前に消失するのだと思う、多分。
高確の多分だとは思った。
が、しかし。
なんだかムダに不安に思っちゃったのである。
「明日切れるってことは、今日中に使わなあかんってこと?いやいや、明日切れるっていうんやから明日いっぱいは普通使えるか?いやでも、もしかしたら取得した時間からちょうど1週間とかが期限になってるという可能性もあるな、、、。」
つまり、「137Pが消失する期限」として、以下の3つの可能性が頭を巡ってしまった。
①期限は「明日が始まる」とき
②期限は「明日が終わる」とき
③期限は「そのポイントを取得したときから 丸1週間」とかで、取引完了したのが例えば16時なら、明日の16時
「いや、不安ならつべこべ言わず今日使ったらええやん。今どきどこのコンビニでもメルペイ使えるやろ。アイスでも買えや。」と言われてもしょうがない話かもしれない。
しかし、普段あまりコンビニで買い物しない僕にとっては、
・今日無理に何か買わないといけないのか
・明日中は何を買うか考える猶予があるのか
・はたまたよくわからない明日の何時かの期限に怯えながらもまぁ大丈夫だろうと小さな賭けに出るのか、
はけっこう大事な問題だった。
いや別にね、137円が消えようが死ぬ訳でもないけどね、消えたら消えたで一時的に「しゅん、、、」としちゃう絶妙な金額でもあるのがミソである。
メルカリさんの意図は?
メルカリさん的には
・ユーザーさんが損しないようにリマインド
・再度メルカリやメルペイを使ってもらう
という目的で通知をされているのだと推測するが、「明日」という言葉でそんなに迷う奴がいるなんてことは、想定外だろうか?
それとも想定内だけどごく少数だろうし、気にされていないのだろうか?
後者だったらなんだかさみしいなぁ、、、。
僕はけっこう細かいし、そういったテキストによる違和感というか、疑問というか、プロダクトとユーザーの摩擦について、人よりよく気付く。つまづくと言った方がよいかもしれないが、その自信がある。
ただ、僕がこう思ったということは、やはり他にも同じように思う人が間違いなく一定数いると思っている。
なので、最近はこのような話でユーザーとして思ったことは、ちょっと声を上げてみようかな、と思う。それがもしかしたら何か少しでも良き方向に変わるきっかけになるかもしれない。自分の気付きに繋がるかもしれない。
ちなみに、先日JRさんの車内アナウンスで気になったことをホームページで問合せおよび提案をしたら、隣にいた妻に普通に引かれた。
どんなテキストなら良いのか?を考える
文句を言うならどうしたら良いか意見を言うのが筋だと思う。でなければ、ただのクレーマーであり、そうはなりたくない。
基本的な条件は
・簡潔に、明確に、情報に過不足なく
・誰にでも誤解なく伝わるように
といったところだろうか。
なお、先述の①〜③によって当然伝えるべき内容は違ってくるはず。しかし、以下の理由で②のみ考えることにする。
理由:①はつまり②の1日後なので、②の場合を解決し、明確に通知することで①も包含して解決される。③だとしたら「明日の○時、〜」とするしか伝わらないと思うので、勝手ながらそれでおしまい。
さあ、では②の場合どうするか?
誰が読んでもちゃんと不安なく「明日が終わるまでに使えばいいんだな」と思えるコピーとは?
例えば、これはどうか?
こちらでは、「明日が有効期限」と言っている。感覚的だけれども、「明日が有効期限=明日いっぱい利用可能」と思える表現だと思う。
一方、こちら(元のコピー)は「明日、切れます」と言っている。この「切れます」という表現は「明日、なくなります」という表現と意味が近いと思う。「明日、なくなります」と言われると、「明日にはもうなくなっているの?」「明日のいつ??」と感じてしまうのではないか?と考えた。
(くそぅ、うまく伝わる表現にできてる気がしない。ぐぬぬ、、、。)
そこでちょっち思ったのは、「切れる」というワードが「切れるから早く使わなきゃ」ということをユーザーに想起させているのでは?ということだ。
さらにもう1つ思ったのは、
メルカリさんはユーザーに早くポイントを使って買い物をしてほしい⇒ユーザーに早く使わなきゃ、と思わせるためにあえて「切れます」というワードを使っている?ということだ。
上記はほんとにただの推測だけれど、もしそうだとしたら確かに僕は早く使わなきゃ、と思ったのには間違いない。なので、意図は達成されているのかもしれない。
でも、誤解を生むような表現だと僕は思うので、正直あまり歓迎はできないなぁ、、、。
でも、メルカリさんのことだから、いろいろ考えて試した上でこのテキストにされたのかなぁ。
言葉って○○
今回、メルカリさんのプッシュ通知から思ったこと、考えたこと、気付いたことについて勝手気ままに書いてみた。
これがまさにUXライティングなのね、と改めて。
テキストでユーザー体験をデザインするということ。ユーザーにいかにスムーズに使ってもらうかを考えるということ。
ほんとうに言葉というのは面白いな、と思う。同時に、難しいなとも思うし、大切だなとも思う。月並みだけど。
と、言うてる間にまたさっきメルカリさんから
「3日後、クーポンの有効期限が切れます!使ってみましょう!」
とのプッシュ通知が来とるやんけ!
早く使わなきゃ、、、!
では、又。