いきものもけものももののうち。vol.2
『スピリチュアル・ズボラチュアル』
スピリチュアルなものは好きである。
人並みに好きだ、と思ってるけど人はそんなに好きでもないのかもしれない。
かと云って、ものすごく傾倒してるかと云えば然うでもないし、スピってるひとの話を冷静さを吹かせながら聴くのが好きだし、
と云うかそもそも、
スピってるひとに興味があるのかもしれない。
スピってるひとの中には溺れるようにスピをも掴んでるひともいるけど、良識に達観してるひとも居る。
シゴトとして溺れ感があるひとは目を見たらだいたい此処ではない何処かを見てらっしゃる。
誰と話してるの?と思うのであまり興味はない。
達観タイプの中でも見るからに偉そうなとか、本当は優しくもないけど優しいでしょう?と云う目をしているひとはキケンだから近寄らない。
まれにとても愉快に生きてる方が居て、其れだけで生計を成してるのでなく、音楽とか芸術とかなにかを作ったりしてるタイプのひとが好きなのだ。然う云うひとはとてもカラフルで生活の一部にスピがあり人間的で魅力的なひとが多い。
わたしは、占いを読むのも好きだし、石とか精油の効果は其れなりに嗜んでるし、直傳靈氣は習ったし、タロットも気まぐれにやる。
悪意の漂う空気の場所では気持ち悪くなるけど、視力が悪いから大体ぼんやりしたものがはっきりクリアに見えるわけがないと思ってるので見たことはない。若しくははっきりし過ぎて気づいてない可能性もある。
悪意のかたまりの感情にぎゅうぎゅう首を絞められたことはあるけど、水晶を枕元に置いて寝たら来なくなった、くらいのレイカンしか持ち合わせていない。
石を色合いと願いごとを詰め込んでカラフルに仕上げたブレスレットを作って、其れ意味ないよー!と云われたりする程度に無作法だ。
都合のいいときに、
水晶は悪いのを祓う、ローズクォーツは恋愛運アップ!適度のご都合使いで、
効果効能的なものを読むのが好きなくせに全部覚えない、要するにズボラなのだと思う。
占ってもらうにしても自分の悪い点などは大体把握してるし、先の恋愛運を見てもらってもそもそも家でダラダラしてばかりでは勿論誰にも出会わないし何も起こらない。当たるって聞いてても数千円出して占うのもなんだか勿体無いなあくらいズボラなのだ。
夏に氷系のアイスを食べて熱を下げると同じ感覚で、きっと精油や石の効能を使ってるんだと思う。いっぱい揃えてはいるけど、生活的には其れくらいがちょうどいい。
分別なさってるひとには一緒にしたらブン殴られるのかもしれないけど、UFOは見たことがある。高校の時、部活帰りのバイパス入口の山に近いてっぺんのところで、当時つきあってたひとと口論をしてた。「あ」っと2人とも一瞬止まって其の何も無いだだっ広い空に奇妙な動きで光る物体を確認したけども、それどころでなかったので無視して口論を続けた。
世の中はスピ都合では回ってないのである。
空気読めない飛行物体は確認してもスルーの刑なのである。もし仲裁に入ってくれてたのならゴメンやけど、当時のわたしにそんな考えはなかった。
UFOと云えば、大学のときにUFOに連れ去られたことがあると云う女子とたまにつるんでた。
無くなってた演劇部を興す件で知り合ったひとだった。
わたしは彼女の話を、信じるとか信じないとかではない感覚で聴いていた気がする。物語を作る延長のような、下地のような、鯛焼きをほおばるような感じで聴いていたのかもしれない。
始終其の話でもなく、普通に耳の後ろに埋め込まれたチップの話とか演劇とか将来とか恋愛の話をしたような気がする。
取り敢えず、もし何かを見てしまってもわたしには何かしてあげれる力もキャパも技量もないので無理だし、話を広げるような友だちもない、さして効果がないうえに、驚きの沸点が高くて大体のことを うんうんそれで? って流してしまうので、おどかしたい欲ですら沸かなくて見えないのだろうと思う。
大体、もし浴室で血まみれの髪の毛がバーっと出てきたら開口一番「排水溝つまるやん!誰が掃除するん!」て言うと思うのだ。そんな叱る気まんまんのヤツのところにはそもそもやってこないのだと思う。
盛り塩は舐めるし御守りの中身は必ず開ける子どもだったので、バチは当たってないけど神頼みも文化的な風習程度にしかしてない。
神社にはよくピンクの小さな巻貝を拾いに通っていたので、おそらく毎日きれいに敷き詰められた砂利に丸いハゲを幾つも作りにくる行為は割とテロだったろうなあと思い出す。
自分は無宗教だと云う意識があるからなのかもしれない。宗教で逸脱してった知り合いの話を聞いたからかもしれない。若しくは面白くは思うくせにさして何も信じてない薄情なニンゲンなのかもしれない。
念仏ビートや仏教的な和テイストの音楽はかなり好きなんどけどなあ。
たぶん多方面にズボラなんだろう。
ズボラチュアルな生活からときどきは脱したいとは思うのだけどね。
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