2時間ドラマは大いなる実験場
ミステリドラマ好きとして悲しいのが、テレビ局各局から、2時間ドラマ枠がほぼなくなっていることです。
2時間ドラマについて今回は書きたいと思います。
1.2時間ドラマがなくなった訳
2時間ドラマの視聴者層の年齢は高く、ゴールデンタイムを2時間使い、制作費もかかります。この貴重な枠で「オリジナル脚本」で「あまり有名でない俳優」を使う2時間ドラマは本当に稀になっています。
現在、2時間ドラマの主流は、テレ朝の日曜日のを除き、各クール毎の繋ぎとして、大御所作家の原作による、有名俳優を起用した2時間ドラマが多くなっています。
制作会社側としては、コスパのいいバラエティ番組を1時間毎に放映したくなるのも、ごもっともだなと思います。
2.2時間ドラマの意義
2時間ドラマは、俳優、脚本家、監督はじめスタッフ、制作会社にとっての腕試しの場であると思います。
人材発掘の場である2時間ドラマがなくなってしまうと、連ドラの質が落ちてしまうことに繋がるのではないかと危惧します。
2時間ドラマで、制作会社は気になる俳優、脚本家、監督を起用して、どれだけ出来るのかを見定めることができます。
俳優と脚本家、監督は、成果を出して次へと繋がる仕事を手に入れるために頑張る場ではないかと思うのです。
「この俳優さんよく見るなあ」と視聴者に思わせるのは、制作にとって良くないのではないかと思います。
脚本家や監督も人気の方ばかりではなく、新しい発想ができる人を安く起用したいというのが制作会社の本音でしょう。
本当は、人気脚本家、人気監督のいい値に応えられる潤沢な予算があればいいのですが、監督は別にして、昨今、制作会社側に、人気俳優の起用でインパクトを与えてしまえば、多少の粗がある脚本でも大丈夫と思っている節があります。
映画でも、人材発掘を行えたらいいのですが、興業収入で元を取りたい制作会社としては、なかなか無茶が出来ないのでしょう。無難に人気俳優を揃え、無難な脚本になってしまう。
3.2時間ドラマの代替となる場所
個人的に注目しているのは、地上波では、地方局制作のドラマです。また、ネット配信のみのドラマも冒険ができます。
地方局制作のドラマが、他の地方局でも放映されるパターンが最近見受けられるようになりました。また、地方局制作ドラマを見逃し配信で他の地方在住の方々に見てもらえる。
これからは、地方局制作のドラマが活気付くのではないかと思います。
時間使い方が多様化している時代ですが、ドラマの隆盛を祈念しています。ドラマの隆盛が、映画・演劇の隆盛に繋がると思っています。