鳴き読み
ケース1
プレイヤーAが 8s をポン
次いで 2m を 34m でチー
その後 5p を切り 6p をポンして 5s 切り
この 5s 切りでテンパイだった場合、ソーズは全て通り、シャンポン待ちもない。
また、ソーズが全て通りシャンポン待ちもないとなれば自ずと待ちも推定しやすいだろう。
ではなぜソーズは全て通ると言い切れるのか?
そのポイントは、この仕掛けの違和感にある。
この仕掛けの最大の違和感はどこだろうか?
やはり 5p を切った後に 6p をポンしたという、テンパイ未満の状態で 566p から 5p を切って 6p を対子固定したという点だろう。
では、もし仮にポン出し 5s のまたぎの 3−6s 待ちだったと仮定しよう。
すると、テンパイ形は、
で、 6p をポンする前の形は、
だったことになる。
となると、 5p を切った時点で
ここから 5p を切ったことになり牌理的に矛盾が生じる。
この牌姿ならば 5s か 6p を切るはずだ。
同様に最終形がシャンポン待ちというのもありえない。
この牌姿ならば 6p が切られているはずだ。
では、どういうテンパイ形が妥当性が高いだろう?
答えがわからない方は考えてからスクロールしていただきたい。
この鳴きのテンパイ形は、 5s の1つ隣の牌、つまり 4s か 6s が雀頭の他の部分待ち(この例でいえば萬子に限定される)だ。
この形ならば打牌と仕掛けに矛盾が生じない。
ちなみにこのときの雀頭は必ず 5s の1つ隣の牌 { 4s , 6s } で2つ隣の牌 { 3s , 7s } が雀頭ということはない。
仮に 3s が雀頭だと仮定すると、
この牌姿から 5p を切ったことになり牌理上矛盾が生じる。
この牌姿ならば 5s が切られるはずだ。
相手の待ち読みだけでなく何が持たれているか(または持たれてないか)自身の手組や待ち取りにとって有効となりそうな情報はキャッチしておこう。
麻雀における読みと、音楽におけるリズムは似ている要素があると感じる。
音楽におけるリズムが1つの音では成り立たず、2つ以上の音の間隔や強弱や音価などから成り立つように、麻雀による読みも2つ以上の情報によって成り立つものがほとんどだからだ。
ちなみに、この 5s 切りでテンパイだった場合、ソーズは全て通ると述べたが、ソーズが待ちになるケースがある。
この 5s 切り以前にテンパイしていて待ち変えしたケースだ。
このケースはかなり限定される。
このようなテンパイ形からの 6p ポン→打 5s ならば 5p が切られていることと待ちが 3−6s や 4−7s になっていることとの整合性がとれる。
他には、
こんな感じのウルトラレアパターンなども有り得るが、いずれもテンパイからの待ち変えで牌の枚数的にも限定されたパターンと言えるだろう。
鳴き読みの思考プロセス
以降、このnoteでは様々なケースを挙げていくが、読者の方には各ケースの"答え"を身に付けるだけでなく"考え方"を身に付けていただきたい。
鳴き読みの思考プロセスは、「逆再生」と「照合」だ。
鳴く前の形を「逆再生」する
↓
鳴く前の形にそれまでに切った牌や鳴かなかった牌と「照合」して
尤もらしい形を推定する
この思考プロセスを用いて以降の題に臨んでいただきたい。
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