五月のアイスコーヒー
大人になったはずなのに
何でこんなにわがままを言ってしまうのだろう
大人になったはずなのに
何でこんなにだらしないのだろう
大人になったはずなのに
何でこんなに他人に甘えてしまうのだろう
大人になったはずなのに…
珈琲を淹れてくれた彼にお礼も言わずに二度寝…
年下の癖に、余裕ぶって私を寝かせて、静かにタバコをふかしながら自分で淹れた珈琲で朝のひとときを楽しんでいる
うつらうつらと目が覚めた私は、彼のそんな姿がちょっとうらやましく、まだ少し眠かったが起きることにした
彼は、私が起きると笑顔で「おはよう、何か飲む?」と聞いた
この彼の笑顔にいつもやられる
彼の、この笑顔は日常の忙しさをいつも忘れさせてくれる
一呼吸置いて「じゃあ、珈琲もらおうかな」
はーいと返事をして、アイスでいい?と一応聞いてから彼がキッチンで…
カランカランと氷を…
彼の涼しげな仕草を見つめながら、この音好きだなぁと改めて思った
「おはようございます、お嬢様」と、からかうように言いながら、いつもの、私の好きな彼の淹れる珈琲をテーブルに置いた。
彼の淹れてくれた珈琲を飲みながら…
やっぱり今日も美味しくて…
昨日のプロポーズの返事
「結婚しちゃおっかな」と心の中で呟いた…
年下の癖に、子供の癖に、彼の淹れる珈琲はいつも美味しい…