いまのこと(自分の感覚を育てる)
11月中旬から1ヶ月日本に帰っていて、先々週ケープタウンに戻ってきた。
冬の日本から戻ってきたケープタウンは、すっかり夏になっていて気持ちが良い。湿度が日本ほどなく、基本晴れている。大好きな気候で嬉しい:)
ここ最近というか、今年一年かけて自分のヨガの練習が変わってきて(狙っていたわけではなく、自然とそういう流れになって)気づいたことがあったから、今回はそれをnoteに書こうと思う。
2022年5月~11月までの過程
日本滞在中では、ケープタウンに行く前から週3〜4で地元にある小さなスタジオに通っていた。変わらずにいつも笑顔で迎え入れてくれる先生にほっとする。海から近くにあるスタジオは自然に囲まれていて、聴こえるのは鳥のさえずりと先生の優しい声だけ。
いつ行っても変わらない練習内容。だからこそ、自分の状態が分かる。
実は2022年に入ってから左の股関節あたりに痛みが出てきてしまい、ヨガをしている最中に激痛が走ってしまうことも時々出てきていた。
いま思えば、2021年の夏あたりから少しずつ、股関節がコキ、コキ、と鳴るようになり、気づいていたのだが痛みがなかったから放っておいた。
それがだんだん痛みに変わり、気づいたら激痛になってしまうときが出てきてしまった。
いままでにない痛みの感覚。
ヨガをする中でカラダが痛くなってしまうのは私の中ではありえないことで、ヨガをしてカラダのコンディションが上がっていくという自分のセオリーが真逆になってしまっていることを受け入れられなかった。
すぐ治るだろう。
たまたま痛いだけ。
そのうち治る。
そんな甘ちょろい考えで過ごしていたのだが、7月頃、痛すぎてヨガができない場面が出てきてしまい、このままだとヨガできなくなってしまうかもしれないという恐怖心が出てきて、改めて自分のカラダと向き合うタイミングがきた。
ちょうどその頃、先生から二冊の本を貸していただき、机上でカラダの構造について学ぶ機会が出来た。
「身体構造力」という本と「構造医学」という本。
これらの本には、そのときの私に必要な知識が書かれていて、本当に鳥肌だった。同時に先生に感謝した。よく見ていてくれていることに。
それまでヨガをするときにそんなに深く重心や関節、筋肉の動きを意識してこなかったのだが、その本を読みながら知識を自分の練習に落とし込んでいった。
特に注目したのは、重心、胸椎と股関節の動き、腰椎。胸椎と股関節は関節の中でも動く関節(mobilityと呼ばれる)、腰椎は動かさずに安定させる関節(stability)。関節だから目に見えないカラダの内側の動きになる。
本で学んだことを実践では先生のアジャストを元にカラダの動きを変えていく練習。
何度も何度も同じ動きで直される。
いままでできた基本のポーズさえできなくなっていく。
その状況に素直になって、今まで積み上げたものを一度壊して、もう一度積み上げていく練習を繰り返した。
また、先生はクラスで、こんな椅子を使うようになった。
この椅子は主に逆転のポーズの練習補助として使われるらしいのだが、ほとんどのヨガのポーズについてこの椅子を使って練習するようになった。椅子を使うことで体重のかけ方や身体の回旋がシンプルに分かる。めちゃくちゃ良いツールを発見した。
8月。
ケープタウンに行った後は先生がない日々になったが、何度も刷り込んでもらった呪文のようなアジャストが脳とカラダに染み込んでいて、となりに先生はいないんだけど、アジャストしてくれる言葉が出てくる。
そうして3か月練習を続けた。
私が練習しているヨガは比較的早いテンポで動いていくものだから、その一つ一つの瞬間にカラダの動きを集中させて動かしていく。
早いテンポだからこそ、一つ一つのカラダの動きに瞬時に意識を向けていくことが必要になる。
ただ気持ち良いなーで終わることはなく、関節の感覚、筋肉が張っていないかなど、その瞬間に色んな箇所を観察して、感覚を確かめていく練習を繰り返す。
そんなこんなで11月に帰国。
いまでももちろんできていないポーズがたくさんあるけれど、確実に前よりカラダが変わっていた。特に股関節の痛みの箇所が少しずつ変わっていて、以前痛かった箇所の痛みがなくなった。そしてまた違う箇所に変化が起きている。
カラダは正直。カラダはつながっている。
そして、一年前はグラグラして安定しなかったポーズが楽に安定し始め、筋肉が張ることが少なくなった。筋肉が張ることが少なくなったから、無駄に足が太くなったりすることも少なくなった気がしている。
フォーカスして練習したわけでもないポーズも、いつのまにかできるようになっていた。
明らかに一年前よりヨガをしているときに楽に気持ちよく動けている自分がいることに今回の帰国で気づいた。
先生にも「前よりもカラダがつながってきましたね」と言われた。
“カラダがつながる。”
特に股関節の動きの感覚が分かってきてから、カラダ全体の動きがつながってきた感覚がある。
身体の構造医学の知識を少しずつ学びながら、自分のカラダに落とし込み、その感覚を育てる作業を繰り返した結果だった。
いままでここまで自分のカラダを観察してこなかったから、自分としては地味に成長できた一年だったと思う。
本当の意味での「ヨガの練習」
自分のカラダの声に正直になって一度立ち止まることもヨガの練習だと改めて気付かされたし、そこには自分に必要な出来事が待っている。
そして、自分の感覚を育てるのがまさにヨガの練習で、これにはきっと終わりはなくて自分の魂がさらに成長するための訓練なんだと思う。
自分の奥深いものに気づき、感覚を育てる。
ヨガの練習中に何回も「身体がスケルトンだったら関節の動きが見れるのに…」と思った。関節の動きがつかめなかったから。
見れないからこそ、自分の深い場所(心のもっと奥深い場所っていうイメージ)とつながって、感覚を探っていく。それは自分を知ることでもあるなと思った。
ヨガをすることでカラダの感覚が分かるから、自分とつながれる。
自分とつながって自分を知ることができるから、カラダをつなげることができるようになる。
カラダがつながってくると、カラダが楽になる。
そうやって、自分を観察しながら素直に練習を繰り返す。
身体の痛みなどの異変は、自分を自分らしいポジションへ導いてくれるサイン。
わたしは今まで頑張りすぎなヨガの練習をしていたのかもしれない。
もしかしたら、潜在意識の中で誰かに見られてるからってかっこよく見せていたのかもしれない。
そんなにピーン!としなくてええねん、と一年前の自分に言いたい。
もっと自分に合った動きがあるし、take it easyでいい。
これが今年練習してきたからこそ気づけたこと。
機会をくれた先生に感謝。
わたしも早くそっち側の人間になれるように頑張りたい。
来年はそれに全力を注ぐ。
もう1つの夢を叶えるために。
2023年。
いよいよ本格的に動き出す。
育ててきた心の感覚を信じて。
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