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足部機能


お久しぶりです。
理学療法士 ゆうきです。 

足部機能についてまとめてみました。

はじめに

今回は脳ではなくなぜ足部に着目したかというと、ヒトは直立二足動物であり、唯一地面と接する部分が足部です。また、足部を通して床半力を得ることで姿勢制御と行為を行うわけなので、土台となる足部が上手く働かないと足部から上行性の影響で代償が必ず働きます。
また足部機能について調べてみるも深く広く記載されているのは多くないように思えます。

中でも脳卒中患者様は特にこの足部からの影響が強く典型的なパターンを呈する事が多く感じます。
しかし、足部が原因でもなかなか治療できず、最終的には上肢支持優位での代償や補助具の選定に頼ってしまうことも少なくありません。

アーチと構成要素


足部には

内側縦アーチ
外側縦アーチ
横アーチ

の3つがあり、中でも内側縦アーチについて解説したいと思います。


内側縦アーチは
踵骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨で構成されており舟状骨が頂点となります。

アーチ構造として静的支持機構動的支持機構があり、静支持機構には

踵骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨、
足底腱膜、長足底靭帯、短足底靭帯、底側踵舟靭帯

によって支持されています。

また、底側踵舟靭帯はバネ靭帯とも呼ばれ

上内側繊維、内底側斜方繊維、下底側繊維


の3つで構成され、中でも上内側繊維が幅広くアーチ保持に重要とされています。


動的支持機構として足部内在筋や外在筋の支持となりますが、中でも後脛骨筋が重要でありこれは内側縦アーチ低下予防の機能があります。

後脛骨筋は内果後方を通過し、ほぼ直角に舟状骨へと走行することから乏血状態となりやすく正常に働きにくくなり、後脛骨筋腱不全症としてアーチ低下を及ぼします。

また、扁平足の原因として後脛骨筋腱不全症が80%とも言われています。


そのため、アーチ形成のために後脛骨筋の強化を行うのは大切ですが、コンディションとして足根管周囲の柔軟性を向上させる事も重要かと思います。

歩行の足部運動

まずは各足部における歩行中の運動を簡単に説明します。


後足部

荷重応答期から立脚中期にかけて外返し、
立脚終期から前遊脚期において内返し

中足部

荷重応答期から立脚終期において外返し、
前遊脚期において内返し

前足部

荷重応答期において内返し、立脚中期において
外返し、立脚終期において内返し

に働きます。

足部におけるアーチの上昇と下降は内返しと外返しにより変化しますが、関節変化としては距骨下関節のよりも遥かに距舟関節が大きく働きます。


アーチの剛性と柔軟性

アーチは歩行中の立脚中期にかけて低下しながら柔軟性を高めます。
そして、立脚終期〜前遊脚期で再び足部剛性を高めながら下腿三頭筋の牽引力を前足部まで伝達する事で蹴り出しが可能となります。

この時、後脛骨筋と長・短腓骨筋が協調的に働くことで、横アーチと内側縦アーチを支持しながら機能的な爪先立ちが可能となり前足部まで効率的な牽引力を伝達します。

とくに長腓骨筋は、前足部の外側から内側への体重移動を補助するため、対側下肢への立脚初期に役立ちます。

もし、距骨下関節が過度に回内している場合は、下腿三頭筋の牽引力は前足部まで伝達できず、後足部のみとなり扁平足を助長します。


評価

足部アーチの評価として

・FPI-6
・母趾伸展テスト
・arch height index
・heel raise test

などがありますが、
FPI-6の評価から行うことで、後足部アライメントからの影響を考えることができるかと思います。

本来、内側縦アーチは距舟関節の可動に大きく左右されますが、後足部である距骨下関節によって連動するため、足部の土台は後足部であると考えています。


まとめ

足部アーチの問題を呈する患者様は多く、立位や歩行中の土台である足部からの治療は重要です。

足部から影響しているのか、結果として足部が代償的に働いているのかを見極めながら、下行性の影響も考慮しながら足部機能について考えることが大切だと思います。

今回の内容が皆さんの治療の一助となれば幸いです

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