待ちに待った「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」
月ごとのエンタメ月報的な記事に書こうと思ったらめちゃくちゃ長くなってしまったのでこの作品だけ独立した感想文を書きます。
JKローリングの魔法ワールド大ファンの私、本当に待ちに待った新作です…!!!初日のレイトショーを予約し、午前中からドキドキしまくって、隣の席の先輩に「楽しみすぎて仕事が手につきません…」「エディレッドメインが好きすぎて2時間スクリーンのデカさに耐えられる自信がなくなってきた…」と様子がおかしいオタクの姿を披露する始末。こんな小言こぼせるなんていい職場だね…。
※ネタバレあるので観てない方は引き返してください!
全体の印象
正直にいうと、これは魔法ワールドファンの中でも賛否が分かれるのでは?というのが第一印象。私は賛です。
ストーリーの進みは緩やかだし、「最大の謎、解禁」と煽っていた割にはダンブルドアの秘密ってあれ…?という程度だし、このシリーズには珍しくツッコミどころも目につくしで前2作に比べたら物足りなさは否めないですが、シリーズ全5作の中の3作目としては良いバランスで安心して観れる作品だったと思います!(2作目はクリーデンスの出生の秘密とか、まあまあ暗かったので…。)
観終わったあと、「あと2時間観れるな」と思いました。今までの魔法ワールドシリーズはこんな軽やかに観終わったことがなかったので、そういう意味でも私は好きでした。緩急で言うと今作は「緩」の方かなと。
マッツ・ミケルセン演じるグリンデルバルド
最大の見どころとしてはやっぱりここでしょうか。
いやもうキャスティングした人誰?天才すぎませんか?最初のシーンからもうウワッッッッ…!と息を呑むほど良いグリンデルバルドだった…。
ジョニーデップ版はルックスから覇気が凄くて、明らかな狂気を感じる悪人という感じだったけど、マッツ版は静かな狂気を秘めた政治的カリスマって感じ。その静かなカリスマ感がこの魔法ワールドにおけるグリンデルバルドのイメージに(私は)とても合致した感じがして、今作の主題は「マッツ版グリンデルバルドのお披露目」と言っても過言ではないと思いました。
ファンタビシリーズの縦軸
ハリーポッターシリーズではずっと一貫して「セブルスからのリリーへの愛」が描かれていたように、ファンタビシリーズの縦軸は「アルバス・ダンブルドアとグリンデルバルドの愛の話」なんだなあ、というのもかなり色濃く出ていましたね。ラストでアルバスが「この運命とどう向き合っていくか」と言っていたのが印象的。この人が何年も先に「愛じゃよ、ハリー」と言うのか…なんて思うともうさ…。。。切ねえな……。。。。
ちなみに私は今まであまりドキュンバキュン!みたいなバトルシーンにはあまり惹かれないタイプだったんですが、ファンタビは初めて「バトルシーンってかっこいいんだな!」と思えた作品です。アルバスとグリンデルバルドの一騎打ちのシーンは本当にかっこよかった!この2人があと2作で真正面から戦って、最後アルバスはグリンデルバルドを破るのか…と思うともう今からめちゃくちゃ興奮しますね(早口)。
あと最後に、アバーフォースがクリーデンスに「ずっと気にかけていたよ」と言うような言葉をかける(めちゃくちゃニュアンス)のですが、そのセリフ(英語)が「Always」だったんですよね。私はそこでどうしてもセブルスが放った「Always」を思い出さずにはいられなかったんですが、これは気にしすぎですか?多分気にしすぎですね。
"世界を救った奴が"
ラストシーンでニュートの兄・テセウスがニュートにかけた「世界を救った奴が」と言う言葉が堪らなく刺さりました。
「世界を救った奴が」、現実世界では友達の結婚式のスピーチに緊張する。これが、私がこの魔法ワールドが好きな所以なんです。
ハリーポッターシリーズでも、ホグワーツ入学前のハリーは家に居場所がなかった。魔法界という違う居場所を見つけたと思ったら、今度は「生き残った男の子」として英雄扱いされ、持て囃され、いびられる。自分の知らないところで、なぜか自分が史上最悪の魔法使いと戦う運命になっている。でもこのシリーズは、ずっと作品を通してハリーがそういう出来事に戸惑い、葛藤する姿が描かれているんですよね。だから見ている方はハリーが身近に感じるし、応援したくなるし、感情移入だってできる。現実には絶対起こり得ないファンタジーの世界なのに。
ファンタビシリーズはそこまでの重さはないものの、このセリフを聞いた時に「あ〜、だから私はJKローリングの魔法ワールドが好きなんだよなあ〜」と改めてグッときました。
とはいえ
ここまで結構ファン贔屓目で書いてきたのですが、とはいえ今作については結構いろんな描写を端折りすぎでは?という気もしなくないです。きっと結構な数の人がそう思ってる感じする。
この辺の話はもっと綿密に描こうとしたら明らかに尺が足りないからこうなったんだろうけどな〜。JKローリングの頭の中ではきっと全部綿密に描かれていて繋がっているんだろうけど、映画1本の尺に収めるためにこうしたって感じの消化不良は否めませんでした。あとニュートと魔法動物たちの活躍シーンが明らかに減っていたのもちょっと残念かな〜。
まあ、前2作を見返してもう1回観に行く予定なので、その辺りはその時にもう少し自分の中に噛み砕いていけたらいいかなと。でも結論としては最初に書いた通り「賛」です!そこは変わらず。
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JKローリングの世界に触れてから約20年、小学生だった私が大人になって、それでもまだこんなに楽しみに待っていたり、20年の間ずーーーっと家族で話題にできていたり。それって本当に本当にすごいことだし、感謝しかありません…。あと2作も楽しみに待ちたいと思います!