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授業準備のこと

もうすぐ日本語学校での生活が終わる。
非常勤からはじめて、常勤に変わって
2年半。長かったような、短かったような。



初めての日本語教育の現場は、楽しかった。
でも、想像以上に大変な日々だった。



非常勤での半年は、大学主専攻だということで
週に5コマ(90分×2を1コマとして)フルで
入っていたことを思い出す。
それに、書店のアルバイトをするという
鬼のようなスケジュールだった。



授業の準備は言うまでもなく大変で、
しっかり寝られず、準備もままならずだった。
この頃の授業準備は一回の授業につき
大体最低1日かかっていた。




【1年目の頃】

この頃の私の授業準備は、


①エクセルひな型で教案を記入する。
②文字カードを作る。
③語彙カードを作る。
④絵カードを作ったり、写真を印刷したりする。
⑤補助プリントを作る



これが主な流れだった。特に①の教案は
なかなか終わらなかった。
使用していたのは、大学時代にずっと
使っていたエクセルのひな型。
横書きで、左から時間軸→教師の発話→
学習者の発話→板書→注意事項
という感じ。



細かく書かないと、なんか気持ち悪いし
何より全体をスクロールしないと見にくい。
しっかり教案を書かなきゃという焦りが
余計に書けなくさせて、膨大な時間を
費やしてしまった気がする。



そして、なんとか終わると教材作り。
絵を書くのは好きなので、ずっと書いて
いられたが、途中で振り返るとこれもまた
時間がかかっていると気づく。



今思うのは、言うまでもなく

「準備に時間をかけすぎだ」

ということ。



【1年半〜2年目の頃】

常勤になって2年。
こんなやり方だと到底時間内に終われない、
帰れないことを知る。



しかも、常勤になってから授業だけではなく
クラス運営・進路指導・生活指導…
あらゆる業務が行く手を阻むのだ。



その頃、連日20時に終わり、21時半に帰宅。
そんな日々が続いた。



どうしたらいいんだろう。
そう思って、考えたのはやはり
もったいない時間をいかになくすのかということ。



先程の授業準備の流れの改善に取り組んだ。

①エクセルひな型で教案を記入する。
→ワードで簡単に作成。案が出てこないときは
インターネットで調べて、そのまま拝借する。
30分を目安に、長くても1時間。


②文字カードを作る。
→パワーポイントで作成。アニメーションあり。
特に「みんなの日本語」の練習Bの部分は
よく作っている。


③語彙カードを作る。
→パワーポイントで作成。漢字や語彙など。


④絵カードを作ったり、写真を印刷したりする。
→印刷はせずにパワーポイントで
見せられるようにする。


⑤補助プリントを作る
→特に変わらず。
ワードで会話、練習プリントを作る。


大きく変わったところは、教案の意識と
デジタル化だと思う。



教案に関しては、完璧に書かなければ
ならないという考えをまず捨てた。



絶対意識しなければならないのは、

✦授業の大きな時間の流れ
✦印象に残る導入
✦その授業の到達目標


この3つだと考えた。
一言一句言うセリフを考えるのではなく
大まかな流れを作り、教案を見ないで
授業ができるように意識した。



そして、印象に残る導入を考える。
一言一句書かないので、よりよい導入は
何なのか考える時間が増えた。



最後に到達目標。
なぜその授業をするのか、この授業が
終わったら、学生は何をできるように
なるのか‥とても大切なこと。
以前は、何となくの流れで教案を作っていて
恥ずかしながら、目標をきちんと設定して
いなかったのだ。
何をするべきかわかれば、何を練習したいか
見えてくる。そして、授業の案が出てくる。



この3つを意識して、なるべく
授業の準備を短く、効率よくできるように
心がけた。



そして、だんだんと余裕が出てきた。
「お先に失礼します」が増えてきたのだった。




【さいごに】

特に日本語学校の常勤であれば授業や進路、
生活指導…といった様々な業務で
残業をせざるを得ない人も多いだろう。



だけど、それで心も体も疲れてしまったら
意味がない。残業代も残念ながら出ない。



実際、非常勤の終わり頃
私は子宮内膜症とストレスで倒れ、入院
しなければならなくなったから。



少しでも、負担を減らすためには
自分の授業準備はどうかなと立ち止まろう。



①時間を決めて取り掛かる
②「教案を完璧に」と思わなくてもいい
③インターネットのいい教案を拝借
④パワーポイントを作ってみる



準備のスピードが上がれば、授業の質を
見直す時間が増える。
明日もがんばろうってきっと思えてくるはず!

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