【お金と健康の話③】 5分で出来る!? 圧倒的に差を開く儲け方を解説!
第3回は「企業価値の算定」について詳しく説明していきます!
株式投資において、利益を上げるためには、企業価値と株価を比較して、割安なものを見つける必要があります。
この記事を最後まで見れば、他の人に圧倒的な差をつけられると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1、企業価値算定のポイント
⑴ 企業は丸ごと評価すること
⑵ 企業の価値は、その「企業の事業の価値」と「持っている財産」を足したもの
・⑴について
目の前のたった一株だけを見て、株の売買をしてはいけません。株を購入する際は、買収を行う企業のトップと同じ視点に立つ必要があります。
まずは企業を丸ごと評価し、それから発行されている株式数で割って、一株あたりの価値を出すようにしましょう。
・⑵について
年間利益を期待利回りで割ったものが、企業の妥当な事業価値になります。
企業丸ごとの価値を評価するには、事業価値に加えて企業が内部に貯めている財産(財産価値)とを足す必要があります。
世の中には、事業価値の大きい会社(ソフトバンクなど)と財産を多く保有する会社(オリエンタルランドなど)とがあります。
2、企業価値算定の4ステップ
①事業価値(企業が行う事業活動からもたらされる価値)を見積もる
②財産価値(企業が持つ現金や土地などの資産)を見積もる
③負債(借金)を引く
④発行済株式数で割って一株あたりの価値を出す
企業丸ごとの価値(事業価値+財産価値−負債)÷発行済株式数=一株あたりの価値
ここからは、実際の上場企業の例を使いながら、5分でできる企業価値算定方法を実践していきましょう。
使用するのは、「有価証券報告書(有報)」と「Yahoo!ファイナンス」です。
3、必要な情報は無料で手に入る
⑴有価証券報告書を手に入れるには
多くの企業がHPで公開している財務情報から参考にするか、簡単な財務情報しか公開されていない場合は、金融庁が提供しているEDINET(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp)を参考にしましょう。
⑵株価や発行済株式数を知るためには
Yahoo!ファイナンス(http://finance.yahoo.co.jp/)を活用しましょう。社名を打ち込めば、株価チャートや主な業績の推移や業績予測などを確認できます。
業績を確認するときは、「通期財務状況」で、その会社が連結グループなのか、単体企業なのかを確認しましょう。連結企業にもかかわらず、単体の業績を見てしまったら、大きな勘違いの元になります。
4、実際の企業例を用いて解説
これからキリン一番搾りなどのビールでお馴染みの、東証1部上場企業である「キリンホールディングス株式会社」の価値を計算していきましょう。
【ステップ1】事業価値を見積もる
事業価値を出すには、事業がもたらす利益である「営業利益」をベースにします。
※営業利益:売上総利益(売上高−売上原価)から販売費及び一般管理費を差し引いた利益
Yahoo!ファイナンスから参照した営業利益を見てください。「前期」「2期前」「3期前」の値を平均し、将来の予想営業利益を約1600億円としましょう。ここでは、過去の営業利益が将来も続くと仮定します。
つぎに事業利益は営業利益の10倍とおきます。
【事業価値を弾き出すための公式】
営業利益(事業から得られる利益)が10億円の会社があったとする。日本の税率は約40%のため、10億円の利益から4億円が引かれる。残った6億円が、実際に事業から得られる利益となる。
残った利益を期待利回り6%で割ると…
6億円÷0.06=100億円
(営業利益×0.6÷0.06=営業利益×10倍)
【期待利回りが6%になる理由】
株式の期待利回りは大体5%〜9%。通常、銀行も事業からの収益に期待して会社に貸し付けをする。その金利が3%程だとすると、株主の期待利回りと、銀行からの借金の利子の、ざっくり中間の約6%が投資家と銀行の双方が企業に期待する利回りと考える。
自己資本比率が高ければ(銀行よりも株主のほうが出資割合が高ければ)期待利回りを9%、低ければ5%と変える。
キリンホールディングス(株)の事業価値
=営業利益約1600億円×10=1.6兆円
【ステップ2】財産価値(事業に必要のない財産)を見積もる
財産価値(企業が持つ現金や土地などの資産)を弾き出すには、①流動資産(1年以内にお金に換える資産:預金など)の中の財産部分、②固定資産(1年以内にお金に換わらないもの:持ち家など)の中の財産部分を足す必要があります。
①流動資産の中の財産部分について
流動資産の中の財産部分は、流動負債を1.2倍したものを流動資産から引いたものです。
【流動負債の1.2倍を流動資産から引く理由】
流動資産のうち、1年以内に出ていく流動負債の1.2倍以上の流動資産は、基本的に事業に必要のない財産と考える。
1.2倍の理由は、流動負債に対する流動資産の倍率は、平均1.2倍になるため。(卸売業などは、比較的多くの流動資産を持つ必要があるため1.5倍にする。)
家計を例にとると、、、
「毎月のカード引落が20万円あるから、銀行残高と毎月の給料を合わせて少なくともその1.2倍の24万円は必要。でもそれ以上のお金は、うちの財産と言っていいよね。」
②固定資産の中の財産部分について
固定資産の中の財産部分とは、固定資産のうちの「投資その他の財産」が財産と言えます。
【財産価値を見積もる公式】
財産価値=流動資産−(流動負債×1.2)+投資その他の資産
キリンの財産価値=2,200億円−(5,800億円×1.2)+1.6兆円=1.1兆円
【ステップ3】負債(借金)を引く
企業価値=事業価値(1.6兆円)+財産価値(1.1兆円)=2.7兆円
株主価値の概算値=企業価値(2.7兆円)−固定負債(3100億円)=2.39兆円
【ステップ4】発行済株式数で割って一株あたりの価値を出す
一株あたりの価値=株主価値の概算値(2.39兆円)÷発行済株式数(9.14億株)=2614円
一株あたりの価値算定結果である2614円と比較して、2020年現在11月現在の株価1985円は、割安な水準にあることが分かります。
あとはなぜ割安なのか。株価上昇の材料が分かれば、「買い」と判断できる訳です。
5、割安株をどのように探すか
株のしくみが分かると、今度はどのようにして割安な株を探すのか、ということが焦点になります。
これからは有望な企業をある程度絞り込んで、割安な銘柄をピックアップするスクリーニング•ツールを共有します。
①トレーダーズ•ウェブ(www.traders.co.jp/domestic_stocks/invest_tool/screening/screening_top.asp)
②楽天証券(https://www.rakuten-sec.co.jp/smartphone/market/info/pagecontent?pid=200&xid=0)
③バリュエーションマトリクス(https://valuationmatrix.com)
6、まとめ
・企業はまとめて評価する。
・企業価値の算定は、「事業価値」+「財産価値」
・事業価値は、営業利益の10倍
・財産価値は、流動資産−(流動負債×1.2)+投資その他の資産
・スクリーニングツールを用いて、割安株を絞り込む
なぜ営業利益の10倍すると、事業価値を算出できるのでしょうか。なぜ流動負債の平均1.2倍する考え方なのでしょうか。
再度振り返ってみてください。利益を上げるために、他の人とは圧倒的な差をつけることができるようになると思います!
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
次回は第4回にいく前に、皆さんも一度は聞いたことがある「PER、PBR、ROEの愉快な関係」について捕捉記事を書きたいと思います。
ぜひ次回も最後まで見ていただくと嬉しいです!
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