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【旅日記】徳島旅のススメ③徳島県立阿波十郎兵衛屋敷

徳島に行く人に特におすすめしたいスポットが
「徳島県立阿波十郎兵衛屋敷」です。

阿波の伝統芸能である人形浄瑠璃について、
ざっくり知ることができる施設で、
徳島駅からやや離れているのが難点なのですが…。
入館料は410円。県立の施設にしても安すぎるでしょ!という感じ。

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷の入り口

施設に着くと、まずスタッフさんが展示について
ていねいに説明してくれます。

徳島では浄瑠璃を農村で見せるのがメインなので、
一般的な浄瑠璃よりも人形のサイズがひと回り大きいそう。

今も徳島では各地に人形浄瑠璃を上演する団体・サークルが
たくさんあるというからすごい。

展示館

実際に人形に触らせてもらったり、写真を撮ったりして、
とても楽しかった。平日だったので、韓国からの観光客の
方と一緒にお話を聞きました。

面白かったのは3Dプリンターで作った人形の頭(かしら)です。
こちらは勝手に触り放題。

3Dプリンターでつくった頭

ここが素晴らしいのは常設の劇場があることで、
入館者は一日1~2回上演される人形浄瑠璃の実演を見ることができます。
浄瑠璃は生演奏ではないけど、操演は見られる。
(だから入館料800円はとっていいと思うんだけどな~)

演目は「傾城阿波鳴門(けいせいあわのなると)」という徳島ゆかりの話。
舞台の上部に日本語と英語の字幕が出ています。
上演の前に話の筋も解説してくれるので、内容もよくわかります。
この日は社会科見学で来た地元小学校の子どもたちもワラワラ。
みんな静かに見ていて偉いなと思いました。

人形浄瑠璃の実演

施設があるのは、「傾城阿波鳴門」の登場人物のモデルで、
実在した徳島藩士・坂東十郎兵衛の屋敷跡だそう。
だからわざわざ辺鄙な場所だけど施設をつくったんだなあ。

脱線しますが、東洲斎写楽の正体は
徳島藩の能役者・斎藤十郎兵衛だという説があります。

斎藤月岑『増補浮世絵類考』天保15年(1844年)より
「俗称斎藤十郎兵衛、八丁堀に住す。阿州侯の能役者也」

篠田正弘監督『写楽』(1995)を見てからハマって
何冊か写楽本を読んだのですが、
「阿波といえば十郎兵衛。適当なことを書いたんじゃないの?」と
写楽=斎藤十郎兵衛説に疑念を投げかける著者もいました。
確かに「傾城阿波鳴門」の初演は大阪竹本座、1768年(明和5年)。
1844年には「阿波といえば十郎兵衛」という認識が世の中に広まっていたかも。

阿波十郎兵衛屋敷は辺鄙な場所だと言いましたが、
だからこそ面白かったことがあります。
徳島駅から20分ほど、コミュニティバスで行ったのですが、
途中で吉野川の橋を渡ります。
これが長い長い長い。海なのか?と驚くほどの長さ。
吉野川の河口部に近いので川幅は1.5キロほど。
四国三郎の雄大さを実感できます。

潮位と時間帯の都合でこの日は乗れませんでしたが、
「ひょうたん島水上タクシー」(https://hyoutanjima.tokushima.jp/)
というのもあって、徳島駅周辺から阿波十郎兵衛屋敷まで
アクセスできるそうです。次の機会は乗りたいな~

からくり人形工作キット

売店のお土産も面白くて、
3Dプリンター製の頭ストラップもかなり心惹かれたのですが、
『日高川』の清姫ガブ(仕掛けで一瞬で鬼になる)のペーパークラフトにしました。

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