送別会がぶっちゃけ苦手な方に伝えたい「送別会の本質的価値」について
「すべての人の節目に、一生の思い出を残せ。全力を尽くして」
送別会の、幹事。ついに任されてしまった。
嫌だ。面倒くさい。できることなら別の人に代わってもらいたい。
送別会で見送られる人とは今後仕事で関わりがなくなるんだから。今更関係構築を頑張ってもなぁ。
そう考えていたのは、社会人1年目の私、yuuuである。
今まさに送別会の準備に追われており、同じようなことを考えている人もいるのではなかろうか。
会食、送別会、忘年会、その他全ての食事会の幹事。これらは、できる限り避けたい「雑務」である。中には、「貧乏くじを引いてしまった」と思う人もいるだろう。
しかし、そんな雑務の中にこそ、「千載一遇のチャンス」があるのだ。これは、私の経験から確信している。
かつてあまりの仕事のできなさに全ての上司を絶望の淵に追いやった筆者が、会食や送別会に全力を尽くすようになって、ビジネスが好転したからだ。
ビジネスだけでない、人生も好転した。
ここで、送別会への向き合いを変えるきっかけとなった、電通の元上司の言葉を紹介したい。
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「広告代理店の人間は礼節を重んじなくてはならない」
「礼節とは、すべての方の『節目』に全力を尽くすことだ」
「たとえ関わることがない部署に行く人でも、必ず送別会を開け。そして、この部署でお前と仕事をして最高だったと思ってもらえるように工夫をしろ。考え抜け」
「何かが返ってこなくてもいい。その人の一生の思い出に残る仕事をするのが広告人の使命だ。」
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今まで送別会は雑務だと考えていた私は、この言葉を聞いて考えが変わった。
今まで個人の損得勘定で物事を考えていた自分を恥じた。もう一度、本気で送別会と向き合おうと思った。
自分と、お世話になった方の人生に最高の思い出を作るために。
不器用ながら多くの方の送別会に全力を尽くしてきた。
もちろん全てがすべてうまくいったとは思っていない。
ただ、その人の人生に思い出に残る日にしたいという気持ちを込めて。来る日も来る日も幹事に手を挙げた。
結果、人生が変わった。
仕事で困ったときに手を差し伸べてもらうだけではない。退職後であっても、お世話になった方に助けていただける機会に恵まれるようになった。
「一見古臭く思われる価値観こそ、本当は見失ってはならない」。
そう考えるのは私だけだろうか。
コスパやタイパが重視される令和の時代において、「昭和的な価値観」は逆説的に差別化要因になったと考えている。
働き方改革が推進される昨今、コンサルティングファームや広告代理店をはじめとしたハードワークを厭いとわない会社でさえも労働時間が厳格に制約され、その結果、若手ビジネスパーソンはビジネススキルを実践で磨く機会を得がたくなった。
つまり、成長できると謳われる有名企業に勤めたとしても、成長機会を得られるとは限らない時代となったのだ。
では、成長機会を与えられる存在になるためにはどうすればいいか。
結論から言うと、上司とクライアントから「高く」評価されることが不可欠である。
そして、労働時間削減によってビジネススキルだけでの差別化が難しくなる中、最たる差別化要因になるのは、結局上司・クライアントとの人間的・精神的なつながりだ。
ここで、「昭和的」ともいわれる会食・飲み会スキルが極めて効果的に働く。もちろん、送別会での頑張りもだ。
コロナ禍を経ても、会食・飲み会の場は消えなかった。周囲が真似できないほどの「堅牢な人間関係」を構築するために、すべての食事会は、人間にとって不可欠なものなのだ。
会食・飲み会こそ、自分の素を理解してもらい、ギャップを埋めるうってつけの機会だ。
昭和的価値観を戦略的に取り入れるメリットは、この点にある。
だからこそ、あえて会食をはじめとした昭和的コミュニケーションを取ることを強く推奨したい。
昭和的コミュニケーションは、成長機会の獲得はもちろんのこと、自分が社会で本当にやりたい仕事にたどり着くための『進行手形』となり得るからだ。
一見古くさく、雑務のように思える会食やその他食事会・忘年会や送別会でも、あなたの工夫次第で「参加者全員が一生忘れない最高の思い出」に変わる。
私はそう確信している。
以上の内容は、2/28に私が出版したした「ビジネス会食 完全攻略マニュアル(ダイヤモンド社)」からの抜粋・加筆である。
当初は「送別会完全攻略マニュアル」として送別会設定のナレッジを当noteに余すことなく書こうと思ったのだが、前提となる「会食メソッド」の内容について言及しないと本質的なポイントが伝わらないため断念した(記載すると10万字を超えてしまう)
一部だけ送別会攻略の内容をお伝えしよう。
送別会における私のお勧めは、プレゼントと合わせてメッセージを送ることである。ビデオでも、手紙でもいい。
このメッセージを送る際に、私が心がけているのは、「逆算」だ。
メッセージは人間関係の文脈にしか存在しない。どれだけ美しい言葉を紡いだメッセージだったとしても、懇意にしていない方からもらってもさして嬉しくないはずだ。
誰から、どんなメッセージをもらうと送別される方は喜ぶだろうか。その視点で逆算をしてメッセージを考えることを勧めたい。例えばこんな方からメッセージを貰うと嬉しいのではないか。
①送別される方が「苦手だったが仲良くなりたかった」相手
②送別される方が「認められたかった」相手
心残りなく次のステージで活躍してもらうために、自分は何ができるのか。その視点でメッセージを送る人と内容を考えてみてはいかがだろうか。
上記はほんの一部中の一部であるため、「送別会設定に向けた実務的なメソッド」について体得した方はぜひ書籍を読んでいただきたい。
本書は送別会に限らず、会食をはじめとしてすべての食事会を制するためのノウハウを詰め込んだ。私が電通1年目の時に最も読みたかった、知っておくべきだった内容を記載した。
ぜひ当noteを読んで興味を持った方に手に取っていただきたい。
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