私が本田圭佑氏の新設立クラブOne Tokyoをオススメできない理由
1ヶ月前になりますが、本田圭佑氏によって発表があった東京に新クラブ「One Tokyo」設立というニュース。
自分は当初このニュースそこまで深く調べたりとかはしていないのですが、少しは時間が経ったのでこの話を少し掘り下げながらも、「何故オススメできないのか」という点について要点をまとめつつ、色々話していこうと思います。
①サッカークラブ自体が現状飽和状態であるし、特段真新しさも感じない
Jリーグが新規参入クラブを非常に多く増やし全国に様々なクラブが点在している、という点はサッカーファンならよくご存知だと思います。
現状そういった流れがもう定着し、サッカークラブの数自体が完全な飽和状態となりつつある現状、「サッカークラブを作ります!」といった話は特段真新しさを感じないな、というのが素直な印象です。
「東京にはJチームがもう3クラブあるのにこれ以上必要あるの?」「首都圏に数多くのクラブが点在しているのにこれ以上必要なのか?」そういった声も挙がって当然だと思います。
また東京都4部という最底辺からのスタートとなりますが、そこからJリーグへたどり着くまで最低でも10年はかかる計算が見込まれています(確かどこかのスポーツ新聞が報じていたような)。
クラブ設立という一番最初の勢いであったり、真新しさからくるマンパワーをその後10年(最低でも)も持続できるとはとても思えないですし、ホルンでも数年程度で早くも行き詰まりを迎えていたという現実もありました。
(全国的にJリーグのクラブが飽和状態の中でサッカークラブが世間からどれだけ需要が求められているか大いに疑問が残る。)
②失敗から全く学んでいない、学ぼうとする姿勢・努力が足りていない
これも大きな要因の一つだと思います。
ホルンでは様々な問題が噴出した結果、彼のクラブ経営は失敗した結果に終わっていますが、そういった失敗を受けて様々な識者からの意見であったり反省点を踏まえながら行動しているとはとても思えません。
ホルンでは、2年程度で投資額自体を減らしたり、ライセンス提出にあたっての資金面の見通しの甘さであったり書類の不備を再三指摘されましたが、結局そういった問題は根本的に改善されないまま手を引く形となっています。
Twitter上では「アンチも含めても僕を応援してくれている」といった趣旨の発言をすることも多いですが、一方ではそういった人間をいわばダシに使いながら自分の正当性をアピールしているだけのように思えますし、過去の失敗から何を学んだのか?という疑問点もOne Tokyoでのクラブビジョン発表文から感じました。
また彼は現在もプロサッカー選手であります。今はオンラインを通じて世界中の人間と簡単に連絡も取れるような時代ですが、地球の裏側からOne Tokyoの経営やガバナンスを執るのは様々な面で困難が生じることが予測されます。
また彼は選手と並行しながらカンボジア代表の監督を勤めていますが、アジア予選ではイラン相手に0-14という信じられないようなスコアで大敗を喫しています。アジア予選を通しても1分4敗、1得点22失点という壊滅的な成績を残していますし、サッカーを指導する立場からの力量にも疑問点が大いに残ります。
(本田圭佑が実質監督を務めるカンボジアは昨年イラン相手に0-14の完敗を喫した)
③給料の未払いなどが起きる可能性が十分に考えられる、情報弱者が搾取される可能性もある
これも大きな懸念点の一つだと思います。
ホルンでは2年程度で予算の減額であったり資金面の問題が起きていますが、果たしてサッカークラブ一つ運営するだけの人件費を確保し、会社として回していけるのかという点も疑問符がつきます。
ここ数年でサッカークラブを運営する上での資金面の負担度が大いに増しました。かつてはJ2は3億円程度の資金があれば参入可能とも言われましたが、今では10億円程度は必要となるレベルまで財政的ハードルも上がってきています。
ましてや最低で10年もかかるJ参入の道のりまで資金面をショートせず確保できるのか?そのような見通しであったり計画性もOne Tokyoの発表からも特段感じませんでした。
J2の水戸ですらクラブ職員の残業代の長年未払いが起きているというのに、ましてや後発クラブでクラブ職員や選手を養うだけの財政的なバックアップも本田一人程度の資金では見込めないということも考えられます。
今後このクラブでも様々な求人が出てくると思いますが、給与面の不安が大きすぎるので私はこのクラブの参画するのは絶対にオススメしません。
SF商法とも似ていますが、こういった大言壮語に釣られた結果お金のトラブルが起きた…という案件はスポーツ業界におけるクラブ職員では非常に頻発して起きる問題であり、One Tokyoでも起きる可能性は十分に考えられます。
(水戸で起きた残業代未払いのトラブルに代表されるようにスポーツチーム運営の現場において職員の置かれる環境は劣悪であることは珍しくない)
④成功例がないのでクラブ運営するノウハウを持っていない、一貫性に欠けている
人間は失敗から学ぶことも多いですが、成功経験から得られるものもすごく多いと思うんですよね。
彼の場合ホルンなども含めて基本的に失敗した経験しか持ち合わせていないので、クラブ一つ回すだけのノウハウなどは持っていません。
いわば失敗した経験しかないような人間が主導となってやるプロジェクトに果たしてどれだけ信用性を持てるのか?という問題提起です。
下積みから独立し、得たノウハウを活かし起業する。いわばそういった経験も持たずに、無謀で勉強不足な状態でチャレンジしている…そういった印象は拭えません。
まとめ&余談
とまぁ色々と話しましたが、僕が最も懸念しているのは「このクラブに選手や職員として参加したが、給料の未払いなどのトラブルに巻き込まれないか」これを凄く気にしています。
皆さんラバー・ボールという人物を知っていますか?
(本田圭佑はサッカー界のラバー・ボール?)
この記事を読むのはサッカー界隈の人が多いのではと予測するので、少し細かく説明しますが、彼はNBA選手であるロンゾ・ボールの父親で、様々なエンターテイメント事業を展開している人物です。
ここまで読んだら本田と何が関係あるのか?と思いますが、彼は様々な事業を展開した中でJBAというバスケットボールのリーグを立ち上げました。
このリーグは主にアメリカのカレッジバスケへ進学しない選手を対象としたリーグとして始まりましたが、実際は招待しようとした選手からは全て断られるなど様々な問題が噴出し、このリーグでプレーした選手が後にインタビューで語った内容によると、次第に旅費の支払いがなくなり、本来支払われる給料のうち3分の1しか貰えなかったとコメントしました。
要するに私はこのラバー・ボールと本田圭佑が重なって見えてしょうがないのです。情報弱者であったり、立場の弱い人間に夢を売った上でやりが搾取のような実態に陥るのではないのかと…