「自分より重度の人と一緒に働くのがしんどい」
こんにちはこんばんわ、OKUです。
今回は、就労Bで働く方(軽度の知的障害者ご本人)から以前いただいた悩み相談についてお話します。似たような相談が何度かあったし、就労に通っている方で同じような悩みを抱えている方が多いと思います。よかったら読んでください。
★相談内容
「自分は軽度知的障害で、中~重度の知的障害者や自閉症者と何人かでグループになって一緒に働いている。自分が一番障害は軽くて、もっとできるのに…と思うけど、重度の人に合わせて仕事するように支援員に言われる。注意するときも、他のメンバーには、理解できないからって優しく話しかけるのに、私には、一番理解できるからといって強い口調で注意する。私が他のメンバーに説明しても伝わらなくてイライラする。正直、合わせるのがしんどい。でも、他に行く場所がない。」
★弱者が弱者にならないため
こうした相談に対しては、僕はだいたい同じような答え方をしています。確かに自分だけ厳しく注意されるというのは辛いことだし、納得いかないと思います。一生懸命がんばってるのがすごい熱量で伝わってきます。
でも、その上で、理解しておいてほしいことがあります。
今、あなたは、自分より障害が重い人と比較して厳しくされています。もしも、一緒に働いてる人が、あなたよりも軽度だったり、知的障害じゃなかったら、きっと一緒に働いている人が厳しく注意されます。
僕とあなたが一緒に働いていたとしたら、厳しくされるのは僕になります。
同じように、あなたと他の一緒に働く利用者さんを比べると、やっぱり理解力ではあなたが強い立場になるんです。差がある人同士をみんな同じように接すると、弱い人がずっと弱者になってしまいます。
例えば、僕は大学を卒業していますが、もしも僕が知的障害者のあなたに対して仕事の指示をするときに、大学で習った難しい言葉を使って細かく説明しても、あなたには理解できません。
重度の方にとっては、あなたや他の会社の人の言葉は、僕が使う大学レベルの言葉と一緒です。イライラするのは仕方ないし、職員の方の言い方が悪いのかもしれないけれど、弱い立場の人には、やっぱり配慮が必要なんです。
弱い方が強い方に合わせるのは、能力的に無理だからです。
★がんばってることに誇りを持ってほしい
こういった悩みというのは、ある程度できるからこその悩みだと思うし、自分なりにがんばっているからこそ発生する悩みです。自分ばっかり…って思うと、どんどんしんどくなります。
どういう風に振る舞えば他の人が動きやすいかを考えることが大事です。障害の重い人が働きやすくなれば、あなたも働きやすくなるはず。そして、みんなが働きやすい職場は、良い職場です。
とりあえず、あなたは何も変えなくていいから、そのまんまのあなたのまま、少しだけ自分より弱い人を受け入れてあげられたらいいな、って思います。