愛する腕に……注射3本…
ついにこの日が来てしまったか………。
俺は窓から見える空を見上げた。
大切なことだし、必要なことだということは分かっている。
でも、俺が世界で1番大切にしている可愛い可愛いbabyを、
泣かせたくないし、
怖い思いをさせたくない。
ここは小児科の病院。
そう、babyのワクチン摂取の日なのだ。
俺はbabyの優しい温もりを胸にしっかりと感じながら、大切に抱っこをした。
俺「こんなに小さな腕に3本も注射を射つのか……」
嫁「仕方ないじゃない。ちゃんとあかちゃんのときに抗体作っとかないと、後々が大変なことになるんだから。」
俺「うむ……しかし…」
看護師「花子ちゃーん、花子ちゃんのママとパパ!!中へどうぞ!!!」
俺「くっ………この運命は避けられぬのか……」
嫁「何言ってんの?はやくいくよ。」
俺は花子を胸に抱き抱え、しぶしぶ診察室へと入った。
ハゲた医者がいた。
医者「こんにちわ。今日は2ヶ月だから、ワクチンの日だね!以前説明した通り、3つは注射で、1つは飲むワクチンだからね!」
俺「……もしかして、マスター・ハゲ氏ですか??」
医者「???んっ?えっ?いや、まあ、若い頃からハゲてて、もう完全にハゲたけど、別にマスターはしてないよ??」
俺「そうですか。(なんだ、マスターじゃないのか。)」
嫁「ばかっ!」
医者「よし、ワクチンの準備をしますね。」
俺「こんな小さな腕に注射を………すまない、花子、俺がもっとしっかりしていれば……」
嫁「いや、もう、いいから。タロの助がしっかりしている、していないは関係ないから。今しっかりしてよ。」
医者「よし、じゃあ射つよ。パパさん、しっかり抱えて腕を抑えててくださいね。」
俺「くっ………………」
チクッ
baby「ふぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
俺「花子!!花子!!!はなこぉぉぉぉ!!!!」
医者「いや、まあ、あの、赤ちゃん用の注射なので基本痛くはないから。びっくりして泣いてるだけですよ。」
嫁「タロの助!!うるさいって!!」
医者「よし、んならあと二本あるからね!がんばろう!!」
俺「くっ!くそおぉぉ!鬼の所業ですかっっ!?」
医者「いや、ワクチンです。」
嫁「タロの助!うるさいって!!」
医者「はい、じゃあいくよ~。パパさん、しっかり抑えててくださいねぇ~。」
俺「くっ……花子、すまない。」
チクッ!
baby「ふぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
俺「はなこぉぉぉぉ!!!!」
嫁「うるさいって!本当に!!」
俺「くっ、人の皮を被った悪魔め……」
嫁「ちょ!タロの助って!!」
俺「てめぇらの血は何色だぁぁぁ!!!」
医者「赤です。」
嫁「タロの助って!!いい加減にしなさいって!!」
医者「はい、じゃあ最後ですよ。パパさん、しっかり抑えててくださいね。」
俺「くそっ………」
チクッ!
baby「ぴぎゃああぁぁぁぁぁ!!」
俺「もうやめてくれぇ!!!!もう終わりにしてくれぇぇぇぇ!!!」
医者「もう終わりです。」
嫁「タロの助ってば!!!うるさいよ!!!」
こうして無事にワクチン摂取は終わった。
俺の可愛い姫はよく頑張ってくれた。
人が宇宙に行く時代、塗るだけで効くワクチンとかできないのだろうか。
~fin~
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