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言語学版 ガリレオ ch.6
第6章 言わない言葉
「現象には必ず理由がある」
その原因を求め仮説が立てられる。
そして、検証を重ねた仮説は法則になる。
そのような法則を集めたのが、この ↓ 本。
万有引力のような自然法則ではなく、経験に基づく法則を集めている。
その1つに「パレートの法則 (80対20の法則)」がある。
簡単にいうと「一部が全体に大きな影響を与えている」ということである。
これを英語のスピーキングにも応用したものに、『ずるいえいご』(青木ゆか 著)がある。
英語が出てこないというのは全部言おうとするからで、2割の言いたいことだけを言えばいい。
つまり、8割りは捨てても、言いたいことのコア(中心)だけ言えば伝わるということである。
実は、言葉は「言わない」もので成り立っている。
つぎの文に2つの意味がある理由が分かるだろうか?
この2つの意味にたどり着くには、言葉になってないものを理解する必要がある。
具体的にいうと、jail (牢屋に入れる)は次のように「分解」できる。
つまり、言葉になっていない CAUSE (引き起こす)とBE (いる)が2つの意味を可能にしている。
このような例は日常にあふれている。
青いやかんが沸いている。
一見、何の変哲もない文だが、この文の意味も言葉になってないものを理解する必要がある。(『数理言語学事典』畠山雄二 編著より)
つまり、上の文を正確に言うと「青いやかん[の中のお湯]が沸いている」となる。でも、普通は「やかんの中のお湯」は言葉にしないで「やかん」と言う。
たしかに、言葉は口出して言うものである。
でも、実際には言葉は言わないことの方が多い。
「実に興味深い」
To be continued.