言語探偵T 第1話
特定問題 (前編)
言語に関する謎は後を絶たない。
これは信大で起こった言語事件ファイルの記録である。
1.不定ではないa(n)の謎
英語の冠詞のtheとa(n)の違いは「特定できるかどうか」とされている。
まず、theが使われた場合は話し手も聞き手も特定できるものを表す。
一方、a(n)の場合は注意すべきことがある。
それは、「話し手」が特定できるパターンがあるからである。
そのため、次の文には2つの状況が考えられる。
よって、theとa(n)の使い分けは次のようにまとめられる。
このように,aとtheの使い分けにおいては,話し手と聞き手の両方の認識を考慮に入れる必要がある。
しかし、話はここで終わらない。
それが「タイタン問題」である。
このシーンの「巨人だ!」は、以下のような英訳になっている。
(『進撃の英語』 廣政愁一 著より)
なぜ a なのだろうか?
全員が同じ巨人を見ているため、話し手も聞き手も特定できているはずなのに、なぜtheではなくaなのだろうか?
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