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ブルーインパルスより撮りたかったもの

2024/06/29 曇り

 この日、川崎市政100周年を記念して「ブルーインパルス」が展示飛行をした。

 前日は雨降り。当日も直前まで飛行するかわからなかった。雲の隙間から青空がちらついていたので、飛ぶことを期待して三軒茶屋にあるキャロットタワーへ向かう。
 飛行予定の1時間前に展望ロビーに着くと、いいカメラを持った人たちがちらほらみえた。それでも最前列はまだ空いている状態であった。それから時間が経つにつれて、カップルや家族連れがたくさん集まってきた。キャロットタワーには何度か訪れているが、こんなにたくさんの人はいることを見るのは初めてだった。

 14時20分、展示飛行開始。しばらくすると「見えた!」という声を聞きカメラのファインダーを真剣に覗く。小さな点の集まりが見えた。まだ遠くよく写らない。やがて近づいてくると、ようやくどのような形態で飛行しているか見えてきた。

しかし、しばらくすると姿が見えなくなる。

そこで、最前列を退き、一歩下がる。

そして、「きたーっ!」という声をもとに観衆が一同に窓の外を見た。

初めは静寂だった展望フロアは一気に盛り上がる。

その後、ブルーインパルスは何度も旋回して姿を見せてくれた。

 1人で見ていた私は、客観的かつ冷静に撮影したいと思っていた。しかし、姿が見えると近くにいて話しかけてくださったマダム達と共に思わず「来ました!」などと声をあげてしまった。

たくさんの人たちが一同に上を向いている光景は、ブルーインパルスそのものより撮りたかった光景であった。

たくさんの人たちに上を向かせ、喜ばせてくれたブルーインパルス。ありがとう。

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