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【童話】トキツとはぐれ子狐 3
トキツは、無事に村に着くことができました。いつもの風景が、懐かしく感じました。
村の人々は、子どもたちから、トキツが消えたと聞いて、トキツのことを心配していました。もちろん、トキツのお母も。
「おうい、トキツが帰ってきたぞお。」
村に住んでる近所のおじちゃんが、大きな声で、村の人々を呼び集めました。
ぞろぞろと村の人々が集まってきて、そこにはお母もいました。
「トキツ、心配してたのよ。こんなに汚れちゃって。」
「ごめんなさい、お母。おら、すっごく怖かったよ。」
トキツの後ろ奥には、子狐とお母さん狐がちょこんと静かに座っていました。
「おい、なんだあの狐の親子は。もしかして、襲われたんか。」
おじちゃんは、トキツの肩を激しく揺らし、猟師であるけんさんを呼びました。
「けんさん、銃を、早く銃を持ってこい。」
子狐は、怖がっていました。お母さん狐は、「大丈夫よ」と言って、子狐を大きな尻尾で包み込みました。二匹は逃げようとはせず、トキツの背中を、ただじっと見つめました。
「違うよ。おら、襲われてなんかないよ。腹を空かせた子どものきつねを助けたら、村まで案内してくれたんだ。だから撃たないでおくれ。おらの、命の恩人なんだ。」
トキツの思いがこもった発言は、村の人々のざわめき声を止めました。
「ありがとう。」
トキツは、村の人々にも、狐の親子にも感謝をしました。トキツは、泣いてました。
子狐は、「こんっ」と鳴いて、お母さん狐と、森の方へ帰って行きました。
ーーおしまい。
この作品は、『第36回新美南吉童話賞』に応募した作品です。
初めて書いた童話作品というのもあり、見返すと、これは…とツッコミたくなるような部分が多数ありました。中の内容も薄っぺらでしたね。どんな森のどうぶつ達と出会ったのかで、ほぼ字数を使ってしまって、残りは、ごり押しで入れた感がありました。
そして、後から読んでみて気づいたのが、漢字が多かったことです…。童話は子供向けなので、漢字が多くてはダメだろうと応募してから気づきました。
子供と大人の違いを表現したくて、わざと『しっぽ』と『尻尾』のひらがな漢字両方を表記しましたが、これもあまり良くなかったかもしれません。
なんだかんだで、一次審査にも通らず落ちてしまいましたが、後悔はしてないです。童話賞があることを知って、物語を書く楽しさを知って、色んな作品と出会えて、本を読む楽しさを知ることができました。そして、物語を書いて童話賞に応募するという初めての挑戦ができた事。これには誇りを感じております。
私はまだ17歳で、まだまだ知るべき事、やるべき事はありますが、たくさん物語を書いていきたいです。
noteで、色んな作品を見て、書いて、自分の想像力をアップデートして、また童話賞にリベンジしたいと思います!