歩道橋から世界を見る
「ほら!世界はこんなにも広いんだよ!」
歩道橋の上。
突然駆け出して、手を広げ、はしゃいで回り出した彼女。
歩道橋の下。
たくさんの車が通り過ぎていく。
視線を遠くにやると、世界が違って見える。
永遠に続いていくかのような道路。
無限に広がっているかのような夕焼け空。
世界を見下ろす。
まるで、自分がこの世界の頂点に立っているかのように思えた。
くるくると回って、こっちに振り返った彼女を見る。この時、この場所で、彼女のように踊っていれば、ずっと楽しいかもしれない。
2人で、ずっと楽しく生きていける。
そんな錯覚さえあった。
なんか、青春みたいだな。
なんかのアニメかドラマの一場面かな。
歩道橋の下から、世界を想像した。