いっせーのーで
放課後。
通学班で家に帰ります。
私は班長。もう高学年なので。
みんな家に帰っていきます。私の家はみんなより遠いので、みんなを見送ることになります。
副班長も同じくらい。だから、いつも最後は2人で歩きます。
副班長の家の前に着きました。自然と足が止まります。なんとなく2人で喋ります。
「ねぇ、長い休みの時どこかに遊びに行かない?」
「いいよ、どこ行く?」
こうやって、いつも遊びに誘ってくれます。幼稚園から一緒だったから、これまでもたくさん遊んできました。
「行きたいとこある?あ、待って、当てるわ。いっせーのーで、ディズニー。」
急に始まり、すぐに終わった、私が行きたいところ当てクイズ。いや、ディズニーは自分が行きたいだけじゃん。もちろん、私も行きたいです。
そこからひたすらディズニーの話を楽しそうにしていました。
当たり前のようにいつも一緒だから、こうして2人でいる時間がどれほど大切か、私はまだ知りません。こうしてまた、日々に楽しみをくれる存在が、どれほど大切か、私はまだ知りません。
でも、これからも2人で一緒にいるんだろうってことは知っています。こうしてただただ喋ってる時間が心地いいなってことも知っています。
「ねぇ、私が行きたいとこは分かる?」
また急にクイズが始まりました。というか、もう既に答えは言ってたじゃん。
「いくよ?いっせーのーで、ユニバ。」
どっちも行きたいんだね。