「出来ない」ということの経済的価値
クリエイターの「価値」の多くの部分を占めるのは「創れる」という部分でしょうね。
最近では「すでにオリジナルは存在しない。何かの組み合わせが創作」だという風潮もあり、オマージュとかいい感じの言葉で「模倣」することが仕事のように言われている部分があります。
そんな中で「創る」ことで報酬を得ているのがクリエイターです。
「創る」事に対しては譲ってはいけない。
ゼロから生み出す。それが「価値」を生み、信頼を得られるようになる。
その「信頼」こそが大切です。
その「信頼」を得るためには、出来ないことを「出来ない」と言えなくてはなりません。
出来ないのに「出来る」と言って、その発注を受けてしまって結局できなかった時は、クライアントに大きな損害を与えることになり、その歪は未来永劫埋めることは出来ません。
もちろん起業したばかりであるとか、どんなことでもやらなくてはいけないと思っている会社などはどうしても引き受けたいものです。
仕事というものは喉から手が出るほど欲しい。その気持ちは分かります。
分かりますし、それで安請け合いをして失敗を繰り返してきたので「わかりみ深海レベル(笑)」
そうした経験から、心の底から言えるのは「出来ないことは出来ないとはっきりさせよう」
その分「出来る事」のクオリティを上げることに集中することです。
「出来ないこと」をハッキリさせることは、言い換えれば自身のブランドを強化するという事です。たとえば【スタジオジブリ】にはジブリのブラントというものがあります。どんな作品を創り上げるのに適しているのか?とてもハッキリしています。
決して18禁PCゲームのムービーを依頼することはありませんよね?
これはウチのOffice ELANでも徹底するようにしています。
CGなどの映像表現にはとても弱いので「出来ない」とはっきり言います。
イベントの撮影でも、自分の創るものをはっきりと提示しておきます。後々トラブルにならないようにしておきます。
その分、例えば「ノスタルジックな風景でのポートレート撮影」などはクライアントが驚嘆するほどのクオリティを出すようにします。
努力する場所が少ないほど、集中できるものです。
まんべんなく塁に出ることを狙って行くのは学生で終わりです。
職業人は打席に立たないことにするか、もしくは絶対的なホームランを打つか。
そのどちらかです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/527d2361c5358cbf421fc98ef98c6f5766697553