『静寂に耳を澄ますということ』エピソード#0 中編
おかえりなさい。
ずっと芸能人の不倫報道に激怒していた友人の女性が、先日のGACKTが人妻と不倫したとの報道に関しては「ワンチャンの希望がある」と喜びで受け入れていたのを観て「人とは主観で決まる」と思ったゆーりです。
そんな僕がいまスケジュールの最優先事項としてPodcastを始めているのか?について前回からお話ししています。
『静寂に耳を澄ますということ』エピソード#0の後編です。
ホストとして僕が生き残っていくには、僕は他の若いイケメンたちとは「明らかに違う」ということを自覚して、そこを「活かす」しかないという結論に達しました。
俳優時代でも、その考えはとても役に立ちました。
多くの俳優志望は、誰か自分のお気に入りの「真似」に終始します。
「こうなりたい」と願う事はもちろん良い事なのですが、その路線だけを進むのでは最高で「あこがれの人の劣化版」にしかなれない事をきちんと自覚する必要があります。
例えば僕は松田優作さんに憧れていましたが、僕がどんなにそっくりにしたところで「松田優作の劣化版」がギリギリです。それ以上はありません。
また残念なことに僕は彼に似ていません。
どちらかと言うとマイルドな顔をしています。
悪く言えば「特徴がない」顔です。
これは俳優として致命的なのでしょうか?
テレビタレントならばキャラクター付けを必要としてます。
しかし、僕がそれをしたところで限界があります。
ならば、その「特徴が無い」を最大限に生かすことができ、それに「価値」を付けられるのはどこか考えました。
個性派はたくさんいますが、その中で「無個性」であることをアピールしました。
多くが「個性」を前面に出していますが、それは俳優のエゴに過ぎません。
演出を経験すると分かりますが、物語を語る時に個性を出すことがマイナスになることが多くあります。
そんな場面で、自分のエゴを失くし、ただ物語を進めるためだけに存在できる「無個性」という「価値」は重宝されました。
同じ映画に別の役で「三役」こなしたこともあるほど、使い勝手の良さに集中しました。
なので「俳優なんて一握りのスターだけが成功する」という言葉を凌駕する「無個性のプロデュース」で生活はとても楽でした。
今回も「自分」という人間の使い道を考えました。
僕は「皆より年齢が上」で「イケメンではない」
もっと言えばふっくらとしていて「スタイルも悪い」
それを活かすことにしました。
イケメンではないということを「安心できる」としました。
ふっくらとした体形を「可愛らしい」とアピールしました。
簡単です。カッコつけるのを一切やめました。
カウンターでニコニコとしてしました。
またもう一つのスキル。
演出家です。
僕は年齢が高めだということで相談したくなるタイプとして存在することに。
イケメンではない熊っぽい外見から、安心してグチを言えることを「個性」として、様々なグチや悩み事を、より良い方向に「演出」することを提供しました。
これが大ヒット。
どんな悩みでも、否定しないで聴く。いまに繋がっている僕のスタイルはその時に誕生したものです。
その悩みの中には、ずっと人に言えなかったことも多くありました。
彼氏とのことに悩んでいる方も、付き合いが続かない方も、
その会話の中で僕は必ず「相手の味方」でいました。
こうした「演出術」で僕は負債を5年で返済し、起業しました。
ホストはすぐに辞めましたが、相談は続けていきました。
そうすることが僕にとって自然だったからです。
思えば僕は父親を知らず、女性の中で育ったので女性と話をするのは性に合っていました。
この父親を知らないということが、後に僕の「運命」だと知るのですが、それはもう少し後になってからです。
演出家として、写真作家として様々なタイプの方とお知り合いになり、多くの対話をすることになりました。演出はつねに対話から始まり、対話によって進化するものです。
また僕のスタイルは本当に親身になることが重要です。なのでいつの間にか「ゆーりママ」と呼ばれるようになりました。
とても光栄に感じています。
僕は「ママ」としてたくさん対話をします。
その対話は、サウンドのマッサージでもあります。心にある老廃物を取り除くためのマッサージ。
そうしたマッサージをすることは、身体を解すと同時に気持ちも解します。
身体を解すことで得られる自分の体への「理解」
カメラの前で脱ぐことで、まったく感じたことのない感覚になることがあります。
その「始めて」の感覚に、体は緊張で固くなってしまいます。
そうした緊張も、僕は「認める」ことが大切だと思っています。
なので「リラックスして」や「緊張しないで」とは言いません。
緊張しているのか普通の事だと伝えます。
緊張することは悪い事ではないと、それでいいんだと伝えます。
「緊張するな」と言ってほぐれることはありません。
そうした緊張する場の空気感を変えることが演出家の腕の見せ所です。
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