『熱冷え11』
拳よりも先に氷の様に冷たい感触。次の一瞬で業火の熱に転じ、同じ熱さの何かを体から奪って行く。それは抜け出す傍から、指先と共に急激に冷えて行った。何が起きたのか判らないまま見下ろすと、見上げる瞳から涙が伝う。泣きながら微笑むその輪郭が、ゆっくりと少しずつ傾いて行く。
拳よりも先に氷の様に冷たい感触。次の一瞬で業火の熱に転じ、同じ熱さの何かを体から奪って行く。それは抜け出す傍から、指先と共に急激に冷えて行った。何が起きたのか判らないまま見下ろすと、見上げる瞳から涙が伝う。泣きながら微笑むその輪郭が、ゆっくりと少しずつ傾いて行く。
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