
〘お題de神話〙和を以て輪になる?
……何と言うことか。
よくよく考えてみると、そもそも『円』『環』『輪』の明確な違いがわからなかった。いや、よくよく考えなくてもわからない体たらく。
ああ、何といつも漠然としたイメージの中で生きているのか──。
*
「さて、顧問からの通達によると、来月の我が部のテーマは『輪』だそうだ」
「輪、ねぇ……」
「(挙手)しつもーん。輪と円の違いって?」
「ふぅむ……これはあくまで肌感覚ではあるが、輪っかの『輪』は縁がある感じ。環状の『環』は円を描くイメージでスタートとゴール地点で繋がっていればいい感じ。円形の『円』はとにかく円形ならいい感じ」
「ホントにざっくりだなw けど、まあ、何となくわかる。つまり、山手線が『環』、あんドーナツが円でドーナツが輪ってことだな」
「そーゆう収め方か。まあ、概ね合ってるがな」
「大陸から『輪』って漢字が入って来た後、その字は大和言葉の『なごむ』って読む『和』と同一とされていたって説も読んだぞ。『和を以て貴しとなす』ってのは『輪』でも意味が通るんじゃないか、ってやつ」
「え、なんだそれ? 意味通るか?」
「いや、わからん」
「わかんねーのかよw」
「ただ、その説を書いた人が言うに、例えば『和を以て貴しとなす』ってのは、法律とか決め事みたいなものは一部の上の奴らが決めて『さあ、守れよ』じゃなくて、『皆で擦り合わせてやってこうぜ』ってことだから、『その決め事から皆が同じ距離感になる、つまり皆で考えて実行してこうぜ』って意味じゃないかと……」
「…………」
「いや、だから、輪になると中心から等しい距離になるだろ? だから良く言う『輪になる』ってそーゆうことなんかなーって考察だった、って話だよw 悪かったな、説明がヘタでww」
「そもそも、『輪』ったら何が浮かぶ?」
「指輪」
「輪投げ、フラフープ」
「タイヤ」
「車輪と言えw うーん……輪ゴムとか……」
「土星」
「笑って*いとも!」
「トモダチの輪かww ……まあ、それも『輪になる』『輪が広がる』から来てるよな」
輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪
(ハモリ)→輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
(ハモリ)→輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪
(ハモリ)→輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
(ハモリ)→輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪
(ハモリ)→輪♪輪♪輪♪輪♪輪♪〜
のー友♪
いい友♪
トモダチのぉ〜♪
わぁ〜〜〜ぉ!!!♪
(某有名曲のリズムでどうぞw)
「突然www 字、違うけどなw」
「しかし、スペルはRINGもringも同じと言うややこしさww」
「まあ、でも確かにキャンプファイヤーとか昔の卓袱台とか囲炉裏とか、何とはなしに丸く囲むのって意識してなくても『等しい距離』は関係ありそうだよな」
「盆踊り……」
「お、珍しく口を開いたな」
「阿波おどりとかは別として、盆踊りって何で櫓を囲んで輪になるんだろう、って思ってた……」
「あ~そう言えば、盆踊りも輪になるな」
「その歴史は古いと聞いたことがあるぞ。元を辿れば平安時代だか奈良時代だか」
「盆踊りの櫓を囲むアレは、日本創生時の伊邪那岐命と伊邪那美命の御柱の話が核にあるって聞いたことあるな」
「お~なるほど! 柱を回って出会いを表してるアレか! 何となく納得出来るような気がしなくもないな!」
「で、実際、どうなんだろうな?」
「調べてみろよ」
「めんどくさいw」
「おいwww」
「まあ、とりあえず今回のテーマの結論な。神話世代から意識無意識に関わらず継いで来たもの。『和を以て輪になるのが人の輪』……互いの意見交換がちゃんと出来る関係性、ってことでいいか?」
「おーいいんじゃん? 結論はともかく、こーゆう論考に見せかけたダベり楽しいしな」
「見せかけとかバラすなよw まあ、結論にもその意見にも異存はないww」
「りょーかい」
「いいと思う」
「いいとも」
「まだ言うかw まあ、よし、決まりだ。顧問へのまとめ提出の締め切りは11月28日だからな」
「「「はぁ〜い」」」
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