砂漠化

 
 
 
ビルのベランダから
あなたの会社の方を眺める
 
 
ちょっと前までは
それだけで潤っていた私の心
 
ちょっと前までは
あなたがいないと渇いていた気持ち
 
 
姿を見るだけで
声を聴くだけで
 
しっとりしていた
 
 
会えるだけで
考えただけで
 
あったまっていた
 
 
なのに、今は……
 
 
少しずつ、でも確実に
乾いて行くわたしの心
 
 
いったい、いつから
こんなふうになったんだろう
 
 
一度、乾いてひび割れた心は
もう、どんなケアをしても戻らない
 
どんなに水を含ませても
虚しく吸い込まれて行くばかり
 
 
心の砂漠化が止まらない
 
もう『あなた』という水では潤わない
 
 
いつか私の中に
新しいオアシスを作れる日は来るのだろうか
 
 
 
 
 
 

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