Better Half ~ Lost my Half ~
私の半身、魂の片羽よ。
あなたがいなくなってから、どれくらいの夜を過ごしただろう。
……ううん。
夜だけでなく、同じだけの昼も過ごしている。ただ、もう昼と夜の境も、その違いすらも、私には意味のないものになっているだけ。
何故って。
もう二度と、私がいる場所に光が差すことはない。
清々しい青空の元、目映い陽の光がどれだけ照らそうと、濃紺のビロードの元、煌めく星々が謳うように指し示そうと、昼夜なく、月の光が見守ってくれていようとも──。
もう二度と、私の胸に灯るものなどない。
暗闇を照らす光がなければ、あなたの姿も、あなたの優しい眼差しも見えない。
触れられなければ、あなたの胸の鼓動も、あんなにも暖かかった指のぬくもりも感じることはない。
私を呼ぶ声さえ、答えてくれる声すらも、二度と聞こえることはない。
暗く凍える心の夜を彷徨い、涙が涸れるほど泣き叫んでも、声の限りに叫んでも、どんなに探してもあなたはいない。
あなたが同じ宙の元にいる──それだけで灯った胸の焰はくすぶりもせずに冷え切ってしまった。
どんなに逢いたいと思っても、逢いに行くことは出来ないから。
逢いに行ったりしたら、あなたは私を赦してはくれないから。
ひとりで立ち続けろと。
ひとりでも歩き続けろと。
あなたはそう言って、私があなたに追いつくことを決して赦してはくれないから。
私は、照らされることのない、この暗い道を、それでも少しでもあなたに向かって歩くしかない。
いつか、運命が、私をあなたに誘(いざな)う日まで。
私は、私の半身に巡り会える日まで、ひとり彷徨い続けるだけ。
*
作曲: 雨の中でひとりさん
歌 : ちびまゆさん