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こぼれる

 
 
 
あの頃━
 
 
ぼくが差し出そうとしたものと
 
きみが希んでいたものと
 
 
その隔たりはあまりに大きくて
 
 
あまりにひとりよがりだったぼくには
 
その溝を埋めることはできなかった
 
 
ふたりで手に入れようとしてたのに
 
気づかないうちにひとり歩きしていた自分
 
 
ふと 立ち止まり
 
振り返った時には
 
 
すべてを取りこぼしてしまっていた
 
 
こぼれ落ちたきみの心
 
すり抜けていったきみのぬくもり
 
 
もう 取り戻すことは叶わない
 
 
ぼくは二度と
 
この手につかむことはできないだろう
 
 
 
 
 

 
 
【朗読してくださった方】
 
雨の中でひとりさんのプロフィール
雨の中でひとりさんの朗読
 
rikuchiさんのプロフィール
rikuchiさんの朗読
 
 
 ありがとうございました!
 
 
 
 
 

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