つなぐトンネルは花の雪
水色の雨が降った次の日は
空色の空が広がる朝
紫の露を受け止める葉の緑
菜の花色の大地が春を告げ
陽光に輝く一面の大海原になる
どこへ行こう
誰のもとへ
まぶしさに目を細め
遥か彼方を見やれば
まぶたの中には桜色のトンネル
こぼれ落ちる花雪
花霞の中では手をふるきみの
そよ風に舞う髪の毛
重そうな襞スカート
細めた目を思わず見開けば
淡いまぼろしのようだったきみは
はっきりとした輪郭を見せる
爽やかなショートボブ
軽やかな萌黄色のスカート
同じ笑顔で手をふるきみ
変わったのは共に過ごした季節の分
━そうだ
あの頃へ行こう
あの頃の自分たちに会いに
今と思い出が優しく交差する
花の雪が舞う あの場所
今が未来だったあの頃へ
今より未来(さき)を見るために
*
〔朗読してくださった方〕
☆yayaさん朗読
☆雨の中でひとりさん朗読
ありがとうございました!✨
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