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初めて恋愛がうまくいった人が夫だった

独身の頃、私は恋愛があまり上手ではなかった。

私はいわゆる理系女子(リケジョ)で、理工学系の大学・大学院を出て、メーカーに就職。責任感が強めな性格も相まって、ずっと勉強や仕事に矢印を振り切っている感じだった。

ただ、外見は小柄で穏やかというか、家庭的に見えるらしかった。大学のときも、「文学部?」とかよく言われていた。なので、私に好意を寄せてくれる人は、私にそういう面を期待していた。当然のことながら、その期待に私は全然応えられなかった。

もちろん付き合い始めは頑張っていた。相手が好きだし、期待には応えたいし。でも、付き合う期間が長くなっていくにつれて、結局、自分の中の優先度が仕事中心になってきてうまくいかなかった。

「もうちょっとマメに連絡してほしい」とか「俺と仕事どっちが大事なの」とか「そんなに働いてどうするの」とか、男の人が彼女によく言われるようなことを言われて、面倒臭くなって終わるっていうのが定型パターンだった。

そういう恋愛を何度か繰り返してアラサーになった頃、同じ職場だった夫と付き合った。それまでは自分が社内恋愛するとは考えてもみなかったけど、付き合ってみると私の仕事への理解が半端なかった。

もう、とにかく滅茶苦茶ラクだった。仕事が忙しい時期かどうかもお互いだいたいわかっているし、残業多い週は「デートはいいから休みなよ」と言ってくれるし、デートできなくても毎日顔を合わせているせいか不安になられることもない。

「え、仕事に理解があるとこんなにうまく付き合えるの?」と、目から鱗だった。夫の方も同じだったみたいで「ラクすぎてすごい」と二人して驚いていた。

だから、結婚するのも自然だった。私達はよく似ていて、理解し合える同志だった。最初から。だから結婚まで上手くいって、結婚後も7年間、大きな波風もなく、ここまで来たのだと思う。

これでレスでさえなければ、何も悩まなかったと思う。子どもがいなくても、この人に女性として愛されているのだという実感があればよかった。

人は自分が持って無いものばかり欲しくなるのかもしれない。すでに持っているものは当たり前に感じて、その価値を忘れてしまっている。完璧なことなんて、世の中には滅多にないのにね。

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