アルティメットカップ2位 黄ワクチンについて
1.はじめに
記事をご覧いただきありがとうございます。先日行われましたデジモンカードゲーム アルティメットカップ(関東)にて自分の好きなデジモンである「パタモン」を使いながら、優勝には至りませんでしたが2位という成績を収めることができました。その際に、何名かの方から「デッキやプレイについて解説が欲しい」とのお声掛けをいただき、気にかけてくださる方がいるのならばと記事を書かせていただきました。面白可笑しく文章を書くことは苦手なため読みづらい方もいるかもしれませんが、ご覧いただいた方にとって、何か参考になることがあれば幸いです。
2.デッキの選択理由、概要解説
冒頭でも触れましたが、自分の好きなデジモンが「パタモン」でそれが最近になり強化され、勝負の場に持ち出せるだけの強さを得たことが構築のきっかけになります。最初は相手のセキュリティを削る力に乏しかったり、成長ラインの確立に試行錯誤しながら現在の形までもっていっています。そのため、アルティメットカップ、ぐぅデジ杯ともに多くの人の選択肢として敬遠された理由であろう時間切れを起こすこともなく試合を終えています。(もちろん接戦になればその分時間は使いますが)そのため、今回の自分のデッキとして選択するに至りました。
さて、ここからは本当に基本的なデッキの概要になりますので、すでにご存じの方は読み飛ばしていただいて構いません。
「黄ワクチン」とは「黄色」であること、「ワクチン種」であることを要求するギミックを使用して育成、展開をしていくデッキで主に下記のカードを中心にプレイングをしていきます。
このデッキの最大の特徴はセキュリティを第二の手札として使用することのできる点にあります。相手よりもより広い範囲の選択肢の中から行動を選ぶことができることは大きなアドバンテージでしょう。
そしてセキュリティを介して展開することによりメモリーのプラスやドローなどの恩恵が受けられ、選択の幅がより広がり、安定したプレイが可能になります。
BT-14発売当初一番初めに固めた構築です。成熟期をアーマー体にすることで積極的にバトルに行け、返しのターンではパタモンの効果を再び狙ったり、レオモンをセキュリティの一番下に埋めることで確実に効果を誘発させる、マグナモンX抗体はホーリーエンジェモンACEのオーバーフローを回避する役割など「息を長く続かせつつ細かく殴っていく」というプレイを目指していました。
この構築ですが、実は弱くはありませんでした。防御面においては想定していたようにセキュリティの厚み、細かなDPマイナス、マグナXの攻撃誘導などそう簡単に負けないデッキに仕上がっていました。
ですが、攻撃面では想定していたほどに打点を伸びなかったり、完全体以降の進化ラインが整わずに攻めに転じることができなかったりと、じり貧になることが多く、時間切れを起こすことも度々ありました。
そこからはデッキの中のカードが次々と入れ替わりますが、どうしても相手のセキュリティを削るだけの手数を用意できずに困っていた時、ある大会で「シャイングレイモン」を使う方と対戦しました。それまで身近に使い手がおらず、実はあまりシャイングレイモンとの対戦経験はありませんでした。
結果としては完膚なきまでに負けました。
アーマー体はDPマイナスでパージできず、セキュリティに仕込んだカードはバーストの効果で焼かれ、マグナXはそもそもの打点が足りません…
ただ、その時黄色のテイマー「大門大」にアタックを仕掛けられました。
倒した「大門大」がセキュリティに帰っていきました。そして再びセキュリティから出てきてアタックを仕掛けてくるのです。
そして、アグモン達には書いてあったのです・・・「ワクチン種」と。
この時に、パタモンをアグモン達と組ませることを決めました。
3.基本的な戦い方
基本的に念頭に置くべきは2点。1つ目は序盤は手札を増やすこと。2つ目はテイマーをそろえること。
1つ目はほかのデッキでも基本かもしれませんが、このデッキだと特に重要になります。手札、セキュリティの管理を上手に行えば、安定感が1回りも2回りも変わってきます。
2つ目のテイマーにはコストの管理という面と攻撃のための布石という面があります。デッキの特徴として挙げた”広い選択肢”ですが、たとえ広い選択肢を持っていても選択できる回数が少なければアドバンテージを広げることはできません。そして、コントロール系のデッキの弱点として打点の数の少なさがあげられますが、今回はそれを上述したテイマー「大門大」と「アグモン」の系統を用いて補っています。
このデッキで勝つためには上記二つをどれだけ序盤にできるかにかかってきます。
加えて、このデッキを使う上で必ず理解しておかなければならない点があります。それは「最終的なセキュリティの枚数が変わらずとも、セキュリティの増減は起こった」という点です。
デジカにはよくあるタイプの言い回しなのでご理解いただける方も多いともいますが一応解説を入れると、このデッキにはセキュリティから進化をしたり、カードを手札に加え、その後リカバリーをする。という動きが多発します。要するに
上の図のように5枚あったセキュリティが一時的に4枚に減った後に元の5枚数に戻った場合はセキュリティの枚数が5→4→5と減った後に「増えて」います。
このデッキにおいてはこのセキュリティが「増えた時」の効果が非常に多いのでこの場合でも発動の条件を満たすことは念頭に置いておいてください。
4.有利対面、不利対面
Dブリガードやルガモンをはじめとした横展開するデッキに対しては非常に強いです。逆にウォグレ等の単体で強力なデジモンで一気に決めにくる相手は苦手な部類になります。
当日当たったデッキだと
ルガル…有利
シャイン…やや不利
ブラウォ…やや不利
ミラガオ…やや不利
位になると思います。有利なデッキに対してはある程度盤面をまくることもできますが、不利なデッキに対しては常に先手を打ち続けなければ厳しくなる、という印象でした。
4-2.各例示対面の私見的特徴とプレイの際意識していること
ルガモン
特徴…トラッシュを利用しながら展開、進化、リソースの確保を行う。デッキから直接破棄するわけではなくドロー→手札破棄をしていくため丁寧で着実な展開をしてくる。トラッシュを利用するからこそ高速化が困難である部分はあるが、一度展開が成立すれば以降のリソース確保は比較的容易になるため一気に攻め立てられる。展開数も多いがその展開数に押し負けるよりもその展開したデジモンを連携等で利用しつつ連続攻撃で攻めてくるフェンリルガモンに対応しきれずにとどめを刺される印象がある。オプション厚めのデッキでないのならセキュリティ勝負は期待できない。
プレイの意識…よほどうまく回らない限りはほぼ確実にヘルガルモンを経由しトラッシュの肥やしとリソースの回収を行うため開始数ターンで攻め切られることは少なく、ある程度のコストももらいやすいので相手の手札がよく見えてもあせらずに育成場やテイマーをそろえていく。序盤はバトルエリアにデジモンを出しながら進めても問題ないが、相手の進化ラインが整う可能性があると判断した場合は中途半端な展開をするよりも自分の場にデジモンを残さない方が守りやすい。
ウェヌスモンに繋げたとしてもそれはほぼ確実にヘルガルモンに処理されると考え後続を用意しておく(育成場が理想だがこの後続はバトルエリアでもいい)
ルインモードを出してもDPが6000以上のデジモンも多いためルイン1発では止まらない可能性が高いと考えておく。なのでウェヌスモンを出した後は無理にルインにつなげるよりも次のウェヌスモンに繋ぐくらいの気持ちを持ちながら細かなアタックを繰り返し、リーサルを取ったら迷わず決めに行く。全体がウィルス種での構築のためマインドリンクがない状態のシーソーゲームならエンジェモンで大型をとれる点を頭の片隅に置いておくとあせらずにプレイできる。
シャイングレイモン
特徴…現在の環境デッキの一つ。その由縁はそろえたリソースが削られにくい点が最も大きな点だと思っている。進化、アタック、DPマイナスのいずれにもテイマー「大門大」が絡んできており、その他メモリーブーストやトレーニングなど相手の干渉を受けずに場に残しておけるリソースが非常に多い。そのため、相手の切り札となるはずのシャイングレイモンを除去したとしても後続のデジモンが簡単に育てられてしまう。もちろんうまくかみ合わないこともあるだろうが、それを期待してプレイすれば気づいたころには負けている。
プレイの意識…テイマーや進化元が増えれば増えるだけこちらに不利になる。しかし、進化時効果が展開や攻撃の際に大きなアドバンテージを得ていることも事実であり、ウェヌスモンの効果下でセキュリティを削ることは困難。相手の場にシャイングレイモンが出ていないのであればウェヌス→ルインの流れで十分に対応できる。(ただし、ウェヌスモンを過信すると簡単に12000は削られ逆にこちらのリソースがなくなる)ルインモードまで進化できたのならかなり大きなアドバンテージになる。その理由の最も大きい部分は「大門大」のデジモン化を間接的に防げる点にある。シャイングレイモン:バーストモードで登場した大を除き、デジモン化した大のDPは3000。デジモン化した時点で消滅することになるためセキュリティに余裕があるならかなり頼もしい守りを敷いてくれるためいかにウェヌス→ルインにつなげながら、育成場とテイマーを育てられるかがカギ。進化候補は希望の使者を使いながら一気に駆け上がるか、複数のルートを用意しなければウェヌスモン効果下でも処理されると考えておく。
ウォーグレイモン、ブラックウォーグレイモン
特徴…一言で言い表すのは困難なほどにオールマイティ。消滅、退化、セキュリティ破棄と何をされるかわからない…いくつか型はあるが、細かな進化時ドローやメモリーブースト、トレーニングを用いて手札を整え、強固な耐性や制圧力を持つ「(ブラック)ウォーグレイモン」で有利を取りに来る。その中でもこのデッキが苦手とするものは「突進」を用いてくるタイプ。小粒をそろえようとすると相当量展開しない限りは1匹も残らず、大型を立ててもアクティブ状態でも攻撃されるので半端な後続が許してもらえない。一撃で反撃を決めない限り優位を持っていかれ続ける。
プレイの意識…はっきり言って「まともな状態でウォグレまでいかれたらほぼお手上げ」と言いたくなる。耐性を持っているウォグレを処理する手段は打点で殴り勝つしかないが、それができるのはこのデッキだとルインモードのみ。進化コストは5かかるので普通は進化→即アタックはできない。ウェヌスモンにしても下手にコストを多く渡してしまえば返しのターンで突進で処理される。そうすると必然的に「相手の選択肢を大幅に狭める」という手段をとる必要がある。大筋の基本プレイから1歩踏み込んで相手の状況に合わせたプレイを要求される。逆に言えばそれさえできれば優位をとることもできる。では、「相手の選択肢を狭める」とはどういうことか。
① 育成場から前に出ても得がないと思わせる
② そもそも育成場から出られなくする
これらが必須。①の方法はウェヌスモンへの進化時「希望の使者」などを用いながらなるべく少ないコストで相手ターンに移るようにすることや成熟期を複数並べながら攻め「ホーリーエンジェモンACEを警戒させ攻め手を遅らせるなど。相手の状況をよく見なければ逆に制圧され返すこともあるため簡単ではないがメモブやトレーニングの有無はしっかり把握する。
②は方法自体はシンプルで相手の育成場のデジモンのDPがルインの効果範囲に収まっているうちにルインモードに進化させること。これで確実に1ターン稼げるので相手の準備ができ始めているときは迷わずに行く。
ミラージュガオガモン
特徴…手札バウンスを多用してくるためLv4以下のデジモンは容易に場に残しておけない。手札を増やすことがデメリットになりうる稀有な相手だが分布的には珍しいとか言っていられない。下準備は必要だが準備が整ったらセキュリティの枚数にお構いなく攻め切られる。基本アタックがジャミング付きなので準備を整えられたら終わり。
プレイの意識…手札を7枚未満にして戦いきる自信があれば別だが、そうでない場合は後半の不利を捨て置き自分のリソース確保に全力をかける。比重はドローとコストで2;1くらいのイメージ。Lv4以下のデジモンはバウンスされるので相手の育成場が育っているなら早めに攻撃に行く。メモブやトレーニングを多用するため育成場が育たないこともたまにあるのでその場合は少し余裕をもって育ててもいい。中盤以降はトコモンやアグモンを進化元に持つデジモン以外のデジモンを育てる。ガオガモン系統のメモリープラスの効果はウェヌスモン効果下でも発揮するためドロー効果が自分の首を絞めることにならないように注意する
5.各カードの採用理由
レシピ自体は公式の方でもあげられていますが改めて。
今回のアルティメットカップではこのような構築で行きました。
私見ではありますが、各カードの採用理由を簡単にお伝えしたいと思います。
デジタマ
基本戦略の一つ、手札を増やす効果を持ち全体を通して発動しやすいため1種フル採用
メインデッキ
このデッキの中核を担うカード。セキュリティからの進化に成功した際はその時点で+1コストとなるので恩恵が大きい。4枚必須。
主な役割は3つ。
①ドロー要因
②ジオグレイモンへの2コスト進化
③大門大(4コスト)をデジモン化させるための打点要員
大門大をデジモン化する役割。5コストの大は自身でデジモン化する効果はないので重宝する。しかし序盤に役割が少ないため2枚採用に留めた。
黄ワクチンの系統の中で真っ先に抜く候補になる人も多いようですが、私は攻防ともに優秀だと判断して採用。シャインやガオガを想定した際に同じLv.4の枠の中ではDP5000を超えるものはほとんどないためエンジェモンのアタック時効果で十分にとれる。その上でこちらは後続を用意できるのは十分なアドバンテージになるとの、テイマーを多く張るのでデクスモンを処理できるのは大きい。消滅時にはセキュリティの下に送られるため、次のパタモンの進化先を確実に用意できる。4枚採用。
運が絡むことにはなるが、それでもテイマーをノーコストで登場させられる点は非常に優秀。セキュリティを何度も確認する関係上中盤以降には偶然は必然になるのでジオグレイモンからテイマーを張る前提の動きも可能。4枚採用。
何度か試行する中で、前半に手札にテイマーが重なり動きづらくなることがあったため、それを補う形での採用。基本的に活躍が序盤のみなので枚数を絞る。2枚採用。
採用しない理由を見つける方がもはや困難。エンジェモンが積極的にアタックに行くことのできる理由の一つ。攻撃面、防御面ともに優秀。唯一の難点はオーバーフローだが、そのタイミングを相手に委ねないこともできるので致命傷になることは少ない。4枚採用。
手札に来た大門大を張る。テイマーはカード効果で意図的にセキュリティに入れることはできないので手札にあることは少なくない。また、大門大を継続的な攻撃手段として維持するため。枠に余裕があれば増やしたいが今回はホリエンを重宝し3枚採用。
進化させれば、多くのデッキの主要ギミックを一時停止させる。それで稼いだ時間で後続を用意できる意味は大きく、打点も低くないためこのデッキの究極体枠として4枚採用。
相手によってはウェヌス→ルインで往復3ターンを稼ぐことができ、状況によっては相手の完全体までを完封する。育成場から究極体に育てていることは稀なのでその時間を使い最後の攻め手を整える。進化元がウェヌスのみのためそれより1枚少ない3枚採用。
3コスト供給の意義は大きい。また、セキュリティの確認+好きなカードを加えられるアドバンテージは今まで以上に大きい。だが、一度効果を使用した後は3コスト供給以上の意味を持たないためわずかに絞って3枚採用。
このデッキを安定して運用するためには必須級のテイマー。パタモンの進化先を確実に用意できる点は大きく、序盤でもパタモンの効果で進化したのなら4コステイマーと同等のリターンをもたらしてくれる。4枚採用。
前半はコスト供給兼小粒焼き。後半はアタッカーとして機能する。ただしあまりに多く張っていても全部がアタッカーとして機能するわけではないのでフル採用は見送る。3枚採用。
ライズの効果で出すことを前提にしているが、登場すればアタッカー兼サポート要員として機能する。デッキ内のデジモンがグレイモン系統に統一されているわけではないため2枚採用。
完全体以降の進化の際に使用すれば圧倒的なテンポアドバンテージが取れる。セキュリティ効果もトラッシュを選択できるため腐ることが少なく、非常に使い勝手がいい。使いどころの判断力は要求されるが確実に手元に置いておきたいため4枚フル採用。
6.目指すプレイ、中軸となるカードの動きの解説
ここから先はさらに個人的な考え方になるのでご注意下さいませ。
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