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アヌビモンデッキ考察


1.初めに

アルティメットカップが終わり、アニマルコロシアム登場以降はアヌビモンを使い続け、チャンピオンシップの1次予選も無事通過。モチベーションも高まっていたところに2次予選の日に所用、DC1も全落ちしたので供養の意味も込めて構築、考察を公開したいと思います。これを読んでくださった方に少しでも影響があればうれしく思います。
アヌビモンってそもそもなに?という方はぜひアヌビモンテイマーことたこともさんの記事をご覧いただくことをお勧めします。
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note
*ご本人に許可を得てリンクを掲載しています。
一応、私も別に基本編、という体で書いているものがあるので、よろしければこちらもご覧いただければと思います。

2.構築

11月末日時点

エクシード・アポカリプスまでの環境において、環境に合わせつつ、可能な限り安定を求めた思考で構築しています。

再記すると長くなるので、各カードの採用理由は以前の記事を参照ください。こちらの記事では採用理由に変化があったり、新規採用のものだけ取り上げます。


レディーデビモン

以前は採用を見送ったカード。ガジモン、ポームモンの系統が増えてきている点、ex1-060のレディーデビモンよりも安定した展開を求められる点で差し替えている。

ヴァンデモンACE

相手に奇襲を仕掛ける1枚になる。デッキの性質上、相手ターンにLv4のデジモンが残ることが多く、無警戒であれば相手のリソースを大きく削り、警戒しテンポが遅れるのであれば優位に立てる。状況によっては自分のターンのとどめの1点に貢献できる。

ニーズヘックモン

こちらも相手の計算外を引き出すカード。相手がアヌビモンまで届かないと判断した盤面でも無理矢理届かせる可能性を生み出す。ヴァンデモンACEのカウンターを利用したコンボを狙うのもあり。

3.このデッキの強味

このデッキの最大の強みは「安定性」と「手数の多さ」があげられる。サーチカードは少ないが、ドローによって手札を整え、相手の妨害、後続の確保のどちらかを途切れなく行うことができる。リソース管理さえ間違えなければ常に先手を打ち続けることができる点は非常に強力。決めるときにはワンショットも狙え、その道中でLv5以下のデジモンを除去するのでカウンターを食らいにくく、相手に反撃の機会を与えない点も強味といえる。

4.このデッキの弱み

扱いやすく、強力な効果を発揮するデッキだが、Lv.6以上の相手を除去する手段が極端に少ない。そのため、相手に先に究極体まで育てられると対応しきれなくなってしまう場合が考えられる。また、登場効果や手札破棄を介してメモリーをプラスしアドバンテージをとっていく性質上、ポームモン系統で効果登場を防がれることは致命的。ガジモン等のメモリープラスの阻害はアヌビモンが出せれば除去してから効果を発揮させる選択ができるが、そこに至るまでのメモリーブースト等を阻害されるためテンポが大幅に遅れる可能性がある。
優位をとれている間はあまり問題にならないが、盤面が拮抗してきたときのリソース管理が難しく、「トラッシュを活用できるから」と後先考えずに手札を破棄すると次の手を失ったり、アヌビモンを複数展開したときに気づくとデッキがなくなっている、ということもありうる。手数は多いが、セキュリティをまとめて削る手段は皆無なので、防御面に秀でた相手と当たった際にリソース、デッキが枯渇しやすいので注意が必要。

5.小技等

アヌビモンを使う上で、もしくは対面するうえで知っておくとよさそうなことをいくつかあげていきます。

・リーサル

アヌビメルヴァを含め、相手のセキュリティ5枚+プレイヤーアタックをするために必要な動き

盤面
~要求~
アヌビモン、メルヴァモン、イグニートモン、アタック可能なデジモン(デジモンA)1体以上
手札3枚、メモリー1以上(進化元、盤面のデジモンによって変化あり)
手順
1.メルヴァモンでセキュリティアタック(1点目)
2.デジモンAでセキュリティアタック(2点目)
3.イグニートモンでセキュリティアタック時、効果でメルヴァモンを初埋めつ(相手にデジモンがいなくても可能)(3点目)
4.アヌビモンの効果発揮。2点目のアタックのイグニートモンが盤面に残り、メルヴァモンを出した際に他のデジモンが出せない場合は場のイグニートモンをデジクロスさせる。(トラッシュに他の候補がいるのであれば残した方が展開は広がる)
5.メルヴァモンを最軽2コストで登場。メルヴァモンの効果でイグニートモン(+候補がいれば)を登場。その他登場時、手札を破棄した時に発揮する効果を処理。
6.イグニートモンでセキュリティアタック(4点目)
7.メルヴァモン(またはメルヴァ効果で登場させたデジモンが速攻を得ていればそのデジモン)でセキュリティアタック(5点目)
8.アヌビモンでプレイヤーアタック

メルヴァモンのセキュリティアタックでDP負けすればイグニートの効果の手順は省略できる。能動的にメルヴァモンをトラッシュに送れる術がある点を留意すると戦略の幅が広がる。

・ヴァンデモンACEでの奇襲

このデッキの防御面はほとんどをメルヴァモンに依存しているのでそこを突破されたり、1ターンの内に手数で押されると攻め切られてしまうことが多い。そういった相手に対し、防御の手数を増やしたり、相手のコスト管理を狂わせるのに役立つ。イグニートモン、ブルーメラモンが「お互いのターン」の進化元効果を持つため、ヴァンデモンACEでLv3のデジモンを登場させれば効果を発揮する。その際にラブラモン等で手札を破棄し、ニーズヘックモンの効果を発揮させればさらに追加でメモリを動かすことができる。bt12-076のドーベルモンから進化させたり、bt6-078スカルグレイモンを破棄したりすれば道連れのブロッカーを用意することもできるためビートダウンデッキに対して強い抑止力になる。メルヴァモンがいる状態で自分のターンに進化させ、イグニートモンを登場させれば追加の1点を生み出すこともできる。

・究極体の処理

Lv.5までのデジモンならアヌビモンが基本的な展開の中で除去してくれるが、Lv.6以上のデジモンに対しては除去手段が極端に少なくなる。対処法としては
・「セイバードラモン」の道連れ効果で除去
・「スパーダモン」の効果で退化
・その他の除去手段を入れる
という手がある。除去オプション等を入れるのが確実だが、展開の中で利用することはできないので、採用する場合には要注意。
上記2つの方法で除去する場合、セイバードラモンはメモリが0以上なければアタックできず、スパーダモンで退化しても次のターンに進化されて盤面を返される可能性も高い。そのため、メルヴァモンの効果でスパーダモンを登場させる際の除去手段は把握しておいた方がよい。

手順
1.アヌビモンの効果発揮→メルヴァモンを登場
2.メルヴァモン登場のタイミングで複数の進化元効果、メルヴァモンの登場時効果、アヌビモンの自分のターン効果が誘発。この順番はターンプレイヤーが自由に決定できる。
3.メルヴァモンの効果を発揮させ、スパーダモンを登場。
4.登場したスパーダモンの効果を先に誘発。その後スパーダモンが登場したことによって誘発したアヌビモンの効果を誘発。
5.その後、発揮待ちしている効果を順次解決していく。

と、いう手順が取れる。
発揮待ちの効果に割り込む効果が存在する、というルールはしっかりと理解しているとプレイングに影響する場面がある。
例えば、相手の場にLv.6のデジモンだけがいる場合、アヌビモンの効果を先に処理するか、後に回るように処理するかによってアヌビモンの効果でドローできる枚数が変わる。相手のデジモンを放置しても問題なく、後続を確保するための手札補充がしたい時にはあえて除去しないように立ちまわったりする選択もとれるため、手順は覚えておくとよい。

詳しくは総合ルール4-6を参照。一応、解説も起きます。(音声が出ます)

6.対面意識

いくつかのデッキを上げ、それぞれに対する有利、不利、意識するプレイングを記載しています。

vs.アポカリモン(五分五分)

アヌビモンがトラッシュを利用するため、一見有利にも見えるが、アヌビモン自身がドロー加速をするためデッキの減りが速いことに加え、アポカリモン自体がアヌビモンが除去を苦手とする究極体のデジモンであるためアポカリモンにまともにゲームをさせるとまず勝てない。そのため、必要なことは
・相手にまともにアポカリモンを出させないこと
・相手の用意が整う前に決着をつけること
のいずれかになる。どちらも可能なデッキではあるが、どちらも選べる状況であるのであれば前者を選んだ方が事故には会いにくい。
前者の場合は、基本的にサイケモンを維持しながらゲームを進めることになる。ゲーム前半はサイケモンを維持して早めに出てくるアポカリモンを牽制、万一除去されてアポカリモンを出された際に除去、再度サイケモンで蓋をする用意を整えておく。ゲーム中盤以降は複数体のサイケモンを場に出せれば、エレキモン+デスクロウやダークマスターズのターン終了時効果でメタルシ―ドラモンを出される、といった盤面に警戒しておく。サイケモンは自分の登場コスト軽減も阻害するが、こちらはその分メモリーの回復があるので低コストのデジモンを手札を節約しつつ展開し、順当進化しながら盤面を作れば相手とのリソース差は作れる。
後者の場合は細かくアタックを仕掛けると相手のトラッシュのリソースがたまるので、ワンショットに届くタイミングがあれば迷わずに行く。Lv.4を除去しワーガルルモンACEのカウンターは防いでおく。最初のアタックでデスクロウを踏み抜かなければ勝算は高い。

vs.アヌビモン(ミラー)(五分五分)

運勝負、というしょうもない話をしないのであれば、デッキへの理解度が要求される勝負になる。究極体を処理することがお互いに難しい、という性質上、基本的には先に展開させた方が有利。その理由としては、先に展開した場合にはアヌビモンの効果でドローし、リソースを稼ぐことができるが、後から展開した側は相手の除去にリソースを割いてしまい、手札が増えないため。先に展開できそうにないのであれば、無暗にLv.5以下のデジモンをバトルエリアに出すよりも、育成エリアで育成しつつ、メモリーブーストやトレーニングで次手を整える勇気も必要。基本的にはセキュリティは強くないので点数が足りると判断したら決め切った方がよいことが多い。

vs.ガルル系(6:4 やや優位)

手数が多く、バトルでの消滅に耐性を持たせてくるのでメルヴァモンでのブロックでは止まってくれない。ドーベルモンX抗体の効果で道連れ効果を持たせつつ、相手に攻撃を留まらせるようプレイする。過度にメモリーを渡さなければ基本的にギリギリのコストで動いてくるため、ヴァンデモンACEのカウンターでリーサルまでの手数やコストを動かすと相手がプレイヤーアタックまで届かなくなる。ただし、警戒して動かれるととどめまでは行けずともアヌビモン、メルヴァモン、Lv.4デジモン×2の盤面はすべて処理でき得るので多少コストを渡してでも追加でもう1体、レベル5以下のデジモンを出しておけると危なげなく進めることができる。

vs.ブルムロード(7:3 本構築だと3:7基本有利)

展開を完全体までのデジモンで行い、かつ自身の場にレスト状態のデジモンが複数体いる時が真骨頂のため、基本的な動きでは非常に有利。ただし、ポームモンを出されるとそれだけでこちらのデッキの機能が完全に停止するため、いかに相手の置物を突破するか、または置物を出される前に展開してしまうかにかかってくる。本構築だと、基本的にはレディーデビモンの進化元効果以外に除去後に展開に繋ぎ得ないのでその点の相性は悪い。緑系のデッキと当たることを想定するのであればメイクラックモンやデクスモンがいると心強い。

vs.ルガモン(2:8 不利対面)

こちらのデジモンを消滅させることによって利を得てくる。ヘルガルモンの時点でアヌビモンが取られるので二重に展開できる手札を守っていなければ立て直しが難しく、攻撃される時にはメルヴァモンを除去しながら攻撃される為防御面が壊滅する。他対面よりも厚めに展開を広げるか、下準備を入念に行い1ターンで決め切るかを迫られる。複数回展開するだけの用意があるなら正面突破もあり。

7.マリガン

組み合わせをすべてあげると途方もない数になってしまうので、基本的なデッキコンセプトを念頭に置いた上で、よくあるパターンで分けてみようと思います。

デッキコンセプト
・アヌビモンにつなげ、維持する
・大量のドローによって手札の質を維持し、次手を常に用意しておく。

というのがデッキを動かす際念頭に置いている大きな点です。以下、特別に記載がなければLv.3は「オーガモン、イグニートモン、ラブラモン」Lv.4は「オーガモン、ドーベルモンX抗体」Lv.5は「ブルーメラモン、レディーデビモン」だと考えてください。

キープ
・Lv.3~Lv.5までのデジモンがそろっている。
・Lv3、Lv.5のデジモンとメモリーブーストorトレーニング2枚以上がそろっている。
・Lv.3、Lv4のデジモンとメモリーブーストorトレーニングがそろっている

マリガン
・Lv.3がいない
・Lv.3複数とオーガモンのみ
・Lv.3のデジモン1枚とLv.4、アヌビモン等の組み合わせ

例示の数は少ないですが、要するにパスや登場のみでターンを終えるようなことなく、進化時効果を使用し手札の増強を図ることができるか、という点が1番のポイントになります。アヌビモンやゴブリモン、オーガモンの組み合わせが手札に来るとキープしたくなる気持ちもありますが、それらだけでは次の手を引くのにあまりに分が悪いと言わざるを得ません。次のターンを見据えていきましょう。

8.破棄する手札の選び方

プレイングする際に最重要ともいえる部分です。状況によって変化していく手札ですが、大前提として選ぶべきは「次の究極体までの進化ルートをキープできるようにしておく」ことです。簡単に言えば、育成エリアを含めLv3~5のデジモンを最低1体以上残すようにするべきでしょう。メルヴァモンで出せるから、と考え無しにその対象となるLv.4のデジモンを中心に破棄すると進化事故を起こし、余計な手札消費を起こしたり、盤面を取られたときに立て直しが利かなくなります。なので、序盤の最重要は次につなげられるカードを残すこと、中盤以降はトラッシュもたまってくるのでオプションカードやメルヴァモンを中心に破棄していくことになると思います。
また、必ずしも手札を3枚破棄する必要はないので、状況によって手札を切る枚数をセーブする、といったことも考えられると思います。
繰り返しになりますが、最重要は次の手を確保しておくこと。それを無視できるのはとどめを刺しに行く際に他に切れるカードがない時だけ、ということですね。

9.終わりに

最後までご覧いただいた方、ありがとうございました。自分自身でこのデッキを使ってできるところまで戦い抜きたい、という気持ちはありましたが、ままならないものですね。「アヌビモンを使って」でも、「アヌビモンを倒して」でも、今回この記事をご覧いただいた方の参考に少しでもなれば幸いです。公式の大型大会は暫く縁がなさそうですが、自分自身でもいろいろな動き、構築を試してみたいと思います。何か新しいことがあれば追記するかもしれません。

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