日経インバース型(ベア型)ETFおすすめ銘柄。ダブルも紹介!
下落相場時に注目を集めるインバース型(ベア型)ETF
最近では、2024年8月2日(金)に日経平均株価が急落し終値2216円(5.8%)安の3万5909円を付けたかと思えば、週明け8月5日(月)には前週末比4,451円(12.40%)安の3万1458円をつけました。
これは歴代2位の下落率で、下落幅で言えば歴代1位の記録となってしまいました。
「日経インバースを買っておけば良かった...」
なんて声も聞こえてきましたが、下落時でも利益が狙えるインバース型(ベア型)は常に一定の人気がありますので、日経平均連動のインバース型ETFの比較や個人的おすすめ銘柄などを紹介しておこうと思います。
いつか来るかもしれない大暴落に備えて知っておくと優位な立ち回りが出来ますよ。
日経インバース型(ベア型)ETFとは
日経インバース型(ベア型)ETFの説明なので既に知っている方は読み飛ばしても大丈夫です。
では、説明していきます。
インバース型ETFとは対象とする指数(日経インバースの場合は日経平均が対象指数)の前日との変動率をマイナス○倍にした指数(日経平均インバース・日経平均ダブルインバース)に連動するように運用を行うETFの事です。
日経平均の-1倍となるように計算された指数が「日経平均インバース・インデックス」で、-2倍になるように計算された指数が「日経平均ダブルインバース・インデックス」です。
対象指数となる日経平均が下がれば、前日比マイナス○倍となるのでインバースETFは値上がりするという事です。
要するに、日経インバース型ETFは日経平均の下落局面で利益を狙う商品です。
インバース型ETFを利用すれば空売りしないで下げ相場で利益を狙えます。
ちなみに「インバース型」は「ベア型」とも呼ばれます。
ベア(Bear)とは熊の事で、熊が手?前足?をふり下ろす仕草から下落相場を表します。
インバース型(ベア型)は相場の下落局面で利益を狙う商品ですが、それと対をなすレバレッジ型(ブル型)というETFもあります。
気になる方は別記事でまとめていますのでこちらを御覧ください。
おすすめは?日経インバース型ETFの比較
おすすめ理由などにも関係してくるので、まずは日経インバース型ETFの基本情報を比較していきたいと思います。
日経インバース型ETFには、日経平均株価の前日比変動率(%)の-1倍となるように計算された「日経平均インバース・インデックス」と-2倍となるように計算された「日経平均ダブルインバース・インデックス」の2つの連動対象指数がありますので、どちらも紹介していきます。
✅日経インバース型ETF一覧
連動対象指数:日経平均インバース・インデックス
【1571】NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信
【1580】日経平均ベア上場投信
【1456】iFreeETF 日経平均インバース・インデックス
連動対象指数:日経平均ダブルインバース・インデックス
【1357】NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
【1360】日経平均ベア2倍上場投信
【1366】iFreeETF 日経平均ダブルインバース・インデックス
【1459】楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型
✅【1571】NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信の基本情報
【1571】NF日経インバは資産運用会社 野村アセットマネジメント提供の日経インバース型ETFです。
日経インバース型ETFの中で設定日が一番古く最も歴史のある商品です。
そうした背景や国内最大規模の顧客基盤を持つ野村ホールディングスのグループ会社で取り扱っているので知名度も高く、日経インバース型ETFと言えばこの銘柄を挙げる方も多くいます。
-1倍を目指す日経インバース型のETFの中では純資産総額が一番多く、流動性も高い商品です。
現在の市場価格が639円で売買単位が1口単位なので投資しやすい商品でもあります。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.88%です。
(※原指標の◦倍を目指す指標を対象としたETFはNISAの対象外となるので日経インバース型ETFは全て新NISAの対象外です。)
◦【1571】NF日経インバのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:0.94%
3年トータルリターン:-14.71%
5年トータルリターン:-17.28%
(08/14終値ベース)
✅【1580】日経平均ベア上場投信の基本情報
【1580】225インバースは独立系運用会社の中では国内トップクラスの運用資産額を誇るシンプレクス・アセット・マネジメントが提供の日経インバース型ETFです。
-1倍を目指す日経インバース型のETFの中では2番目に歴史が古く、純資産総額も2番目となっています。
注意が必要なポイントとして、現在の市場価格が1698円で売買単位が10口なので、最低購入価格が16,980円必要となります。
他のETFと比較して最低購入価格がやや高めです。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.825%です。
◦【1580】225インバースのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:1.36%
3年トータルリターン:-14.81%
5年トータルリターン:-17.42%
(08/14終値ベース)
✅【1456】iFreeETF 日経平均インバース・インデックスの基本情報
【1456】iF225ベアは大和証券グループの資産運用会社 大和アセットマネジメント提供の日経インバース型ETFです。
-1倍を目指す日経インバース型のETFの中で上場日が1番新しいという事もあり純資産総額が1番少ない銘柄です。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.825%です。
◦【1456】iF225ベアのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:0.59%
3年トータルリターン:-14.99%
5年トータルリターン:-17.54%
(08/14終値ベース)
ここから下は連動対象指数が「日経平均ダブルインバース・インデックス」の銘柄です。
野村アセットマネジメントもシンプレクス・アセット・マネジメントも大和アセットマネジメントも、インバース型・ダブルインバース型、両方で商品の提供を行っているので、以下ではどこどこが提供の説明は割愛します。
✅【1357】NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信の基本情報
【1357】NF日経ダブルインバは日経ダブルインバース型ETFの中で1番長い歴史を持つ銘柄です。
それゆえ、純資産総額でも他を圧倒して潤沢な資金を保有しています。流動性でも圧倒的です。
現時点での市場価格も148円と最も安いので投資しやすい点もGoodです。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.88%です。
◦【1357】NF日経ダブルインバのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:-1.32%
3年トータルリターン:-30.01%
5年トータルリターン:-34.49%
(08/14終値ベース)
✅【1360】日経平均ベア2倍上場投信の基本情報
【1360】ダブルインバース日経は、純資産や流動性も高い商品ですが売買単位が10口単位というのが注意ポイントです。
ただ、現時点での市場価格が362円で最低購入価格が3620円なので-1倍の【1580】に比べるとそこまで買いにくいという程ではないかなと思います。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.825%です。
◦【1360】ダブルインバース日経のパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:-0.84%
3年トータルリターン:-29.85%
5年トータルリターン:-34.15%
(08/14終値ベース)
✅【1366】iFreeETF 日経平均ダブルインバース・インデックスの基本情報
【1366】iF225Wベアは、日経ダブルインバース型ETFの中では1番純資産総額が少なく、流動性も低い商品です。
信託報酬が特別に安いなどもないので、現時点では正直あまりおすすめはしない銘柄です。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は0.825%です。
◦【1366】iF225Wベアのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:-4.31%
3年トータルリターン:-30.76%
5年トータルリターン:-34.89%
(08/14終値ベース)
✅【1459】楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型の基本情報
【1459】楽天225ダブルベアは楽天グループの資産運用会社 楽天投信投資顧問提供の日経インバース型ETFです。
他の提供会社はインバース型・ダブルインバース型、両方で銘柄の提供を行っていますが楽天投信はダブルインバース型のみとなっています。
上場して1番日が浅い銘柄ですが信託報酬が圧倒的に安い事から人気を集め、純資産総額はダブルインバース型で2番目に多くなっています。
純資産総額が増えると共に流動性も2番目に高い商品となっています。
新NISAの成長投資枠は対象外で信託報酬は日経インバース型ETFの中で1番安い0.385%です。
◦【1459】楽天225ダブルベアのパフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:-1.48%
3年トータルリターン:-29.83%
5年トータルリターン:-34.05%
(08/14終値ベース)
日経インバース型ETFの比較表
コード・銘柄名、連動指数、純資産総額、信託報酬のみを抜粋した簡易的な比較表です。
日経インバース型(ベア型)ETFのおすすめ銘柄
日経インバース型ETFをこれから購入しようと思っている方におすすめな銘柄は-1倍を目指す日経インバース型だと「【1571】NF日経インバ」、-2倍を目指す日経ダブルインバース型だと「【1459】楽天225ダブルベア」です。
(※あくまで個人的なおすすめ銘柄。買い推奨等では御座いません。)
✅おすすめ銘柄:【1571】NF日経インバ
日経平均株価の前日比変動率(%)の-1倍となるように計算された「日経平均インバース・インデックス」との連動を目指すETFの中だと【1571】NF日経インバが個人的にはおすすめです。
理由は他2銘柄を圧倒する純資産総額の潤沢さと流動性の高さです。
同じ指数を連動対象とするETFの場合、値動きに差は殆ど見られません。
その為、信託報酬が安い方がお得!という事になるのですが、信託報酬以外にもチェックしておきたいポイントが純資産総額と流動性です。
日経インバース型ETFは後述する”注意点”に詳細は書きますが、長期保有にはあまり向かない商品で、多くの場合短期取引で利益を狙います。
その為、信託報酬も大事ですが、短期取引がメインとなるので流動性の高さの重要性も高くなります。
日経平均インバース・インデックスを連動指数とする3銘柄を比較した場合、信託報酬の差はわずか0.055%です。
【1571】は他2銘柄よりも信託報酬が0.055%高いですが、それ以上に流動性が高い事に価値があると思いおすすめ銘柄としています。
ちなみに流動性が低いと、1000円で買いたいと思っていても売りたい人がおらず結局1010円で購入した。流動性が高いと1000円で購入出来ていたのに...
このように出来高が少ないせいで10円無駄になるような事を流動性リスクと呼び、流動性が低いと無駄なお金が発生するリスクが高くなります。
✅おすすめ銘柄:【1459】楽天225ダブルベア
日経平均株価の前日比変動率(%)の-2倍となるように計算された「日経平均ダブルインバース・インデックス」との連動を目指すETFの中だと【1459】楽天225ダブルベアが個人的にはおすすめです。
同じ指数を連動対象とするETFの場合、値動きに差は殆ど見られません。と説明しましたが、以下の比較図を御覧下さい。
これは「日経平均ダブルインバース・インデックス」を連動指数とする【1357】【1360】【1366】【1459】の過去5年間の値動きを比較した図です。
見てわかる通り、線が重なり合って1つの線のようになっていますね。
同じ指標と連動するように運用を行うので当然、値動きはほぼ同じような形となり、期待出来るリターンも差がほぼ出ません。
その為、同じ指数を連動対象とするETFの場合は信託報酬が安い方がお得なのです。
それで言うと、【1459】楽天225ダブルベアの信託報酬は0.385%で他と比べて圧倒的に安いです。
純資産総額や流動性も十分で、信託報酬が圧倒的に安いのでダブルインバース型の場合は【1459】楽天225ダブルベアがおすすめです。
インバース型ETFの注意点
インバース型ETFは前日の変動率に対して-1倍や-2倍になるように算出された指数に連動するように運用されるETFです。
あくまで前日の変動率に対しての倍率なので基準日と比較して常に◦倍になる訳ではありません。
2営業日以上保有した場合には複利効果によって基準日との変動率は変わってきます。
特に上昇・下落を繰り返す相場においては複利効果によりインバースの効果はだんだんと減っていきます。
(※-2倍に設定されたダブルインバース型で説明)
◦上昇局面でのインバース型の動き
前日との変動率は-2.0倍、-2.0倍と同じ倍率となっていますが、基準日との変動率だと-2.0倍、-1.8倍、-1.5倍と倍率が徐々に小さくなっている事が分かります。
インバース型は上昇局面だと複利効果により下落幅がだんだん減っていきます。
◦下落局面でのインバース型の動き
前日との変動率は-2.0倍、-2.0倍と同じ倍率となっていますが、基準日との変動率だと-2.0倍、-2.2倍、-2.6倍と倍率が徐々に大きくなっている事が分かります。
インバース型は下落局面だと複利効果により上昇幅が拡大していきます。
その為、インバース型は下落が連続して続くような相場局面で最大の力を発揮して多くの利益を狙う事が出来ます。
◦上昇/下降を繰り返す局面でのインバース型の動き
上昇・下降を繰り返す局面では、原指標(日経平均)は元の水準に戻っていますがインバース型は基準日の水準を下回っています。
これは複利効果によって原指標と比較してインバース型の効果がだんだんと減ってしまった為です。
長期保有の場合はこうした上昇や下落を繰り返し、複利効果によって原指標のパフォーマンスを下回る事もあるので長期保有に向いていないと言われています。
まとめ
最後に連動指数別でおすすめの銘柄をまとめておきます。
✅日経平均インバース・インデックスを連動指数とする日経インバース型ETFのおすすめ銘柄は『【1571】NF日経インバ』
・主な特徴
他2銘柄より信託報酬は高いが僅差
純資産総額が圧倒的No1
流動性も圧倒的No1
✅日経平均ダブルインバース・インデックスを連動指数とする日経インバース型ETFのおすすめ銘柄は『【1459】楽天225ダブルベア』
・主な特徴
信託報酬が圧倒的に安い
純資産総額も流動性も十分
以上となります。
もし今後、より信託報酬の安いETFなどが登場すればおすすめも変わってきますので、状況は変われば都度このページを更新しておきます。
では、またねー。
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