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倉庫のトイレのスリッパはそろってないといけない理由

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本業がEC関連含む倉庫のコンサルテーションをしている上で、日本最高の3PL倉庫と断言していい浜松委托倉庫の米津出荷センターがあります。ここは0ppm(100万個出しても誤出荷0)という業界からみたら気が狂っているレベルの倉庫です。

しかもすごいのが見学を受け入れていて、いろいろノウハウについて聞くことができます。しかし、それを自前で実践できることはほとんどありません。どこかすごいかについて語り出すと一晩以上語れる自信があるぐらいこのセンターはほんとすごいです。

その中で一番すごいのが「トイレのスリッパがそろってないと、いかなる状況であれ、全員スタッフを呼び出して改善策について話し合う」というのがあります。ちなみにこれがこの写真です。

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この話を聞いてかれこれ8年近く経ちます。でも「なぜそろってないといけないか」については自分なりの回答がずっと出せないでいました。すごいことはわかるんだけど、どういう目的のために「そこまでするのか」ということについて腑に落ちていませんでした。

ところがある日突然このことにベッドの中で気がつきました。それは問いの立て方が間違っていたと言うことです。それは「倉庫のトイレのスリッパがそろっている」こと自体が目的ではなかったということです。「倉庫のトイレのスリッパを揃えるという仕組みを継続的にカイゼンをして運用する」という目的だったのです。(ちなみに、スリッパの前後にテープがはってあります。)

つまりこういうことだと思います。倉庫で出荷精度を0ppmにもっていくのはものすごく大変である。そのためには「仕組みを運用しつつ、継続的にカイゼンをし続ける」ことが大切である。だから、「トイレのスリッパを揃えるという仕組み」ということが運用できなければ、「荷物を出すための仕組み」なんて運用できるはずがない、ということだと思います。そして「その仕組みをカイゼンしつづける」という体制こそ、トヨタウェイでいう「優しい官僚制度」なのだとおもっています。

いやほんとすごい。世の中にはトイレのスリッパすら揃える仕組みすらできない倉庫がほとんど、ということは……推して測るべきですよね?

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