幼少期の性欲1:性の目覚め、おしり (6~8歳)
性の目覚めについては、はっきりとした記憶がある。6歳の時だった。
幼稚園の年長だった当時、園の運動会の出し物の一環としてレオタードを着せられたのが始まりだった。マスゲームというのだろうか? 様々な動物が登場する台詞のない劇のようなショーで、僕に与えられたのは亀の役だった。
身体にぴっちりと張り付く淡い緑色のレオタード。下半身の露出の多さはブリーフと何ら変わらないし、まるで女の子の水着みたいで、幼いながらも恥ずかしさを覚えずにはいられなかった。
そんな姿で、僕は他の園児たちと共に衆目を浴びながら、亀らしくゆっくりと、赤ちゃんのハイハイのように地べたを這い回った。
その様子を撮影したビデオテープを、自宅のテレビで見返した時のことだった。
四つん這いになった自らの尻に、目が釘付けになった。なぜか股間がゾワゾワと疼いて落ち着かず、そして画面に映った自らの尻肉を思いっきりつまみたいという不思議な衝動に駆られた。理由はわからないものの、その欲望は後ろめたくて、秘密にしなければいけないという気がした。
対象が自分だったのは恐らくたまたまなのだろう。当時は男児にしては髪が長めで華奢だったせいか、女児と間違えられることも少なくなかった。本来は異性に向かうべき性欲が歪んだ形で芽生えてしまったのは、そのせいもあったのかもしれない。
自分自身を性の対象にするという経験はあくまで例外的なものだったが、お尻という部位に対する特別な関心は当時から今に至るまで一貫している。
おっぱいにも興味がないわけではないものの、それより遥かに、どことなく滑稽な形をした臀部の膨らみに惑わされるのだった。ヒト以外の猿のメスは尻を腫れさせて発情期を知らせるそうだから、フェチズムの一種というよりもDNAに刻まれた本能のように思う。
まだ明確な性欲こそなかったものの、お尻に惹かれる自覚を持ったのは小学2年生の頃。
きっかけは妹が見ていたセーラームーンのアニメの変身シーンだった。
セーラー戦士が変身する十数秒ほどのシーンで、一瞬だけ服が完全にはだけて全裸になる瞬間がある。あくまで美麗なシルエットで表現された裸体で、肌色ではないのだが、それでもお尻の割れ目がしっかり描かれていることに気がついて無性にドキドキした。
子供ながらに見てはいけないものを見ているという背徳感を抱きつつ、家族の目を盗んでこっそりと録画を再生し、中でも1番好きだったセーラーマーキュリーの裸をコマ送りで凝視した。
可愛らしい顔、理知的なイメージと、情けなく卑猥な形のお尻のギャップにたまらなく興奮した。えっちだった。
欲望の正体も発散方法も知らなかった僕は、ただテレビの前で悶々とするばかりだった。
こんなことに夢中になっている僕はおかしいのかもしれない。そんな不安がよぎった。