マインドフル手帳術ワークショップ実施レポート
2015年4月29日、午前。
共感的コミュニケーションにおける「自己共感」の練習をするために、私はかねがね、勉強会に参加した方々に「手帳を使うといいですよ。書くのが一番の練習になりますよ」といってきた。
なかでも「TODOリスト」を使う方法がとても簡便で評判がよかったのだが、それをさらに発展させた形での、私が実際におこなっている手帳術をみなさんに伝授する機会を作ろうと思って、このワークショップを実施した。
告知したところ、反応がよくて、10人の定員がすぐにいっぱいになってしまった。
反応がいいというのは、ニーズがある、つまり手帳の使い方に悩んでいる人がたくさんいる、ということだろうと思う。
私は中学生のころから手帳を愛用していて、その使い方もさんざん悩んだり工夫してきた経験があるのが自慢だ。
かれこれ40年になる手帳歴だ。
使いつぶした手帳は数えきれない。
みなさんの手帳の使い方にいくらかでも寄与できるのではないかと思った。
世田谷の古民家〈羽根木の家〉で午前10時スタート。
当日にキャンセルが出て、参加者は8名だったが、内ひとりをのぞいて全員女性。
手帳というとなんとなくビジネスマン、というイメージがあるが、私のまわりでは多くの女性が手帳を愛用しているのを知っている。
驚くにはあたらない。
参加者は唯一の男性ビジネスマンのほかには、ビジネスウーマン、主婦、修行者、セミナー講師と、5歳の女の子がひとり。
もっとも、5歳児はお母さんといっしょに来ただけで、ワークショップに参加したわけではない(しかしいてくれたおかげでマインドフルネスについてたくさんの気づきを与えてくれた)。
ワークはいくつかのパートに分かれていて、まず最初のパートはNVCでいうところのフィーリングとして「気がかりなこと」をあつかう。
マインドフルになろうとしても、その集中をさまたげたり、自分のパフォーマンスを低下させる原因になっている、さまざまな日常生活の「気がかり」を、いろいろなレベルで採取してもらう。
これは人によって100以上出る人もいれば、10数個にとどまる人もいるが、いずれにしても人はさまざまな気がかりなこと、やらなければならないと思っていること、義務的に自分に強制していること、やりたいこと、展望、未解決なことをたくさん抱えている。
ふたつめのパートでは、NVCでいうところのニーズを、その「気がかり」として書きだした項目リストすべてについてあてはめる作業。
そしてニーズごとにリストを分類しなおし、分類ごとにプロジェクト化し、ネーミングする作業。
あとはプロジェクトごとに各項目について「いつ、どこで、どうするか」を書きだし、手帳のスケジュール欄に転写していく。
毎日、スケジュールを見るたびに、そこにはその日のいつ、なにをするのか、そしてそれは自分のどんなニーズにつながっているのかが一目でわかる、という仕組みで、日々の行動の質を向上させるのが目的の手帳術である。
終わってから感想をいただいたが、とても好評だったので、また6月の終わりくらいにやろうかなと思っている。
また、今回参加してくれた人を対象に、フォローの会をやってもいいかもしれない。
とにかく、私自身もとても楽しく、いきいきとやらせてもらうことができた。
参加してくれたみなさんに感謝する。