講義終わりが名残惜しかった共感文章講座

オンライン参加のみで7月2日と5日の2日間にわたっておこなった共感文章講座、なかなか楽しくやらせていただいた。
オンラインならではの、上海やシドニー、その他大阪や岐阜や静岡からご参加いただいたのも楽しかった。

2日間のワーク内容は大きくふたつにわかれている。
結局はおなじことをちがう側面から練習するだけのことなのだが、扱う現象としては違うものに見える。

前半はコミュニケーションとしてのテキストの扱い方。
メールやSNSなどで大量に読んだりやりとりしたりするテキストは、現代ネット社会のコミュニケーションの一部となっている。
一部どころか、大半を占めている人もいるだろう。
そんな場面で共感的コミュニケーション(NVC)の考え方や手法をどのように用いることができるのか。
あるいはその手法は通用するのか。
通用するとしたらどんなふうにやればいいのか。
通用しない面があるとしたらどんなところなのか。

そういったことを検証したり、具体的な事例を取りあげたり、質問に応じたりしながら、初日は終わった。
そしてちょっとした短文を書く宿題を持ちかえってもらって、二日めにつづく。

後半は宿題をお互いに読み合いながら、人の書いた文章を共感的に受け取る練習、そして自分自身につながり(共感し)、そこを出発点として人に伝えるための、オリジナルな文章を書くための練習。
どんな文章にも——それが人が書いたものである以上——、たとえどれほど無味乾燥に見えたとしても、そこには感情とニーズがある。
文章を書くという行為を含めて、人がおこなうことにはすべて感情とニーズがある、というのがマーシャル・ローゼンバーグの心理学なのだ。
この心理学にはNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)という名前がついている。

自分がなにかを書こうとするときにも、そこにはニーズがあり、感情が生まれている。
そのことを把握し、自分を理解しつながりながら書くのと、ただなんとなく書くのとでは、大きな違いがある。

そしてテキスト表現、テキストコミュニケーションとしては、それをただストレートに伝えればいいというものでもない。
人がテキストで自分を伝えたいとき、相手にとって受け取りやすい形にする配慮が必要になる。
この点が一般的な文章講座との最大の違いかもしれない。

みなさん、とても集中して参加してくれて、最後には深いつながりを感じることができたのが私にはありがたかった。
これで終わりです、回線を閉じます、と告げたときのなんとも名残惜しく寂しい気持ちは、これまであまり感じたことのないものだった。
みなさんにはまたなんらかの形でお会いできるといいなあ。

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