音読こくご塾という豊かな場と時間
毎年恒例になっているのだが、夏休みに子どもたちといっしょに「夏休みの宿題の作文を書いてしまおう」という名目で開催する「音読こくご塾」を、今年も開催した。
今年は会場として、池尻大橋の〈アカシデカフェ〉を提供していただいた。
おいしい昼食とケーキ&ティータイム付きの豪華版だ。
こちらからは私と音読療法士の野々宮卯妙と、音読トレーナー(インターン)のみっちーこと山縣理人が参加。
みっちーは年が若いせいもあるが、優しいおにいさんなので、さっそく子どもたちのいいターゲットになって、いじられまくる。
こういうのを見ると、世間的には「子どもにつけあがらせるな」とか「いうべきところはビシッと」などと、とかく子どもをコントロールしにかかることが多いが、私たちはそんなことはしない。
まずこの場が完全に共感的であり、ことばをふくむ暴力はもちろんのこと、命令も要求もない、やりたくないことを強要されることは一切なくて安心できる、ということが保証されている。
みっちーも子どもに粗暴な扱いを受け、大変だろうと思うし、「困る」「腹が立つ」「悲しい」という気持ちは素直に表現するわけだが、子どもたちもそれを知らないわけではない。
ちゃんと見ていて、しだいにふるまいが変わってくる。
最後はカードを使ったニーズの推測では、みっちーのニーズをちゃんと「大切にされること」「安全であること」などと見てくれていることがわかったし、実際に粗暴なふるまいはずいぶん変化する。
それはそれとして、いつも子どもたちはマインドフルでいきいきとしていて、正直で、そしてまたクリエイティブでもある。
気が向けばさっと表現するし、絵も書くし、作文だってどんどん書く。
いままで詩なんか書いたことないという小二が、後半では思いついた詩を七つも八つも立てつづけに書きあげたのにはびっくりした。
そしてそれがどれもいきいきとしたことばに満ちていて、読むこちらも幸せな気持ちになるのだった。
午前9時半から午後4時半までたっぷりと、のんびりしたりはしゃいだり、集中したりだらけたり、さんざん遊んだのだが、最後に大人向けの共感トランプを使って自分の感情とニーズを選んでもらったところ、「満ち足りた」とか「うれしい」という気持ちや、「平和」「コミュニケーション」「ふれあい」「幸福」といったニーズがたくさん出てきて、びっくりするやらうれしいやらだった。
大人側の感情はといえば「さびしい」。
なんだか別れるのが名残惜しくて、最後はさびしい気持ちになってしまったのだった。
また会えるといいな。
また遊んでねー!