詩 / ひとりぼっちに
樹々たちは手をつながない
それは
大地の下で すべてとつながっているから
魚たちは抱き合わない
それは
自分は海とひとつだと 知っているから
星たちは語り合わない
それは
自分を生きることが すべてを生きることだから
つなぐ手がないことを
どうして嘆くことがあるだろう
あなたは
もっとたしかなもので
すべてと むすばれている
有無を言わさず
むすばれちゃっている
嘆くとすれば
どうしたって一人ぼっちになんかなれないことを
嘆くんだな
***
たまに、どうしようもない孤独感に襲われることがある。そんなことは決してないのに、自分は誰からも好かれていなくて、必要とされていなくて、吹けば飛んじゃうような、あるいは広い部屋の隅っこに溜まった埃みたいな存在なんだって、なぜかそんな風に思えて仕方のない時がある。そんな、絶望的なまでの孤独感にさいなまれた、あの時の自分の救いになるような言葉を書いてみよう。と思って、久しぶりに詩を書いた。
そんな孤独感にさいなまれた時、私は誰かにすがりたくなる。電話で、LINEで、Messengerで、誰かに連絡を取りたくなる。でも、そうやって表面的な、仮初めのつながりを求めても、きっと本質的には何も満たされない。むしろ、虚しさが増していくばかりだ。
芯から満たされるには、深い深いところにある、ほんとうのつながりに気づくこと。きっとそれしかないし、それだけでいい。そのつながりは、最初から最後まで、私とともにある。それにただ、気づくだけでいい。
だからきっと、深い孤独に飲まれそうになったら、悪足掻きするのをやめて、いっそ溺れてみるのがいい。光の一切届かない底の底まで、静かに沈んでいくのがいい。ゆるぎなく、たった一人になってみるのがいい。そうすると、深い深い闇のなかで、私たちはきっと星をみる。そしてまた、自分自身も星のひとつだと知る。
この世に存在しちゃってる時点で、すべてと無関係でなんていられないんだよ。一人ぼっちになんて、願ったってなれるもんか。そんなことを、人間以外の生き物たちは生まれたときから知ってるんだから、ほんとうにすごい。