【日本×フィリピンのハーフMomoさん①】いっそハーフに見えたらよかったのに。。
日本×フィリピンのハーフであるMomoさんのライフストーリーのお話をこれから①②に分け、配信していきます♪(②の記事はこちらです。)
ライフストーリーは、わたし書き手YumiがMomoさんにインタビューさせてもらった内容を対話形式の記事にしています。
この記事を書こうとおもった理由や書き手Yumiについてまず、知りたい方は併せてこちらの記事も読んでみてください。
本編に入る前に、この場をお借りし、Momoさんに感謝をお伝えしたいです。
Momoさん!ハーフという背景を自ら話すことができない程、辛い経験をしたにも関わらず、今は、全てを前向きな”自分らしさ”にかえ、発信しようとしている姿にとても感動したし、刺激をうけたよ!きっとMomoさんのフィリピン人のお母様がMomoさんをとても愛していたから、辛い経験も超えられたポジティブMomoさんが今、いるんだろうな。。とはいえ、Momoさんのような辛い経験をする人は減ったらいいよね。その為のヒントに溢れたMomoさんのライフストーリーを語ってくれて本当にありがとう。
【Momoさん幼少期~中学生】いっそハーフに見えたらよかったのに。。
Yumi:自己紹介からお願いします!
Momo:Momoです。生まれも育ちも日本の28歳。母がスペイン系フィリピン人、父が日本人のハーフです。
Yumi:自分のことをハーフって小さい頃から認識していたの?
Momo:いや、小さい頃は、自分にフィリピンの血が入っていることをあまり意識せずに生きてきたんですよね。
でも、中学生の頃にハーフということを意識するようになりました。自分って日本人っていうカテゴリーじゃない。国籍は日本人だけど、周りとちがうよねっていうのを”周りからの指摘”で気がついたんですよ。
たとえば、家の電話を母がでます、友だちが「あれ?Momoのお母さんって日本人じゃないの?」みたいな。そういう経験が積み重なって、自分ってみんなと違うんだっていうのに気づいていきました。
Yumi:周りからの指摘で、”ハーフの自分=まわりと違う”と意識するようになったんですね。
Momo:中学生になってからは、だんだんと”みんなと違うこと=良くないこと、はずかしいこと”なんじゃないか?と思うようになってきました。そう思うようになってからは、自分がハーフということを、自分からは言わないようになったんです。
Yumi:中学生以前も、自分がハーフであることを自己開示していなかったんですか?
Momo:いいえ、小学生の頃は、むしろ自分で自分のことをハーフって言っていたんですよね。
小学生の時、わたしが「わたしの母は外国人です」と言うと、担任の先生は、異文化を勉強しよう!と言って、母が小学校で、フィリピンについて授業する機会を設けてくれたこともありました。母がフィリピンで流行のお菓子を紹介したり、タガログ語(フィリピンの言語)をおしえたりしました。それからは、朝の会で、1日一つタガログ語を覚えようみたいなこともあったんですよね。
受け入れてくれているのをすごく実感していたので、小学生当時は、自分がハーフであることを誇らしく感じていたんですよ。
Yumi:小学生の頃は、自分をハーフであると言い、ハーフであることを誇らしく思っていたのに、中学生になってからは、自分でハーフだと言わなくなったんですね?全然違う。
Momo:中学生の頃からは、みんなと一緒であるほうが安全なんじゃないか?と思うようになって、自分から自分のことをハーフと言わないようになりました。みんなと同化しないと生きていけないとおもったんです。
わたしって見た目からは、ハーフとはわかりにくい。自分で言わなくとも見た目でハーフと分かる人がうらやましかったです。
私の場合、周りにハーフの自分を認知してほしかったら、自分で「わたし、ハーフなんです。」と自己開示しないといけない。でもそうするのは嫌でした。
Yumi:なるほど。矛盾してるようで理解できますよ。
きっと、ハーフである自分を開示することで皆と同化できず、嫌なことがあるかもしれないのなら、皆と同じフリをしたほうが安全。でも、ハーフである自分を開示できていない状態は、どこか本当の自分を見せられてはないから苦しい。だから、いっそ見た目でハーフと分かればよかったのに、と思ったんですね。
Momoさんは、どうしてそんなにハーフである自分を開示できなくなったんだろう?皆と違うこと=よくないこと、という認識になっていったんだろう?
どんな経験がMomoさんをそうさせたのですか?
Momo:実は、中学生の頃に、トラウマになった出来事があるんです。。。
【Momoさんのトラウマ】むしろ母に謝って欲しかったんです。
Momo:中学生当時、ガキ大将みたいな男子(以下、A君。)が、「Momoちゃん好き好き」とアピールしてくれてたことがあったんです。
ある時、A君に対して、ある同級生が「Momoちゃんのお母さんは外国人なんだよ」と話したみたいなんです。それから、A君の態度が、「Momoちゃん好き好き」から、イジってくる感じの態度にかわったんです。
たとえば、フィリピンの名産物であるバナナを黒板に書いてみたりとか、わたしが全然好意のない男子に対し、A君が「Momoにバナナあげなよ」と言ってみたりとか。
そういうイジりをわたしは、自分の母親がバカにされている、自分のルーツをバカにされているんだって受け取ったんですよね。最終的に、わたしはそれらのイジりで、泣いちゃったんです。
その状況に先生は、A君に対し、「Momoさんに謝りなさい。とにかくフィリピンとかバナナとか言うな。」としかいわなかったんですよ。先生もそれ以上どう対応すればいいか分からなかったんでしょう。でも、そこじゃないんだよな。。。とおもいました。
A君も、わたしが、泣いているその訳をキチンと理解はしていないけど、わたしは泣いているし、先生に言われているからとりあえず謝る、そういう状況だったとおもいます。
わたしは、そういうイジりは、わたしのルーツであるフィリピン人の母をバカにするような態度だと理解して欲しかったんですよね。だから、わたしにというより、母に謝って欲しかった。。。
当時のわたしも泣いているだけで、何が嫌で泣いているのか、ちゃんと言語化できなかったんですよね。
Yumi:A君はともかく、その中学校の先生もMomoさんの気持ちの本質が分からなかったんですね。悪いけど、Momoさんの小学校時の「異文化を勉強しよう!」と言った先生と比べちゃいますね。。。
Momoさんは当時中学生で、その状況下、自分の気持ちを言語化するのはなかなか難しいことだったんじゃないかな?
中学の先生が、Momoさんの気持ちやA君の態度をもっと丁寧にフォローできる方だったらなあ。。。MomoさんとA君の間でそれぞれの考えを知る対話が生まれて、むしろ、お互いをリスペクトできる良い機会になったかもしれないのに。。。残念ですね。
Momo:その出来事があってから、周りが、わたしを腫れ物を扱うみたいな態度をとるようになったのを感じたんですね。
ああ、自分のルーツを知られるのってこんなにも嫌な思いをしなきゃいけないことなんだって思うようになりました。。。
そうなってから、自分のルーツについて一切、自分から話さないようになりました。
Yumi:わたしは母が韓国人ですが、Momoさんのように母のルーツである国を周りにイジられる経験は幸い、ありませんでした。
でも、わたしもルーツを面白おかしくイジられたり、尊重されなかったりしたら、きっとすごく嫌だと思います。
わたし=母、わたし=韓国、ということではないけれど、自分のルーツに関わる背景って、自分を構成する要素の中でも、とても大きいもののように思います。
自分のルーツに関わる部分を否定的に扱われることは、自分自身を全否定されていることと同等なんじゃないかな。。。逆にルーツにまつわる部分を褒められたら嬉しいと思う。母のことを周りが認めて、リスペクトもって接してくれていたら嬉しいですもん。
そういう感覚ってハーフ当事者じゃなくても、わかるんじゃないかな?そこの本質が見えていれば、Momoさんを腫れ物、何か特別などと考えて、対応できないということはなかったんじゃないかなとおもいます。
わたしたちは、今、「日本×フィリピンのハーフ」、「日本×韓国のハーフ」ということを名乗りあって対話していますが、正直、明確な●●人とか●●人種とかは無いのが真実だとおもいます。
正直、ルーツはわたしも誰もが雑種です。人は何かにつけてマウントをとりたがるものだから、●●人とか●●人種とかいってカテゴライズしたいだけだとおもいます。
そう考えれば、どんなルーツも否定されること自体が成り立たない、ナンセンスなことなんじゃないかと個人的には思いますね。
【次回予告】自分の人生を生きたくて、、
【日本×フィリピンのハーフMomoさん①】いっそハーフに見えたらよかったのに。。
はここまでです♪
続編(完結編)はこちらです↓
【日本×フィリピンのハーフMomoさん②】自分の人生を生きたくて、、
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