目の難病【ビジュアルスノウ症候群】体験談~日常生活がまともに送れるようになるまで~
初めまして。マンガ家の見原由真(みはらゆうま)と申します。この度は本記事にアクセスいただきありがとうございます。
私は2016年にビジュアルスノウ症候群(別名:視界砂嵐症候群)を発症しました。昔のテレビの砂嵐のようなチカチカした光の粒が視界に広がる症状です。私の場合、光にも敏感になりサングラスをかけて生活をしていました。
現在も完治はしていませんが、日常生活をする上ではそれほど気にならなくなりました。
この経験を漫画にしてX(旧Twitter)に投稿したところ、ありがたいことに漫画を読んでくださった同じビジュアルスノウ症候群の方から質問を頂くようになりました。
(↓投稿した漫画はこちら)
漫画に描ききれなかったことも沢山あったので、これまで頂いた質問にお答えする形で私の体験を記事にしようと思いました。
※あくまで個人の体験談のため、これをすれば必ず良くなるということを保証したものではありません。記事の内容を実践される際には、ご自身の体調と、担当のお医者様とよく相談した上で、自己責任で行って頂きますようお願いします。
Q1.「ビジュアルスノウで眼科や精神科などに通院されたりしましたか?以前より回復されたということですがどのようにされたのでしょうか?」
私は発症した時から現在まで神経眼科に通っています。ただこれは、治療のためにというよりは、他の目の病気がないか定期的にチェックしたり、ドライアイと疲れ目の目薬を処方してもらうためだったり、神経眼科の先生にビジュアルスノウについて現状を報告して情報交換をしにいっているような感じです。
自分自身でやってみたこととしては、私の場合血行を良くすると調子が良くなることが多かったので、適度に運動したり、整体で首や体のズレを直したり、栄養のあるものを食べてお風呂にしっかり入り、規則正しい生活をする、などを発症した時からずっとやってきました。
あとビジュアルスノウの状態は日によって良くなったり悪くなったりするので、何をしたら調子が良かったか・悪かったかなどを毎日日記にして自分の状態を把握するようにしていました。
Q2.「闘病中の日記には具体的にどんなことを書いていましたか?」
毎日同じ壁を見て、その壁の質感がはっきり見える距離をメジャーで測って記録していました。
そしてその日に何をしたかも一緒に記していました。例えば『外を○○分歩いた』、『サングラスや帽子をつけて外に出たか否か』、『○分だけサングラスを外して生活してみたらどうだったか』など。
あとはその日の天気、食べた食事のメニュー、その日どれくらいの時間テレビや本を見れたか、起床と就寝時間、などです。
これを続けていて良かったことは『何をした時に自分の目の調子が良かったか、または悪かったか』がわかってくることです。
あと「○日前よりも見える距離が△㎝伸びた」・「サングラスを外して□時間 外を歩けるようになった」など良い変化を言葉にして書き込むことでかなり前向きになれました。
Q3.「眼科に行っても『砂嵐?』とわかってもらえませんでした。」
ビジュアルスノウについては、ここ数年でようやくテレビにとりあげられたりと、昔に比べたら少しずつ世間に広まってきたもののまだ知らないところが多いかもしれません。
私も2016年当時はどこへ受診しても症状を理解してもらえなかったので、ネットでビジュアルスノウを調べて、今の神経眼科の先生に自作した資料を見てもらい、そこでやっと初めて理解してもらえました。
Q4.「ビジュアルスノウ症候群を発症してから毎日そのことで落ち込んでしまいます。気持ちの面、精神的にパニックや鬱っぽくなったりなどはありましたか?」
発症したばかりのころは私も「一生この視界で生きていくのか…?」と絶望して食事も喉を通らず精神的に追い詰められてずっと鬱のような状態でした。徒歩5分の場所へも自力で歩いていけないほど心も体も弱り果てていました。
電話でカウンセラーの先生に相談して、その先生は過去に耳が聞こえなくなった経験があり、治療に専念して今こうして仕事ができている、という話を聞いて当時の私にはそれが希望の光のように思えました。
『ビジュアルスノウは治療法が確立していないだけで、治らないと決定したわけじゃない。じゃあ治してやろう』と切り替えることができました。
最後に
現在私は長時間机に向かっての作業はまだできませんが、漫画も少しずつ描けるようになってきました。2016年から良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつノイズが薄くなってきた、そんな感じです。ただ目がまだ通常よりもかなり疲れやすいため、目に痛みが出やすかったり、疲れ目が続くと視界のノイズが少し濃くなったりします。そうした時はしっかり目を休ませ、血の巡りがよくなるよう運動したり規則正しい生活をするよう心がけて症状と付き合っています。
ここまで私の体験を書いてきましたが、同じ症状で苦しんでいる方の何か参考になれたら幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。