
僕のアレルギーを救った合成香料
唐突だが、諸君は合成香料に対してどんな印象があるだろうか。
安っぽい香りがする?
体に良くないのではないか…?
と思う方も居らっしゃるだろう。
僕とアロマセラピーなどの延長上から調香師に転身したので、かなり抵抗があった。
なんなら始めた当初は使いたくもなかった、
でも…
これ、実は物によるんだな…
なんてったって天然なんかよりも高いものがある。何故かと言うと化学的に全く同じものの組成にするから、天然と成分が変わらなかったりするからだ。
そしてここからまず、何故合成香料が主流になったかを説明して行こうと思う。
理由①
希少な原料の植物の伐採や、動物の過剰乱獲による環境問題と、戦争の問題。
そう、意外にも内戦等の原因は香料だったりする。高値で売れるからだ。
理由②
精油では出会えない組み合わせが作れる。
まず相性の悪い香りの香料があります。
モス系とグルマン(スイーツ系やイチゴ、フルーツ)
などと絶対に混ぜたら臭くなるものがありますが、
それが分離した物質によっては変わることがあります。
科学香料と言われているからといえど、必ずしも石油由来な訳ではなく、ベチバーからベチベル精油などが分離されたり、
サイプレス(イトスギ)に関しては、ちょっと結合させたりしてサンダルウッドの代替品からキンモクセイ、ヴァイオレットやアイリス(イオノン類)、リナロール、ゼラニウム(ゲラニオール)などまでのファミリーを延長線上で構成できます。
基本的に隣り合ったジャンルや、ベン図の中で噛み合っていたり、ルーツが近いと掛け合わせることができるので、化学を用いた調香は無限なのです。

理由③
自然香料が使えないアレルギーの人でも、同じ香りで、違う組成なら使えるから。(動物にも使えるなど)
アロマには薬効があるだろう。
あれは、ある種の毒でもある。
過剰に使った時に起こる体の拒絶反応から、合成香料は守ることが出来る。
先人の体を張った実験に感謝だ。
これはちなみに身をもって体験した話なのだが、
僕は17歳の時にりんごアレルギーを発症して、アナフィラキシーショックが起きてしまうようになった。しかしりんごの香りが好きなのに天然のりんごは使えない。
でも合成のりんごの香料が僕を救ってくれた。
まさに奇跡と言える。
僕の大好きなりんごの香りで作った香水です↓