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コラム:「聞く」のその先へ…~言霊~

 この話になると、途端に信用しない人が増えてくるのが辛い昨今ですが…
 生まれながらにして、どうやらよく聞こえる「耳」のようで、良くも悪くも地獄耳の私のようです。
 そのうえ、心に残ったことは良くも悪くも、長い期間の間覚えていられるというパッシブスキル付き。

 よく驚かれるのですが……
「それ言ったの、もう五年以上前だよ? よく覚えてるね。」
 ということが多々…
 印象に残れば、ほぼ忘れることが無いようで、記憶の鍵を握っているようです。その事柄にアクセスするアーカイブを開くための鍵らしく、それに関する情報が芋ずる式に呼び起こされてしまいます。
 それは単に「言葉」だけではなく、その風景や香りといった見聞きして感じたものであれば、なんでもアクセスができるようで不意に湯水のように知識があふれてきます。

 さらに付随すると、どうやら私の記憶方法が「画像」記憶のそのうえであろう「映像」で記憶することができるらしく。
 毎週のように、ピクシブに小説を発表できている背景には、これがあります。脳内でアニメを作っちゃうんです。その中でキャラが話し出す内容をアウトプットしてる形になります。

 その中で、重要となってくるのが「声」なのです。

 私にとって、単純に「声」と一括りにするには、あまりにも情報量が多くて困惑してしまいます。例えば……文字として…

「好き」

 というこの言葉。
 単純なこの二文字ですが、これに声の情報が加わると…それがこのように変化をしていきます…

「心の底から大好き」の好き
「そこまででもないけど…友達として」の好き
「無理やり、その場の都合で」の好き

 それはもう、千差万別です。
 空蝉に変わる人の感情の分だけ「好き」という言葉の種類があります。突き詰めていけば、無限にも思える数に溢れかえってしまいます。
 そして、その感情が声となり、言葉に乗り相手の心を揺さぶる「言霊」へと進化を果たします。

 少し前のコラムでピックアップしたように、電話応対の苦手な人は良くも悪くも「文字」に慣れてしまっているため、声の抑揚から伝わる相手の感情を感じ取りにくいか、もしくは感じ取り過ぎていると思っています。
 生まれながらに持っているはずの能力が、意図的かそうでないかにしろ、OFFになっている可能性すらあります。言葉や声の影にある思いを、自分が影響を受けてしまうことを、条件反射的に警戒しているのかもしれませんね。

 特に、日本語は言霊の能力が強くなりがちなのかもしれませんね。

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結城里音
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