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童貞だけどエイズ検査を受けに行った

自己紹介

始まり

2017年の12月頃、僕は女性とも男性とも付き合ったことがなく、手すら繋いだことがない童貞なのにも関わらず、性病の検査を受けに行った。

今回の記事では僕の病気と性病の検査について書いていこうと思う。

強迫性障害

強迫性障害(きょうはくせいしょうがい)という病気を知っているだろうか。精神障害の一つであり、僕が長年患っている病気だ。

強迫性障害とは心配する気持ちや気にする気持ちが強くなりすぎて、日常生活に支障をきたしてしまう病気のこと。

家の鍵を閉め忘れていないか何度も確認したり、机に置かれている物の位置に異常な程なこだわりがあったり、極度の潔癖であったりと、そういった気持が強いのが強迫性障害の典型。

僕は7歳の頃から強迫性障害を患っており、小さい頃は潔癖症で悩まされたし、今では潔癖症は治ったけど、根本の気にしすぎてしまう部分は変わっていない。頭痛がすると脳腫瘍かもしれない、腹痛がすると大腸がんを疑い、めまいがすると脳梗塞の可能性を感じる。とにかく病気になるのが怖いのだ。

僕は21歳の時、HIVという感染症を知った。基本的に性行為によって感染する病気であり、HIVの感染者と同居をしていたとしても、感染ることはまずない。意外にもHIVの感染者とキスをしても、HIVに感染する可能性は極めて低い。HIVは主に性器から出る粘膜や、血を介して感染る病気であり、唾液を通しての感染は、唾液を一気にバケツいっぱい程度飲まないと、感染するのは難しいと言われている。

ちなみに、HIVに感染すると人間の免疫力は低下していき、免疫力が極度まで下がると普通の人がかからないような病気にかかってしまう。その病気にかかってしまった状態がエイズ。つまりHIVの進化形態がエイズと考えてもらえれば分かりやすいと思う。

エイズの状態までいってしまうと、生存するのは難しいと言われており、しかしエイズまでいっていないHIVの状態ならば、薬を投薬し続ければ何の支障もなく生活していくことが出来る。

2017年の11月、HIVとエイズという病気を知った僕は、強迫性障害の気持ちが出始める。唾液から感染することは極めて可能性が低いそうだが、0ではない。同じ皿に盛られた料理を複数人で食べたことはあるし、数回だけれど飲み物の回し飲みもしたことがある。もしあの時に奇跡的な確率を引いてしまいHIVに感染していたらどうしよう。まだエイズになっていないだけど、もう僕はHIVになっているかもしれない。

一度疑い始めた気持ちは日に日に強くなっていき、僕の精神は崩壊した。

もうこれは病院にいって検査して、安心する他ない。性病の検査の方法なんて知らないし、もしかしたら医者の前で股間を晒すことになるかもしれないし、童貞なのに検査を受けにいくのは恥ずかしいけど、仕方がない。

こうして僕は性病の検査を受けにいくことにした。

保健所

性病の検査について調べてみると、意外なことを知った。まず性病の検査は病院と保健所の2つの検査機関で検査を受けられること。そして保健所の場合無料で検査を受けられること。また、検査は匿名で受けられること。

ただ、保健所の性病の検査は毎日行われているのではなく、月に1回や2回ほど決まった日時に行われる。決まった日時に保健所の性病検査が行われる場所を訪れれば、無料でかつ匿名で検査を受けられるという訳だ。

そんな訳で僕はHIVの検査を保健所で受けることになった。検査の前日、明日墓参りに行こうと母親に言われた。予定があるから墓参りには行けないと伝えると、どんな用事があるんだ、ニートのお前に外せない用事なんてあるのかと、しつこく聞かれ、素直に保健所で性病の検査を受けることを母親に伝えた。強迫性障害が関係していることは面倒だから伝えてはいない。だから、たぶん、僕は童貞なのに母親からはそうは思われていない。

検査当日、決まった時間に保健所を訪れる僕。保健所の建物は薄暗く人は少ないし、建物の中に入った後、どこに向かえばよいか分からず、案内を記した張り紙などもない為、若干迷子になった。

千葉市の保健所だけかもしれないけど、本当に暗い。歩いている場所によっては昼間なのにほぼ暗闇。おそらく保健所が通常の業務を休む日に性病の検査をしているのだと思う。その為職員の数も少なく、必要がないので明かりも消しているのだろう。

ねっとりして暗い建物の中を探検のように迷子になりながら歩いていると、暗い廊下の先に明かりが見え、それらしい看板を見つけた。どうやらなんとかHIVの検査会場にたどり着けた。

検査会場には僕以外の人も大勢いた。おそらく20人から30人くらいだったと思う。性病の検査を受けにくるぐらいだから、それはも性に盛んで、見た目的いかにもっていう人が大勢いるのだろうと考えていたけれど、キモヲタみたいな風貌をした冴えない男がちらほらいたし、コナンの犯人のような全身黒服の人間もいたり、個性が際立った検査会場だった。

一つの部屋に人が20人から30人に集まっているが、一切誰も話すことはない。当然だ、匿名で性病の検査を受けにきているのだ、そんな場所で知らない人と世間話をする奴なんていないし、そんな空気でもない。おまけに、明かりは天井についているシーリングライトのみで、日のあたりはない。

サスペンス映画に出てくる事件現場のような雰囲気で、今ここで殺人が起こっても全く不思議じゃない。そんな殺伐とした空気が検査会場にはあった。

性病の専門家

検査は血液検査によって行われる。股間を出す必要はないとのことで安心した。また保健所での検査では、血液検査だけではなく、専門家による面談がある。専門家との面談では自身の性の生活や、検査を受けにきた理由を話し、専門家からアドバイスをもらうという訳だ。

参加者が一人一人面談室に入っていく。困る僕。当然だ、僕は童貞な上に引きこもりで性病にかかる心当たりなんて全くない。ただ心配性な気持ちが強すぎて、来てしまっただけなのだ。

かといって、結構セックスをしていて心配になったとか、そんな嘘つけない。だって童貞だから。セックスをしているという嘘はばれないと思うけど、そんな悲しい嘘つきたくない。そんな嘘をつくやつは童貞の風上にもおけないやろうだ。

そんな訳で、専門家との面談では全く心当たりはない童貞であるが、心配する気持ちが強すぎて来てしまったことを素直に伝えた。専門家からはちょっとだけ怒られた。性病の検査を受けにくるのはいいけど、精神科にはちゃんといってる?そっちの方に力入れた方がいいよと、言われた。

血液検査

僕はクラミジアとHIVと梅毒の検査を一辺に受けた。別にクラミジアと梅毒は検査しなくても良かったのだけれど、HIVの検査を受けると同時にクラミジアと梅毒の検査もセットで勝手についてくるのだ。

血液の採血が終わってから、1時間程でHIVの検査結果は出る。結構速い。ちなみに梅毒とクラミジアは検査に時間がかかるので、採血から二週間後にまた保健所にいって、検査結果を受け取る必要がある。匿名で検査を受けている関係で、郵送などでは検査結果は送られてこず、直接また保健所にいかなければいけない。

検査結果は一人一人個室に入り、結果が伝えられる。その場でHIVが陽性であると分かった場合、また別室につれていかれ、専門家との面談になり、陰性であった場合はそのまま帰宅することになる。

当然、僕の検査結果は陰性。引きこもりでずっと部屋にこもっているし、童貞なのだからHIVにかかる訳がない。安心する僕。

HIVの検査結果が伝えられた後、部屋を退室することになるんだけど、その時保健所の職員から手土産をもらえる。手土産はこれ。



コンドームだ。童貞だから使う機会はないけれど、せっかくなので一応もらってきた。保健所で検査を受けた記念に。

それから、二週間後梅毒とクラミジアの検査結果も受け取りにいったけど、この2つも当然陰性。というか、一回目いった時よりも建物の中暗くて、マジでびびった。怖いよあそこ。もう二度と行きたくない。

そんな訳で童貞が性病の検査にいった体験記でした。

おわり。

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