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ニート癌の不安になる

自己紹介


https://note.com/yuukibutu_2021/n/nd2c49b2dbcbd

あらすじ

僕には強迫性障害という精神疾患がある。一言で表せば行き過ぎた心配性。ある種の出来事についてひどく心配な気持ちになってしまう病気だ。

全ての面で心配な性格が発揮される訳ではなく、あくまでも部分的であり、どの部分に症状が出るかについても様々だ。

例えば汚いものが極端に駄目になってしまう、行き過ぎた潔癖症も強迫性障害の一つの症状である。僕は昔は潔癖症であったが、今ではむしろ人よりも汚いことを平然とする。

僕は色々なことに強迫性を感じてきたが、中でも一番強迫性を感じるのは自分の体にまつわる病気である。

何か体に異変があると思う僕の寿命は短いと感じ、絶望して泣き崩れてしまう日も昔はあった。

そんな訳で僕はすぐに自分の体のことになると心配してしまう病気を持っているのだ。

血便が出る

はじめて16歳の時に血便が出た。この当時過度なダイエットをしていた影響で水分をあまり取っていなかった。出てくるうんこがカチカチになりすぎて、肛門を傷つけ出血。

今となれば原因ははっきりとしてるももの、当時は便秘で血便が出ることなんて知らなかったから、もう人生が終わったと感じていた。

病院にいって癌だと言われるのが怖かったが、ずっと不安なままなのもそれはそれで問題なので、僕は病院で診察を受けた。16歳の時初めてお医者さんにお尻をいじられた。座薬を処方され、水分を取った方がいいと言われた。

そうしてお医者さんのアドバイス通り座薬を使いお尻の治療をして、水分を積極的にとるようにしたら、血便が出なくなった。

あの時の硬すぎるうんこは人生で最大の便秘だったに間違いない。あのうんこには圧倒的な硬さがあった。

度々でる血便

水分を積極的にとっていても、やはり時々血便が出る。そこまで頻度は高くないけれど月に1回程度は血便が出る。でも1回程度なので、すぐに普通のうんこに戻る。だから病院で診察を受ける必要性はさほど感じていなかった。

それでも心の中でやっぱり俺は大腸がんなんじゃないだろうかという、一抹の不安が時々頭を通り、もういっそのこと先生にお願いして大腸がん検査をしてもらおうと思い立った。次の日に外科へ行き、肛門を診察してもらう。

この時肛門に小さめのカメラも入れてもらった。うんこまみれのカメラは看護師さんが回収していた。きっと僕のうんこで汚れたカメラも看護師さんが洗うのだろう。マスク越しの看護師はとても美人だったが、特に興奮はしなかった。

外科の先生からは僕の年齢で大腸がんになるようなことはあまりないし、それに大腸がんを疑うような理由も特にないけど、そんなに心配ならする?と言われ、はいと積極的に返事をした。

外科の先生から勧められたというよりかは、僕の方がしてくれてお願いしたというニュアンスが正しい。

ただ、大腸がん検査というのは腸の中を綺麗にして、専門の技師さんが手間をかけて長い管のカメラを大腸にいれる検査。即日で行えるものではなく、実際に検査を行ったのは予約を入れて一ヶ月後だったと思う。

検査前日

検査前日は超の中を空っぽにする為に、病院から渡された質素な食事を食べることになっていた。味のうすい肉じゃがや味の薄いおかゆなどであった。

そして当日に食事はとることが出来ず、病院についたらあまり美味しくない液体を2L飲まされる。この液体は下剤であり、この下剤を用いて腸を綺麗にするのだ。腸がうんこまみれだとカメラで腸の環境を観察することが出来ないからこそ、綺麗にする必要がある。

だから大腸検査というのはとても時間がかかるのだ。下剤を飲んでから腸にあったうんこが全て出るまで、少なくとも2時間はかかるし、僕以外に検査にきている人も大勢いる。ということで僕が病院についたのは朝の9時頃であったが、実際に検査を受けたのは夕方頃だった。

待ち時間はトイレでうんこをしたり、本を読んだり、血圧を測ったり、もっと下剤を早いペースで飲みなさいと看護師さんに怒られたり、そんなふうに過ごした。

待つスペースでは僕以外にも当然大腸がん検査を受けに来ている人もいて、どうやら夫婦で検査にきた人もいる模様。夫婦そろってうんこが出るのを待っているのはとてもシュールだ。

検査開始

知っている人もいるかもしれないが、大腸検査というのは非常に痛いことで有名である。長い管を大腸に入れるのだから、それは今までに感じたことのない痛みと違和感を感じると、ネットの経験談で書いてあった。

僕は痛みにそれなりには強い性格で、どれほどのものなのだろう好奇心が湧いていた。俺は痛みに強い、痛みが強い僕ならもしかしたら寝るくらいのことはできるかもしれない。楽しみだ、楽しみだぜ大腸がん検査。そんな心持で検査に望んだ。結論をいうと寝れる訳がなかった。

検査室に入ると、専用の服に着替え、台で仰向けになる。専用の服は肛門の部分だけ穴が空いており、そこからカメラを突っ込むという訳だ。検査技師さんがカメラにローションっぽいものを塗って、僕のお尻にカメラを入れ始めた。最初はなんだ、この程度か、やっぱり楽勝じゃんと高をくくっていた。全然痛くないな世間話とかも余裕でできるぞ、まあ検査技師さんは真面目な表情だから話かけないけどね。そんなことを心でぶつぶつ呟いていた。

しばらく時間が経ち、もうそろそろ終わるのかな。聞いてた話によると10分から15分程で終わると聞いていたから、多分そろそろだろう。

「さとうさん、実を言うとですね、全然カメラが入っていないのですよ」

ずっと黙々と仕事をしていた検査技師さんが口を開いた。なんとこの15分の間全くカメラは奥にすすんでおらず、それで僕が痛みを感じていなかったようなのだ。

僕の大腸のコンディションなのか、生まれつきなのかは分からないが、とにかく僕の大腸はカメラを通しづらかったらしい。後に検査技師さんに聞いたところ、僕の大腸は年に一人いるかいないかレベルの難易度だったそう。

全く進まない検査。僕は体を左に向けたり右に向けたり、色々なポーズをとってカメラを入れようと検査技師さんが奮闘するも、全く進まない。そのうちに看護師さんまで参戦。看護師さんが僕の体に力を加えて、体をねじる。頑張る検査技師さん、痛みに耐える僕。

そうしている内に何とかカメラは入った。検査技師さんの表情は晴れやかであった。検査技師はこの仕事が長いそうで、それなりのテクニックを持っているようであった。これが新米の検査技師さんであったら、もしかすると大腸検査が別の日にシフトしていたかもしれない。検査が終わった後に、外科の先生からすごい時間かかったらしいね!と僕の大腸の難易度が先生にまで伝わっていた程だった。

そうして撮ってもらった大腸の写真は何も問題がなく、綺麗なピンク色の管だった。そう僕はやっぱり大腸がんではなかった。

安心した気持ちで家にかえり、およそ2日ぶりに普通の食事をとり、幸せな時間をその日は過ごせた。

さて今回はこのあたり。で



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