サッリ

「前半45分をどう捉えるのか。」18-19シーズンプレミアリーグ22節 チェルシーvsニューキャッスル

1月13日に行われたチェルシー対ニューキャッスルの試合は2-1でチェルシーが勝ちました。

本日はこの2つのツイートに書かれていることについて非常に気になったので、ここについて言及したいと思います。

・前半で試したこととは何か?
・コバチとバークリーから見えた、後半の課題
・ニューキャッスルに足りなかったこと


・前半で試したこととは何か?


サッリは前半についてネガティブな発言をしていましたが、僕は前半について面白い兆候が見られたのではないかと思いました。それは、選手1人1人がレーンに被らず位置が取れていたことです。

今日のスタメンで言うと、前線の3人(ウィリアン、アザール、ペドロ)は基本的に自由に動き回ってボールを受けるので、時々バランスが悪くなっていて欲しいポジションに人がいない現象が発生することがあります。

しかし、今日はウィリアンは左のレーンのどちらかで位置を取ることが多く、ペドロも外レーンとハーフスペースを移動しながらふらふらしていました。アザールも中央から移動することなく常にCBの近くでプレーする場面が多かったので、バランス自体には問題がありませんでした。

サッリが「眠ったようになってしまった」といった表現を使ったのは、単純にボールロストとテンポが遅かった点についてではないかと思います。

理由は2点。
①選手間の距離が均等に保たれてパスの距離が伸びたことによって、普段発生しない技術ミスが増えた。
②バランスは保たれていたが、「外す」ことが出来ていなかった。

この2つです。逆に言えば、この2つが改善できればボール自体も動きますし、主体的に相手を動かしてサッカーすることも可能です。カンテに関しては自分の立ち位置によって相手がどのように動いて、どこにスペースが空くのかを理解し始めたのではないかと、プレーを見て感じます。

個人レベルでこのような感覚が身につく選手を増やすことが出来れば、前半もっと相手を圧倒して殴ることが出来るチームになるんじゃないかと思いました。

p.s. ペドロの1点目あの動き、大好きです。笑


コバチとバークリーから見えた、後半の課題


63分、コバチッチに代わってバークリーが投入されました。コバチッチは久しぶりのスタメンで力を発揮しようと動き回っていましたが、なかなか良い体勢でボールを受けるシーンがありませんでした。

一方バークリーですが、相手と味方の位置を常に確認しながら空いているところを見つけてボールを受けて出すことで、テンポを上げる役割に徹していました。ここに今のチェルシーの課題があるのではないかと思いました。

それは相手の位置を認知してプレーしないことです。
今節のカンテ、後半のアザールは自分の立ち位置を変えながら相手の位置を観察して、誰が食いついてどこが空くのかを感じたプレーを選択します。特に、2点目のウィリアンの得点はアザールが相手が食いついてきたのを認知したプレーの選択でした。

一方で、他の選手は相手が前がかりにプレッシャーをかけてくると余裕がなくなって技術ミスが発生しています。特にアロンソとコバチッチはプレッシャーをかけられると余裕がなくなって感覚でプレーしてミスしているシーンが今節見受けられました。

プレッシャーがかかるということは、自分の立ち位置が悪くない場合、相手がバランスを崩してボールを奪いにきているので、スペースが空いてチャンスが生まれるはずなのです。しかし、プレッシャーが来ると余裕がなくなって技術ミスをしてしまう選手は、まだまだ相手の位置を認識してプレー出来ていない可能性が高いです。

カンテはこの半年でかなりの成長を遂げています。他の選手も相手を見ながらサッカーが出来るようになると、止められなくなるんじゃないかと思うので、長期的に期待していきます。


・ニューキャッスルに足りなかったこと


最後に、ニューキャッスルのことについて書きます。この試合、ニューキャッスルは十分勝ち点を奪えたと思います。

あそこまで遅いスピードでちんたらボールを回しているチームに対して、なぜ負けているのに5バックで人海戦術を敷いていたのかが分かりません。前半も高い位置でボールを奪えたシーンもありましたし、僕の目で見てもハイプレスが来ることをチェルシーが嫌がっていたので、なんで何も考えずにズルズル引き続けているのかが分かりませんでした。

武藤が所属しているチームでもありますので、レベル的には日本代表クラスの選手が多いのではないかと思いますが、このクラスの選手は"相手を観察して嫌なことをしていく"選手が少ないように思います。

もちろん、サッカーは最終的に質なので、どんなにポジショニングがぐちゃぐちゃなウィリアンであってもあのシュートが打てる質があるので試合を勝たせることが出来ます。ただ、質が高い選手がもっと頭を使って"サッカーというゲームをどう戦うのか"という思考が出来るともっとサッカー選手として高みを目指していけるのではないかと思います。

サッカー脳の偏差値が高くて何一つ悪いことはないので、今後もそういった活動に自分が少しでも貢献していけるように頑張っていきたいと、ニューキャッスルの選手を見て感じました。


今後も勝ち点をしぶとく拾い続けて、個々人の選手の改善を促しながらチームを向上させていくサッリのやり方に注目し続けていきます!



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