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お姉ちゃんの放送が見たいけど寝ろと言われる乙葉達

2024/09/07 19:02(今日は20:00から、新山あかりの放送がある)
(少女ゲーム「読モデビュー」プレイ放送)

乙葉「うっしっしっしっしっ! 今日は22時までお部屋で夜更かしするぞ!」

「ただいま〜!!」
(お兄ちゃんが帰ってきたけど、目的は……必ず達成する!! 我は琵琶湖わんわん王国![はなおでんがん])

「おかえりお兄ちゃん〜♪」と理央が出てきた。
「理央よ、出迎えてくれてありがとうございます」
理央もまた、あかりの放送が見たかった。理央は年下で高校2年生なので乙葉より夜更かしの難易度は高いのだが、ちょうど明日提出する課題が溜まっていたのでそれを理由に夜更かしをするつもりだった。
なぜ今日が土曜なのに日曜日に退出するのかと言うと、明日は家庭科の校外学習「旦那の役割・嫁の役割」の講演会があるためだ。

「ところで理央」
「なぁに? お兄ちゃん」
「本日はいつ寝る予定ですか?」
「しゅ、宿題を終わらせてから寝ます!」
理央がそう言ってニコッと微笑むと、颯太は。
「いやっ! 今日はご飯食べ終わって風呂入ったらすぐ寝なさいね!」とビシッと指差した。
「びくっ!」と驚くのはそれを近くで聞いていた乙葉。

「今日寿司買ってきたのですぐ食べ終わるでしょう!! で、お風呂入って寝なさい? 良いね???」
「いやぁその……」と理央。
「家庭科の課題溜まってるから! 新聞10枚のレポート文書かなきゃいけないの!」
「見せてみろ理央!!」

理央は仕方なく宿題の提示文書を見せた。
特定の部分を隠しながら。
「理央、指を退けなさい」
「えっと……その、うーん、仕方ないなぁ。本当は1枚書けば十分なんだけど、理央はA取りたいから……」
「今すぐ1枚書きなさい理央! ご飯を食べながらするんですよっ!?」
「お、お兄ちゃん……たまには夜更かししても良いよね?」
「ダメですすぐにやりなさい!!!」

颯太は妹達にあかりの放送を見せたくなかった。だけどそこにはネックがある。
まだ中学生の竜也のスマホは20時から預かれる。だが理央と乙葉はもう高校生以上なので母・桜から「夜のスマホは預からなくて良いよ〜♪」と言われていたのだった。
だから見る前に寝かせる必要があるのだ。

「さぁーて今日は寿司ですよ寿司! 美味しく頂きましょっ!」と颯太は手を洗ってサラダを作り始めた。
「あ、そうだ」と颯太は振り返る。
「宿題をやるんだったらスマホは預かりますよー?」
「でも調べるから!」
「でも預かりまーす。え、調べるですって」
(理央……明らかにあかりの放送見る気じゃねーかこのヤロ〜💢)
怒る颯太。絶対にバレたと理央は恐縮した。
「乙葉もスマホ取んぞゴラァ!!!」

(仕方がない……あの手を使うか)と乙葉はゴソゴソと支度を始めた。
「大学に行ってきます!」
「待て、もうご飯はあるんだぞ」
(ううっ、お寿司……。御免なさいお姉ちゃん、お寿司には変えられない……)

乙葉と理央は諦めることにした。
竜也は最初から友達の率の家に行く約束を取り付けていた。竜也は颯太より1枚上手だった。

「どうする、理央」
「こうなったら話し合おう、お姉ちゃん。弟はなんか逃げてるし」
「そだね」

ふたりは颯太と話し合うことに決めた。
「「お兄ちゃん!!!」」
「何ですか? すぐご飯ですよ? それからすぐお風呂に入ること! 良いですね?」
「お風呂に入ったら、自分の部屋で宿題をしながら、お姉ちゃんの放送が見たい、です!」
「はぁ〜理央よ。お兄ちゃんがあかりの放送を見ないように見張ってるからな。乙葉のスマホは預かりますね?」
「乙葉ちゃんはご飯食べ終わったらすぐ大学に行ってきます!」
「行かせない! スマホは預かる! 以上、です!! さぁ、急いでご飯を食べましょう」

「理央ーどうする? 今日お母さん達帰ってこないよね」
「待ってお姉ちゃん」
理央は目を光らせた。
(私に良い考えがあるから)
「って顔してるな? 理央よ」と乙葉。
「しっ!」と理央。
「何を2人でゴソゴソしてるんです? 早くご飯を食べますよ?」
「「はぁーい!!」」

乙葉は理央の案を察していた。
これから辰徳とあかりの家へ避難するのだ。
そう、姉・あかりの放送を見るために!
だけど颯太がそうさせなかった。
「ウッ……ウッ………」
颯太は泣き始めた。半分演技で半分本当だった。
「ど、どうしたのお兄ちゃん?」と理央は心配し始めた。
(まーた嘘泣きだな)と乙葉は思っていた。
「ボクは、食事の面倒も見てやってるし、お金も稼いでるのに、ふたりとも、辰徳のところに行っちゃうんだ……ううっ😢」
それを言われるとふたりは弱かった。
((どうしよう……))

ピーンポーン♪
「あ、私出るねー!!」と逃げるように玄関まで走った理央。
悪い予感がした颯太は、「あ! 待てこら!」と言うも遅かった。
理央はのぞき穴を覗き込む。
「どもー、こんにちは!」
そこにいたのは辰徳だった。
理央は玄関を開けた。

(救いの神きたっ!)と乙葉は立ち上がった。
颯太と乙葉は玄関に駆け寄る。
「なんです? ご飯はやりませんよ」
「オレはもう食べたから、妹ちゃん達、20時から一緒にあかりの放送見ようぜ♪」
「「やったぁあああー!!!」」
いぇええとふたりはハイタッチ。辰徳くんともハイタッチした。
「辰徳……このやろう。なんてタイミングできたんだ、このやろう……」
「わりぃ♪ ちょっと魔がさして♪ だってあかりの放送を見るなら、ひとりより3人の方が良くね??」
「神よ! ありがとう!」と乙葉。
「なぁんだよそんなに嬉しかったのかぁ?😁」と辰徳は満面のにやり顔を浮かべた。
颯太は急いでヒトシに電話をかけた。
「ヒトちゃん! 今日だけは! 辰徳追い出して!!!」

一方颯太の頼りのヒトシは、本当に颯太にとって魔が悪いことに、同胞の4人で浅草の個室居酒屋で飲み会をしていた。
颯太は電話が繋がらないためにみんなで使っている予定帳アプリでそれを確認した。
「辰徳ぃいいい……てめぇえええ!!!」

終わりに。(ジェルさんと私の感想)
どうでしたジェルさん?
「あーーあ」
あ、なんか残念そうですね。
結局平和に終わって良かったですね!
「颯太可哀想!!」
ジェルさんは颯太リスナーである。
「毎回さぁ辰徳がカッコつけるんだもん!」
悔しいけど惚れますねー。
「う〜〜ん」

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