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夜虹

街灯が纏った虹を、どうにかして我が物にしようと躍起になる僕は、夜空に浮かぶ大きな満月を見つけてどきりとする。慌ててマンションの影に隠れてやり過ごそうとするが、月の輪郭や陰影が網膜に貼り付いて、観念したように夜空をくり抜いた光を見つめる。背中をつたう汗が僕を責め立てる。どうしたって僕は光になれないのでしょうか?


いつか書きっぱなしにしていた散文。
随分と出遅れたくせに、随分と季節は足早で。
取り残されているどころか、後退するばかりです。

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